日記的な 2023.12.20

この記事はジャグリングアドベントカレンダー2023の12月14日の記事です。※公開が遅れてしまいました。ごめんなさい。

 こんにちは、アルジェです。
 今年もジャグリングアドベントカレンダーに参加させて頂きます。
【参考:去年の記事→奇術部Jengaについて

 先週12月9日10日にジャグリング・ユニット・フラトレス(以下フラトレス)の第7回本公演『鼓膜』がありました。
今回の記事では、僕がフラトレスに入団してから『鼓膜』の公演が終わるまでの期間に僕が体験したこと、感じたこと、考えたことなどを書いていこうと思います。最初から順番に読んでもらっても、気になるところから読んでもらっても大丈夫です。楽しんでもらえれば幸いです。
※今回の記事では『鼓膜』の内容に関する解説等は含まれません。


0.~はじめに~

 遅くなりましたが先日の『鼓膜』をご覧になってくださった皆様、また関係者の皆様、本当にありがとうございました。特に、遠いところから足を運んで下さったり、公演終了後に会いに来てくれたり、また感想を伝えてくれたりと本当に嬉しい限りです。
 話が変わりますが、上の※にも書いたとおり『鼓膜』の内容に関する解説等は本記事には含まれません。というのもおそらく『鼓膜』という作品の解釈について1つの正解のようなものはないと個人的には思います。作品を観て下さった人の解釈を変えてしまうのは不本意であると思うためそうさせてもらいます。あらかじめご了承ください。
 作品について、フラトレスのX(旧Twitter)アカウントにある稽古や本番での写真を見たり、YouTubeに上がっているティザー動画を見てもらえると公演でのシーンを振り返ることができるかもしれません。フラトレスのHPには『鼓膜』演出家インタビューという記事も掲載されています。今回の作・演出を務めた吉屋さんのインタビューを読むことができます。フラトレスラジオラジオ#12では『鼓膜』作・演出 吉屋太一ってどんな人?というテーマでフラトレスメンバーと今回『鼓膜』に出演して下さった俳優陣との対談を聴くことができます。(余談となりますがフラトレスラジオ#11では新メンバーから視たフラトレスの印象というテーマで僕も出演させてもらっています。『鼓膜』についての内容もあるので、もしよければこちらも合わせて聴いてもらえるとうれしいです。僕自身、フラトレスラジオのリスナーだったので、出演すると決まったとき、すごく嬉しくかったです。また、収録のときはものすごく緊張しました。)インタビュー、フラトレスラジオの他に『鼓膜』の上演台本が販売されています。実際にどのような台詞、言葉が発せられていたのか。是非、手に取って読んでみてもらうと新たな発見ができるかもしれません。
 僕にとって今回の『鼓膜』がフラトレスに入って初めての出演となりました。それでは、どうして僕がフラトレスに入団しようと思ったのか、また稽古や公演本番を通して体験したこと、感じたこと、考えたことを書いていこうと思います。

1.~入団のきっかけ~

 2023年7月、僕はフラトレスに入団しました。僕がフラトレスに入団したことを知って、意外に思った人は多いかもしれません。正直、自分自身「自分がフラトレスに?」「入団して大丈夫かな…」といった気持ちは少なからずありました。でも今、入団したことは自分にとってよかったことだと思います。僕がフラトレスに入団するきっかけとなったことがいくつかあるので以下にあげて行きます。

第6回公演『わが星』

 僕がフラトレスを知ったのは第6回公演『わが星』がきっかけです。舞台でのジャグリングというのに興味を持ち、作品を観に行きました。練習会などで知り合ったレインさんや楠日さん、Jengaの先輩であるユナさんと自分の知っているジャグラーが出演していることも作品を観ようと思った理由の1つです。あと、これは対した理由ではないけれど、フェニーチェ堺が近かった(自転車で行ける距離)ということもあるかもしれません。
 作品を観て、僕は衝撃を受けました。そもそも『わが星』を観るまで舞台、演劇といったものを見たことがありませんでした。なので、実際に目の前で演じられる作品を観るということが初めての経験でした。また、ジャグリングの歴自体も短く、知識もなかったので、ジャグリング道具が舞台の中に溶け込んでいるのが本当に衝撃的でした。初めて観る舞台がフラトレスの公演というなかなか特殊な経験をしたなと今になって思います。帰りにパンフレットを買って、後日DVDも買いました。そこからどれぐらい時間が経ってからなのか覚えていませんが期間限定で公開されていた(おそらく)劇団ままごとの『わが星』を観ました。フラトレスの『わが星』を観たときにそれがジャグリング版の『わが星』ということ理解していなかったので劇団ままごとの『わが星』を観て、改めてフラトレスでの表現に心が惹かれました。

