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「大家の学校」始まる

5月19日から「大家の学校」が始まりました。

「大家の学校」が始まる前に、4月に相模大野の「キチカ」で行われたイベントで買った校長の青木純さんが書いた新刊『パブリックライフ』を読みました。純さんの前著『大家も住民もしあわせになる賃貸住宅のつくり方』はすでに読んでいたので、池袋のカスタマイズ賃貸・オーダーメイド賃貸を手掛けたことは知っていました。今回の『パブリックライフ』では、時系列的に言えば、だいたいその後のことが書かれていて、高円寺アパートメントや青豆ハウス、都電テーブル、南池袋公園の活動などについて知ることができました。

その中で、青豆ハウスには当初の予定とは違い、純さん自身が住むことになって、一緒に住んでいるからこそ、住民とのコミュニケーションが密になり、いいコミュニティが生まれていったとのことでした。大家として「青豆ハウス」に一緒に住むことに何よりの価値を置いていることがよくわかり、自分のこととして言えば、新しく建てるアパートの猫がいるコワーキングの隣に自分たち夫婦も住むことにすれば、猫問題も解決するし、いいのでは、との考えも思い浮かんだりしました。

そして19日、いよいよ「大家の学校」の開校です。

この日は講義の前に、午後0時30分集合で純さんの青豆ハウス(冒頭の写真は設計時の模型です)を見学させてもらえるとのことだったので、さらにその前に池袋に寄って、純さんがやっている「池袋リビングループ」の会場付近や南池袋公園などを駆け足で見てきました。僕は池袋の大学に通っていたので、かつての池袋の様子はある程度知っていたのですが、綺麗に芝生が整備された南池袋公園に親子連れが遊んでいる様子を見て、昔、近寄りがたかったこの周辺から様変わりした姿に驚きました。また、グリーン大通りには「ストリートファーニチャー」と名付けられた椅子が置いてあったりして、「まちなかリビングがある風景」を標榜する「池袋リビングループ」の一端が垣間見られました。

それから、青豆ハウスのある平和台に移動して、集合時間が12時半だったので、大家の学校事務所の連絡時におすすめされていたお蕎麦屋さんでお昼にしました。席について注文を済ませると、新たに入ってきた男性が隣のテーブルに座っていた女性とあいさつをして、青豆ハウスのことを話し始めたようでした。「これは、もしかして‼︎」と思い、思い切って「大家の学校の受講生ですか?」と声をかけてみると、やはりそうでした。

そこで、自己紹介がてら辻堂から来たことなどを話すと、その女性は平松さんといい藤沢市の方でした。そして、なんと石井光さんがエディブルパークで使う竹をもらっている農園の方でした。平松さんは前期から受講している先輩で、やはり石井さんから「大家の学校」を教えてもらったようでした。その向かいに座った横山さんも10期からの受講生で、さらにもう一人お蕎麦屋さんに入ってきた市川さんは海老名で農園をやっているとのことでした。こうして集合前から三人の先輩と知り合うことができ、さらに青豆ハウスに行くと、相模大野でお会いした渋谷兄弟もいらっしゃって、アウェイ感少なく見学に入ることができました。

この日、青豆ハウスではマルシェをやっていて、バザーのように手作りの品などが売りに出されていました。売っているのは住民の方で、みんな話すのが慣れていて、気さくに質問などにも答えてくれました。青豆ハウスは中央の階段を上がって、それぞれ8戸の世帯に2階から入るようになっています。1階奥のスペースは外で食事などができるように大きいテーブルとピザ釜があり、純さんは「ここに一番力を入れた」と言っていました。

また、向かいが都民の畑になっていて、ここは土地を所有していた方が相続で大手ハウスメーカーに売ろうとしていたところ、純さんたちが畑を守るために、地主さんに話をして、自治体に格安で売ってもらったという畑です。どこにでもあるハウスメーカの住宅にならずに、畑を残すことができたのでした。純さん曰く、「畑はみんなガチでやっている」とのことで、どの区画もしっかりと農作物が育っていました。

「青豆ハウス」から開校式が行われる目白のtoolboxに移動しました。
ここは設計事務所「Open A」の代表や不動産仲介サイト「東京R不動産」のディレクターなどを務める建築家の馬場正尊がスタッフを務めている、住宅資材を扱っているショールームの地下スペースです。

この日、開校式ではその馬場正尊さんと高円寺アパートメントの女将をやっている宮田サラさんの講義がありました。講義の内容はあまり詳しく触れませんが、馬場さんは山形市から依頼され、山形市の街づくりに携わっているとのことでした。僕は偶然にも去年、旅行の帰りに山形駅に寄っていて、馬場さんが手がけた小学校などを見ていました。

「山形の元小学校にこんな洒落たお店が集まってるんだ!」と驚いていたので、そこを開発し運営しているのが馬場さんだということを聞き、「なるほど!」と思いました。単なる建築だけでなく、広くまちづくりまでしていることを知り、開校式に講師として呼んだ「大家の学校」のスタンスが実感できました。

続いて、純さんの会社「まめぐらし」に務めて、馬場さんがリノベーションした共同住宅「高円寺アパートメント」で女将をしている宮田サラさんです。サラさんはとしま会議やリノベーションスクールなどの話をしてくれました。その後、純さんを交えての鼎談となりましたが、純さんの「住宅という場は溶け始めている」という言葉が印象に残りました。

今回の開校式は今までで参加者が一番多かったようで、会場はいっぱいでした。受講者は大家さんばかりでなく、というか大家は1/3くらいで、あとは建築家や不動産関係、それ以外にもまちを盛り上げたい、地域コミュニティを作りたい人など様々でした。

その後は懇親会もあり、僕より10歳ちょっとくらい歳下で、横浜でアパート経営している大家の西山さんと同席で話したりして、「大家の学校」で石井さん以外の大家の仲間ができそうだと思いました。

5月26日には横浜市関内のLOCAL BOOK STORE kitaで行われた「本は港」に行ってきました。神奈川県内の出版社や書店が集まるイベントで、今回は3回目です。主催するLOCAL BOOK STORE kitaに勤めている石井裕子さんとは3月のみんとしょサミットで少しお話しする機会があり、その後、なんとエディブルパークにも入会されました。横浜の方ですが、コミュニティ農園を探して偶然にもエディブルパークに行き当たったようです。

そんな縁で、一棚ライブラリーもあるLOCAL BOOK STORE kitaに行ってみたいと思っていたところ、今回のイベントがあり伺ってみました。イベントで使われているスペースの手前に常設の一棚ライブラリーには横浜にちなんだ棚も多かったです。

「本は港」は前日は出版社の日で、この日は北極冒険家の荻田泰永さんの冒険研究所書店や『「みんな」のための本はない。「あなた」のための本がある。』と謳っている大船の「ポルべニールブックストア」、桜木町駅前にある有隣堂の別ブランド?「STORY STORY」など個性的なお店が集まる書店の日でした。それぞれ独自の品揃えで、ZINを売っているところもいくつかありました。会場は若い人中心に結構、盛況で、本を通じたイベントのニーズはあるんだなと改めて感じました。

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