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「子どもから引き出す」授業の大切さ、クリティカルな読みへの手立て

 私がお送りする授業てらすnoteとしては今年最後の記事になります。
 今年を締めくくる記事として、つい先日、12月28日に参加した「冬の授業フェスタ」に触れないわけにはいきません。

 2期として授業てらすに入会しはじめて、現地リアルイベントの参加で、算数も国語も続けて参加させて頂きました。
 講師の先生方、運営のスタッフのメンバーの方々、最高の学びのときをありがとうございました!

 その全てをまとめたいところではありますが、今回の記事では懇親会まで参加させていただいた国語のWS、「シン・説明文の授業づくり」について、学び一部と私の感じたことをアウトプットさせて下さい。

1.「説明文の授業づくり」における大事なこと

 中野先生、弥延先生が語ってらっしゃった授業作りの中で、我々が大前提で意識しなければならないのが、『子どもから引き出す』授業、そのための子どもへの発問の中身や授業準備、何より待つことの大事さ、ということです。
 発問も大事、教えなくてはいけないことももちろんある。でもあくまでもそれらを『子どもたちから引き出すこと』なのだと改めて気付かされました。
 引き出す中身は、色々あります。考え、気づき、助け合うための児童同士の言葉がけ。『分からなさ』がぽろっと出てくることもありうるし(マイナスイメージで捉えちゃうことがあり得ますが、実はこれって大事!)、たどたどしく思考を外に出している児童がいるときこそ、そのアウトプットを遮るべきではない、という話も印象的でした。

2.改訂前・後の教材文を比べて読む、という手立て(=批判的読み(クリティカル・リーディング)の1つの手段)

 子どもから引き出す授業をめざし、説明文の教材研究をする。読ませる方法を考えるわけですが、学び・読むことへの必要感や相手・目的意識を感じるための1手立てとして、『同じ題名の2つの説明文を比べて読む』という方法が、今回両先生から出てきました。

 教科書の改訂により、筆者が文に改良を施していることがあるそうです。
 改訂前・後の文を2つ提示し、比べさせながら読む。そのような場面を設定します。その違いが何を生むのか、筆者の言いたいこととどうつながるのか、読む児童に「あなたならどちらのバージョンが良いと考える?」と問うのです。講座では、以下の2つの教材について読み比べを行いました。

①「想像力のスイッチを入れよう(下村健一)」(光村5年)
R2の教科書改訂前後で、『 』マークを付したキーワード(スイッチ)のうち、4つ目の最後(旧版・第12段落)だった『まだわからないよね』が最初(新版・第8段落)に移っている。
②「ミラクルミルク(中西敏夫)」(学図3年)
R2の改訂で、段落数、具体例の述べ方、まとめの書き方など色々な変更が施されている。

 ぜひ、該当の学年・教科書を教えていらっしゃる先生は、改訂前後の文を読み比べて、その違いや表現の効果について児童と共に考えてみて下さい。(もし、これらの教材以外にもこのような改訂に出くわしたことがある、という情報があったら頂きたいです。すごく良い教材研究、読みの手立てだと思うので、皆で事例をシェアしていきましょう。もし知っている方はコメントお願いします。)

 弥延先生の言葉を借りると、この「2つを比べて読む」という手立ては、「丁寧に読みたくなるスパイス」です。

違いに気づく(驚き)→比べて読みたくなり(自分にもできる!)→なぜ違うのか、考えたくなる(詳しく読もう)→目的意識、相手意識をもって読む(紹介するためには)

 このような流れを生みます。そして児童は違いを探しながら読むことで『こっちの文は○○なところが良さそう』等と、筆者の述べ方のよさ・工夫に目が向くようになります。

 今回の授業フェスタには、「想像力のスイッチを入れよう」の筆者である元TBSアナウンサー、下村健一さんがいらっしゃっており、中野先生の模擬授業、授業解説を食い入るように聞いておられました。
 筆者として、学校の授業の現場にもよく足を運び意見を聞くということがあるそうで、今回の改訂は学校から、読んでいる児童の意見をもとに思うことがあって書き換えを行なったそうです。
 その思いは、以下のHPに掲載されていました。(掲載しておいてなんですが、授業後、教材研究後に見ることをオススメします。

 この単元に向け、下村さんの思いやメディアリテラシーについて授業で扱うためのヒントが書かれたサイトがこちら↓です。

 講座の最後で、下村さんがおっしゃっていた言葉がかなりグサっと刺さったので、最後に共有したいと思います。

「今日のワークショップを受け、改訂前後を見比べてみたり、筆者の意見に遭遇してしまった先生方は不幸だと思って下さい。大事なのは、筆者の思いは確かにあるけど、『下村さんはこう考えているんだ。こう読みなさい』とそこに児童を引っ張って行ってはダメ。あくまで子どもたちがどう読み取ったかありのままを見てあげることが大切。」

 こんなお言葉だったかと思います(言葉じりが違うと思いますがそこはすみません。エッセンスは入っています。)
 これも、最初に書いた「子どもたちから引き出す」の大事さとつながるところがありますね。
 授業の中で、教師が、児童が一生懸命アウトプットをしようとしている中で、どう出ていくか。教師の出どころがすごく大事です。
 今日得たハウツーや、「引き出す」という視点を大切に、これから授業を行なっていきたいと思いました。本当に学びの多い1日でした!参加して良かったです。

 今年から本格的に更新をスタートした『授業てらすnote』。
 1月からはてらすに第3期メンバーも入会し、さらにパワーアップした記事がお送りできると思います。
 私の記事を今年1年読んでいただき、ありがとうございました。
 インプットとアウトプットの繰り返しで私自身もどんどん成長していきたいと思っています。「こんな内容の記事を書いてほしい、意見を聞いてみたい」ということがありましたら、ぜひコメントお寄せ下さい。

 みなさま、良いお年をお迎えください!

2022 → 2023

                    2期メンバー  よう先生

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