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角換わり同型66歩44歩型で後手番で勝つ!!【2】

図1

前回はこの局面に行き着くまでの変化を見ていった。何個か落とし穴があり、先手も手順前後が許されない慎重な対応が必要だった。しかし、この局面に行き着くと今度は先手に有力な手が何通りかあり、後手は一つ一つ準備しておく必要がある。前回にも述べた通り、▲34角、▲44歩、▲34銀、▲43歩の変化をみていく。

図1以下▲34角の変化

▲34角は玉の逃げ道を牽制し後手玉を寄せていく目的。この角が邪魔なのでまずは追い返す目的で△45桂▲同桂△33歩とする。▲25角と逃げると飛車の効きが止まるので先手も▲54桂△同歩▲53銀△31玉▲23角成と迫り次図。

図2

一見後手玉は寄っているように思うが、ここでいい切り返しがある。△28歩とたたき、▲同飛するよりないが、そこで△67銀とぶち込んでいく。▲同金には△同歩成▲同玉△23金▲同飛成△77桂成▲同玉△65桂からの即詰みがある。△67銀に▲59玉と逃げると、△48角とするのが好手。(図3)

図3

▲49玉には△57桂不成で詰みなので、▲同金とするよりないが、△同歩成▲同玉△36桂から王手飛車をかければ後手勝勢。角を渡しても飛車を取れば後手玉は詰まない。

図1以下34銀の変化

▲34銀は取られそうな銀を逃げつつ玉に迫る狙い。後手はここで2通りの有力な手段がある。攻めに出る△57桂成か一旦自玉を安全にする△52玉。結論から言うとどちらの変化を選んでもかなり長い戦いになる。自分の研究をすべて書くと150手を超える戦いになるためすべてを書くことはできないがここまで抑えておけばそうそう負けないだろうと感じるところまで書いていく。

1)△57桂成の変化

以下▲同玉△56角と進んで次図。

図4

金銀両取りで、先手も受ける手はないので▲23飛成から攻め合いに出る。以下△同金▲43銀△51玉▲23銀不成△61玉▲73桂△71玉として次図。

図5

ここで、▲81桂成△同玉▲61飛△82玉のように進むと後手玉は詰まず、先手玉は△67飛からの詰めろになっているため、後手勝勢。
先手は図5で一旦62歩成とするのが良い手で△同金に▲81桂成△同玉▲84飛△72玉▲82金△63玉▲83飛成△64玉とした次図はかなりの激戦。

図6

ただし、これは後手がかなり勝ちやすいと私は思う。その理由として、先手玉には依然として67飛から詰めろがかかっているし後手玉は中段玉で人間にはかなり寄せにくい形。ここまで押さえとけば基本的には負けることはないと感じる。

2)△52玉の変化

以下▲44歩△77桂成▲同玉△67銀▲79桂△86歩▲同歩△48歩成▲同金△65角として次図。

図7

77桂成から67銀と打つ形はは他の変化でも出てくるが、それに対しての79桂はセットの受け。
図7以下▲43歩成△63玉▲47歩と飛車取りを受けるが、△43金と手を戻しておけば後手玉は安全になり、先手玉は嫌味が残っているため後手が勝ちやすい形。

▲34銀の変化は、後手に攻めの手と受けの手の2択に分かれたがいずれにしても後手がある程度勝ちやすい(評価値はほぼ互角だが)形を作れることがわかった。次回は▲43歩の変化について見ていく。

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