WJD 座談会にて

 昨年6月に行われたWJD in OSAKA 2022の中で「座談会:運営に携わる人を増やそう」というものがありました。座談会の席に着席するとなんとフラトレス代表の宮田さんが(おそらく)僕の右前方に向かい合う形で座っていました。(長机を四角形に並べてた形、細かい位置関係とかはどうでもいいです笑)自己紹介のタイミングで初めて、あっ!この人がフラトレスの宮田さんだと気がつきました。赤色のシール(ジャグリング歴10年以上)をつけてるから”すごい人”だ!としか思ってなかったような気がします。ジャグリングを初めて1年も経ってない当時の自分にとっては赤色のシールをつけた人はみんな、わからないけど”すごい人”って印象だったと思います。
 正直、座談会での詳しい会話とかトークテーマを覚えてはないですが、座談会の中での発言から宮田さんのジャグリングに対する考え方、姿勢みたいなものが感じられて、漠然としてはいますが「いい人そうだな~」って思ったことが印象に残っています。また、座談会が終わった後、拙い言葉で公演の感想を伝えたことを覚えています。

自分のジャグリング観

 自分は大学に入学してからジャグリングを始めました。と言っても奇術部Jengaに入部はしたもののコロナ禍ということもあって、半年以上はまともにジャグリングをすることはありませんでした。それからなんやかんやあって、(話すと長くなる)ジャグリングが好きになっていきました。
 簡単にまとめるとジャグリングを通じて、色んな人と関わったという経験が1つ大きな理由です。本当はどういう経緯でとか、具体的にどういう部分がとかを丁寧に説明した方がいいと思いますが、今回はこの部分は省略します。この文章を読んで下さっている方がジャグラーであれば、読み進める上で問題ないと思います。
 ジャグリングと言っても例えば、「1人で公園で練習する」「大会に出る」「初めて出来た技を動画に収める」「サーカスの演目」「交流会のWS」「みかんでお手玉」「大道芸人のパフォーマンス」「部内発表会」「結婚式の余興」「学祭」「チュートリアル動画」「暇つぶし」etc.以上のように例を挙げたらきりがないですね。人それぞれ色んなジャグリングシーンがあって、そのそれぞれに好きとか嫌いとかどちらでもないとかあると思います。その中で「ジャグリングをよりよく魅せたい」というのが自分が興味あることの1つにあります。というのもよりよく魅せたいってことはルーティンを作ったことある人だったらわかると思います。どんな曲でやろうか、どんな技を曲のどのタイミングでやるのか、どんな決めポーズをしようかなどルーティンを作るとき、一度は考えたことがあると思います。
 「ジャグリングをよりよく魅せたい」という中で自分としてはジャグリングのルーティンをするだけじゃなくて、ルーティンの前後に文脈があってストーリーがあってその中でジャグリングがより意味をもつ作品、公演を作りたいという想いがありました。

産地直送にて

 今年のGW、産地直送での最後の練習会がありました。僕にとっては最初で最後の参加となりました。そのとき、宮田さんがたまたまいらっしゃって、GEARの感想を伝えたり、ハットを触らせてもらったりしました。話の中で自分がジャグリングに関する作品、公演に興味あることを伝えて、色々なことを教えてもらいました。フラトレスの話の流れで「フラトレスは今、新メンバー募集中だよ」という風に言われました。フラトレスの新メンバー募集は一応、知ってはいましたがそのときは自分にはほど遠いように感じていたので特にその場でフラトレスに興味あります!みたいなことにはなりませんでした。
 ただ、あとになってから宮田さんと話したことを思い出してるうちにフラトレスの「ジャグリングを中心とした、言葉(セリフ・ストーリー)のある公演形式」に自分も参加したいという気持ちが強くなり、応募することとなりました。

