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桃鉄を授業実装戦略①5年社会 5年×組 ○○業物件マップを『Padlet』で

 12月18日に、銀座のコナミクリエイティブセンター銀座 esports 銀座 studioで行われた「第1回 桃鉄教育祭り!」に参加してきました。

 KONAMIと共に開発にエデュテイメントプロデューサーとして携わった、立命館小学校の正頭英和先生他、勤務校等でテストプレイを経て、学校現場への実装するには、というアイデアをもった先生方が次々と登壇し、その講話を拝聴することができました。

1.正頭先生のお話から

 正頭先生の開発に至った経緯が、まず素晴らしいお話でした。

 正頭先生は、知る人ぞ知る(日本では知名度がまだないです。正頭先生も自ら仰ってました。)教育界のノーベル賞と呼ばれる「Global Teacher Prize」で2019年、日本人小学校教員初となるトップ10ファイナリスト、「世界の優秀な教員10人」に選ばれた先生です。

 評価されたのは、教育版マインクラフトの実践ですね。正頭先生が受賞した2019年の授賞式では、ヒュー・ジャックマンがゲストに来て生で触れ合ったそうです。

 授賞式の流れで海外の授賞教員のデモ授業を見た時に、「日本の教育はダメといわれ、モンテッソーリなど海外の有名教育法を取り入れようという声が強いけど、決して日本の教育と教員はダメではない。」と実感したのだそう。そしてもっと、日本の教育の良さ、先生の凄さを発信しないと、と。
 そこでメイドインジャパンの教育とはなんだろう?と考えたとき、パッと浮かんだのがゲームとアニメを使った教育だったと言うことです。
 当時はゲームを教育に取り入れること自体が珍しく、導入したひとつの例が授賞のきっかけとなった『マインクラフト』でした。
 そして、「もうひとつは国産ゲームを」と、『桃鉄』が浮かび、コナミとともに3年かけて教育版制作に至ったそうです。 

 その後、Twitter等SNSで有名な「さる先生」こと坂本良晶先生や、お金の教育、大河内薫さんなどの講演が。

 授業への実装を本格的に考える先生、休み時間や家庭学習等で自由に子どもたちにプレイさせて我々世代も知る、潜在的な教育効果を期待する先生方など…それぞれの先生が思い描く、多方向からのビジョンを聞くことができました。

 教育版桃鉄は、

・最大授業時間内でのプレイとなるよう、「3年」が最大年数として設定されている。(およそプレイ時間は1年で18分)
・「ビンボー神」・お色気要素が出てこない仕様(『スリの銀次は出てくる。笑』)
・『場所変えカード』など、児童が使うことで、ある特定の児童に不利益がふりかかるようなカードやイベントは、コンピュータがランダムで対象を決めることになっている。

など、教育的な配慮がたくさん施されていることも含め紹介されました。

2.授業実装戦略案 ① “Padlet”で作る「5年×組 ○○業物件マップ」

 では、ここではいちばん考えられる社会の授業での桃鉄、私が導入するとしたらどうするか…1つの考えを共有します。
 是非、ご意見や、みなさんだったらどんな教科・単元でどのように導入するか、コメントでお寄せいただけたら嬉しいです。

導入イメージ

①5年生社会で、「水産業」「工業」「農業」を扱う単元の最終日から逆算し、まとめの3回?の授業で使う。

②1回の授業冒頭で、通常モード1年をプレイする(スクショをとりながらでおよそ30分)。班ごとに、プレイする地方が異なるように設定。

③立ち寄った都市で、扱う産業の物件があったら(購入しなくても良いので)分かるようにスクショをとる。(Padlet共有で、クラスで一番高い○○業の物件を探せた人は誰かというコンテストを実施しても面白いですね。)

④スクショを取った画像の中から、一番皆に紹介したい都市の物件を選び、紹介文を書く。必ず、扱っている○○業の内容の紹介が入るようにする。

例(農業):
「こんにちは。よう社長です。今日は、茨城県の笠間市について紹介します。笠間市は、栗の産地として有名です。栗が植えられている面積は全国第1位です。笠間稲荷神社は、日本三大稲荷として有名で、1年で約350万人が訪れます。」

⑤スクショの画像と紹介文を、Padletのマップモードで共有。これを皆で行うことで「5年×組 農業物件マップ」が出来上がる。3回の授業で、班で扱う地方をローテーションしながら行えば、全国の情報が少しずつ集まっていくイメージ。

 実際やってみるとこのような感じです。1つだけ投稿してみましたが、いかがでしょうか。

 もちろん内容は社会となっていますが、国語の「書くこと」の単元と紐付けて考えても良いかもしれません。35人学級で、1人が1授業で1つ情報を追加し3時間行えば、(順調にいけば)105件の情報を吸い上げることができます。情報量の多い面白いマップになると思いませんか?

 4月に向けて、これからいくつか実装戦略を考えシリーズ化し、皆さんにご提案できたらと思います。
 次は、「算数×桃鉄」でしょうか。単純に4年の「大きな数」か、利益率の計算で5年の「割合」か…。考えるだけで楽しいです(笑)
 見ている先生方もぜひどうぞ。正頭先生が講演で仰っていた、

 『桃鉄』という素材をどう料理するかを先生たちが考え笑顔になる、それが子どもたちをも笑顔にする。これこそがエデュテインメントだと考えています。

 まさに今の私のことを言っているのだと思いました。

 詳しい「教育版桃鉄」の仕様はこのページから確認できます。

 KONAMIのこちら↓のページで問い合わせをしておくと、来年頭より、新年度導入に向けたテストプレイができるような案内が随時届くようになるそうです。

 イベントに参加し、エデュテイメントの波が確実に来ているなと感じた、本当にワクワクした1日でした。


 今日も読んで頂き、ありがとうございました🍑

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