「春、お前ってやつはさぁ」
春が始まった
東北の春はいつもマイペースにのんびりやってくるものだ。
ある日はほのぼのとした、まさに春うらら。
春霞のなか、のどかに縁側にでも座ってみる。
ある日は暖かさを吹き飛ばすような春一番。
新芽も、桜も、やる気も全て吹き飛ばされてしまう。
ある日は冬に逆戻りするかのような、冷たい雨が降りしきる。
そんな日には、石油ストーブを焚き、上で温めた白湯を飲み、来たる春に備える。
ただひたすらに熱く、じりじりと焼き尽くされるような夏とは違い、
山々が色とりどりに燃え、徐々に色