そんな経緯を経て、フラトレスに入団となりました。

2.〜稽古〜

初めての舞台稽古

 僕は舞台、演劇経験がありませんでした。まず、最初に直面した問題は「用語がわからない!」あの、すみません。〇〇ってどういう意味ですか?と聞くことは稽古を通して多くありました。普段ジャグラーが使っているルーティンとかJJFとかカスケードとか534とか用語も一般の人にとってはよく分からない難しい言葉ですよね。改めてそういうことも感じました。
 今までジャグラーとしか接してこなかった自分にとって俳優の方々との交流はとても新鮮でした。演じるってすごいなということを終始感じていました。自分にとっては長い台詞を言えることだけですごいと思ってしまいますが、そんなことじゃなくて声とか表情とか仕草とか上手く言い表せませんが、俳優の方が演じることで作品の中の登場人物が生きてるみたいな感覚を肌で感じられたのは初めての経験でした。
 最初の方(終始?)人見知りしてしまったせいであまり話ができなかったことが個人的な後悔です。どうして人見知りしてしまったかと言うとジャグリングを身近にしていない人にどういう熱量でしゃべったらいいのか考えて何も話し出せませんでした。でも、話を聞いているときは自分の知らないことがいっぱい聞けてすごく楽しかったです。

ジャグリングシーン

 当然ながら公演にあたってジャグリングの練習(稽古)をしました。ただ、稽古での難しさは今まで自分がしてきた技の練習やルーティンの練習とは違った難しさがありました。僕が稽古の中で一番苦労したことはカウントに合わせて動くことです。音楽に合わせて通し練習をして、動画で確認となったとき、「アルジェくん、ここ遅れてるね。」ということが何度もありました。(すみませんでした!!)このタイミングでこの技をやるではなく、8カウントのnカウント目でこの動きをするみたいに、振りを覚える、振りを音のカウントに合わせる。この繰り返しは自分が今まで練習していたときに意識したことがなかったことでした。 
 それだけではなく、動きの解像度も今まで自分が意識していたこと以上の解像度でした。それは例えると、今まで0か1で見ていて、同じ1だと思っていたものがよく見ると0.645と0.741で0.096違うから0.645になるように動きを修正みたいな感じです。ボールを投げて取る、これだけでも人それぞれ違いがありました。よーく見ないと気づきません。でもよーく見ると少しずつ違ったりする。多分、意識せずにやったらみんな少しずつ違うことを揃える。今まで自分が経験したことがない動きに対する解像度でした。
 稽古が本番に近づく中で、みんなを前にして通し練習をすることがありました。いざ、人を前にすると今までの練習とは景色が違って緊張しました。そういったプレッシャーのなかでの練習も経験しました。そのあとで「最初のときと比べてすごく良くなったよ!」って言葉をもらって、すごく嬉かったことが印象に残っています。できるようになったことを人から褒められるのは純粋に嬉しいですよね。初心を思い出したような気がします。

3.〜小屋入り、本番〜

作品を創る色んな人

 これは自分が大学生になってから少しずつ感じるようになったことでもあります。これは何か1つのことに関して色んな人が関わっているということ、今回で言えば、作品に関して演者以外にも多くの人が関わってるんだなということをとても感じました。例えば、舞台監督、照明、音響、撮影、当日運営の方々など、これ以上に多くの人が自分の目に見えないところでも作品を作るために協力して下さっていたということは有り難いことだと思います。

本番前

 今までの稽古とは違って美術、暗幕、照明がついた空間はとても特別な場所なように感じました。楽屋には自分の席があり、数時間後にはお客さんがいる前での本番。そういった中で、舞台監督さんの指示のもと舞台の確認やシーンの確認、照明の確認が行われている時間は緊張とも違ったそわそわして落ち着かない感じがしました。

