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【漫画】兄嫁と結婚します 26

大正時代の東京・上野を舞台にしたマンガを描いています。
小話3本立てです。


絆:千代&みっちゃんの子ども時代


春:千代の父、春太郎の春


誕生日:寿と千代の真ん中バースデー


解説

【蛇足】
「絆」について
千代とみっちゃんが大親友になった理由みたいなものが描きたくなり、小さなころからずっと「困ったときはお互いさま!」と助け合っているのではないかと考えました。
みっちゃんは職人たちに囲まれて育ち、まっすぐで気前の良い気質に育ちました。手先も器用で、着物の仕立てなどの内職もしています。千代は骨董品の目利きや商売の方法などを習得しています。二人とも職業婦人、お金を稼ぐための技術を身に着けています。
みっちゃんの髪型「稚児髷」は明治・大正期の女子小学生によくみられる髪型です。千代が三つ編みなのは、たぶん女学校に憧れる母親の趣味です。

「春」について
タイトルの「春」には色々な意味を込めました。春太郎の名前の春であり、舞台は春、人生の春でもあり、性的な意味合いもあります(春画、売春などの言葉にも春が使われている)。
息子・梅太郎の出産で妻を亡くして14年、結婚おめでとう! 幸せになってね! という気持ちを込めました。うっかり込めすぎました!(笑)
梅太郎の超合理主義者な面がよく出ていますね。

おりょうさんが食欲旺盛だという設定は適当に考えました(笑)。後日、シングルマザーのおりょうさんは、お金に余裕がない暮らしをしていると仮定すると、たっぷり食べても怒らない春太郎が3割増しくらいに素敵に見えてもおかしくないな、と思いました。
もともと春太郎は「家族にひもじい思いをさせたくない、凍えさせたくない」と考えており、佐倉家としては「しっかり食べてしっかり働こう」という方針です。働き者のおりょうさんに対しても、遠慮しないでしっかり食べなさいよ、という感じなのだと思います。

「誕生日」について
誕生日は後から考えました。法的には明治期に満年齢(現在の年齢の数え方と同じ)が導入されたのですが、日常的には数え年が主流でした。(満年齢が定着したのは戦後。)
理由はなんでもいいから、寿は千代とお祝いとか贈り物とかをしたかったのだと思います(笑)。包み紙をあまり気にしない二人、寿は古新聞(華枝の指導により、包装した方がいいことは知っている)、千代は風呂敷です(後で回収)。エコですね!
英語の表記は、寿は辞書通りの発音なのでブロック体、侯爵と華枝はネイティブ仕込みの発音なので筆記体で書いています。

おまけ:誕生日について

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