見出し画像

青森と沖縄をつなぐ新しい社会科の形

子どもたちをどうしたら学習へ向かうようにできるか?
悩みは尽きません。
今回、社会科の新しい形として、オンライン学習を使って沖縄の子どもたちと交流しながら「あたたかい地方の暮らし×寒い地方の暮らし」を学習しました。
そして、イベントとして皆さんに届けることができました。
青森に住む私。子どもたちが沖縄の子どもたちに伝えるために自分から休み時間を使って準備し、楽しそうに交流している様子を見て、本当にいい学習になったと感じました。

沖縄との交流学習のきっかけ

社会科サークルで、オンラインでの研修会に参加しているときのお話です。
創造社会というサークルには、まさに北は北海道、南は沖縄に住む社会科大好きの先生たちが所属しています。
とある2月の冬の日、みなさんが天気の話をしているときでした。
沖縄の先生たちは冬にも関わらず、
「今20度ですよ」
と笑顔です。こちら青森は、窓の外を見ると大雪…。
日本って広い!
オンラインを使うと、リアルタイムで日本の北と南の気候が実に違うことがわかります。これは面白い!ぜひ、子どもたちにも実感させたい!と思ったのでした。

創造社会での一コマ

授業てらすを生かして

500名の現役教師が学ぶ日本最大の教員研修プラットフォームある授業てらすでも、全国各地の先生が集っています。
これを生かさない手はない!
ということで、沖縄の先生を探し、一緒に勉強できる学校を探しました。幸いなことに、非常に仲良くしている沖縄の先生がおりましたので、お願いしたら快諾!!
早速、準備に取り掛かりました。
授業に至るまでの準備はこちらです。

オンライン学習までの手順

なかなか多いですが、沖縄側の先生も協力的で非常に助かりました。何をするにも、仲間の理解は大きいのだと改めて実感いたしました。

授業に至るまで

相手が快諾してくれたところで、いよいよ準備に入りました。
子どもたちに、オンラインで沖縄の子どもたちと一緒に勉強することを伝えます。
子どもたちは驚き戸惑った様子…それでも、前向きに社会科の学習に向かっていきました。
私が提示した学習問題はこちらです。
「もし、沖縄の人が青森に引っ越ししてくるとしたら、何を知らせたい?」
すると、子どもたちからは、
「気候、食事、歴史、雪について、家、お祭り、観光地、動物、方言…。」
などのテーマがでて、それぞれの班でやりたいことを決めていきました。
そこからは、自分たちで資料を作り、自分たちで発表原稿を仕上げ…全く教師、かかわっていません。
ただただ、「すごいねえ、すごいねえ!!」の連発です。
なんと、昼休みまで練習に打ち込む子も!!
よく考えたら、これってPBLなんですよね。問いがあって、子どもたちが追究したい内容は子どもたちに任せる。そして、ゴールの設定。
恐るべし、PBL。

授業中

授業では、お互いに発表。
沖縄の子どもたちの発表は、実に興味深いものばかり。
青森の子どもたちも、身を乗り出して聞く子、メモしながら聞く子など、それぞれ学びに向かっていました。
面白かったのは、青森の子どもたちが、
「雪が降っている時間が一番長い県はどこですか?」
と聞いた時です。
沖縄の子どもたちは、
「青森!!」
を連発。しかし、実際の青森の子どもたちは、
「北海道じゃないの?」
と言っていました。
「正解は…青森県です!」
と言った瞬間、驚いたのは青森の子どもたち。
逆現象が起きたわけです。
沖縄のことも興味深く、子どもの発表から学びながら、実はふるさと青森について深く知ることができた時間となりました。
子どもたちの感想をのせておきます。

成果と課題

よかったこと
1.交流学習の後に行った沖縄の学習で、すでに知識があることであったので、全員が授業に参加できた
2.ふるさと青森の魅力について知る機会となった
3.PBLでもあったので、自ら進んで活動することができた

改善を要すること
1.音声機器が不十分で、声が効きにくいことがった。収音マイクなどを取りそろえる必要がある。
2.モニターが1台では足りない。2台必要であった。オンライン環境は目的によって変えていく必要がある。

参加者の声

・この学びをてらすのつながりで大きな波を起こし、広げられたらいいですね!!
・沖縄から参加しました。素敵な取り組みでやってみたいなあと思いました。
・とても参考になりました。ICTの新たな使い方を自分も探っていきます。ありがとうございました
・沖縄と青森というあたたかい地域と寒い地域という代表的な対照的な地域が交流したことで、広がりがあると感じました。今後も、てらすならではの実践が積み重なると良いなと思います。ありがとうございました。
・今日はありがとうございました。違う地域の子どもがつながるってとってもいいなって思いました。生の声を聞いて、より授業も深まるし、何より、子どもの意欲も高まる。相手意識って大事だなって改めて思いました。社会科だけでなく他の教科でもつながれたらいいなーって思います。ありがとうございました。
・ICTが授業内だけでなく、他地域ともつながる形で使われているのが勉強になりました。私も他地域とつながることを試してみたいです。
・新しい可能性が見えた1時間でした!明確に相手意識があるからこそ学びが深まること、そして学んだからこそまた新しい視点で自分の街や地域に愛着が湧くのだなと感じました。ありがとうございました。
・うちのクラスでは、子どもたちが分担してすべての地域を調べてお互いに発表し合いました。それぞれがその地域に思い入れを持ち、その地域の人と話してみたい!という声が上がっています。 今後は海辺の地域や、工業が盛んな地域と繋がれたら面白いと思います。 気軽に繋がれる機会があれば良いなと思いました。ありがとうございました😊
・他地域との交流学習は、生徒にとって貴重な財産になると思います。「沖縄や青森に行きたい」「静岡にはこんな良さがあるのか」という気づきを増やせるような事業をデザインするために、またお力をお借りしたいと感じました。

まとめ

オンライン学習には多くの可能性があります。もっと多くの教科で挑戦していく必要があるし、子どもたち同士がグループで対話する場を作るなどできたら、もっと学びの場は広がると考えています。
さらに、現在過疎化が進み、どんどん単学級の学校が増えてきています。隣のクラスが無い学校が増えてきている現在では、オンライン学習の需要はもっと増えていきそうです。
これからも、オンライン学習の可能性に挑戦し続けていきたいと考えています。

                       三浦健太朗

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?