本番!人生初の舞台

 自分にとって初めての舞台でお客さんを前にとても緊張しました。緊張するとは思っていましたが心臓がドクドクと高鳴る緊張とは違って、恐怖に身体が上手く動かせず、磔にされるような緊張を感じました。緊張すると練習してきた能力を発揮できないということはよくあることでしたが、自分のジャグリングシーンでは緊張の中でもしっかり演じることができました。繰り返しやってきた稽古は本番での安心につながっていたと思います。今までに感じたことのない緊張状態で演じることができたのは稽古で培った経験が効いていたのだと思います。あっという間の3公演でした。

4.半年を振り返って、今後の展望

感想

 フラトレスに入団してすぐの公演ということで何もかも初めての経験で慣れない中での半年は本当にあっという間でした。稽古の度に自分なりの発見がたくさんあって楽しかった日々だと思います。
 公演に知ってる人が観に来てくださたり、来てくださった方に感想を言ってもらえたりということは本当に嬉しかったです。
 今回、この作品に演者として関わらせてもらってよかったと思います。

反省

 この半年の活動を振り返ったとき、奇術部Jengaの同期と後輩には謝らないといけないなと思いました。フラトレスに新メンバー募集のメールを送ったのがちょうど5月の学祭(友好祭)が終わった直後でした。入団が決まって、『鼓膜』の出演を考える段階で11月の学祭(白鷺祭)と稽古の時期が重なることがわかっていました。3年生の白鷺祭で引退する代として学祭の準備期間と稽古の両立は時間的に厳しかったです。ルーティンのリハーサルにもほとんど見れず、全体演技の練習にもなかなか参加できませんでした。普段の生活+学祭準備と稽古が重なる時期はしんどい時もありました。同期に仕事を任せきりになっていた部分もあると思います。また、後輩の演技を丁寧に見ることもできませんでした。実際、どうしてまだ現役生の学祭準備の時期にフラトレスの活動をしてるの?という言葉は受けました。現役最後の期間をそういう風に過ごしてしまったことには後悔があります。積極的に活動に参加できなかったことは本当に申し訳ないです。

目標

 これからはより一層ジャグリングの練習を頑張っていきたいと思います。クラブの練習がメインになってくると思います。最近、クラブを始めたばかりなので基本的な技から色々な系統の技にも取り組みたいです。また、クラブパッシングについても並行して取り組みたいです。一つの目標として、在学中に10パスができるようになりたいと思っています。それだけじゃなくて、オブジェクトの扱い特にトス道具(ボール、クラブ、リング)については数に関係なく、自由に扱えること、また、オブジェクトに合わせて身体を動かせるようになることが目標です。なかなか具体的には言えませんが、稽古を通して自分の中で色々な課題や発見がありました。それらは今後、自分が改善していくべきことでもあるし、練習やルーティンを作っていく時に意識するべきポイントでもあると思います。フラトレスの活動を通して得られた経験をジャグリングのルーティンなどでも活かしたいです。また、ジャグリングの練習で培ったことをフラトレスの公演での表現に活かせられたらこの上なく嬉しいです。
 これについてはまだまだ構想段階ではあるけど、舞台でのジャグリングは増えたらいいなと思っています。是非、興味がある人がいたら一緒に何かできたらいいなと作品が作れたらいいな、手伝うことができたらいいなと心の中で思っています。また、ジャグリングだけではなく、舞台や演劇やダンス、ミュージカル、サーカス、大道芸、色々なものに触れたいという思いも強くなったのでそういったものにまずは観るところ始めてみようと思います。

5.あとがき

 あとがきというまでことのことではないですが、公演を観に来てくださったお客さんを観て少し思ったのは学生の割合が少ないのかなと思いました。そこで少し自分の考えを共有させてもらいます。
 舞台、演劇に関わらず、美術館と映画とか大道芸とかそういうものを積極的に見てみるといいことだと思っています。特に、学生の人は。っていうのも多分シャカイジンになるとそういうものに時間を取れなくなるから(まだ、学生だからからないけど、そういう話はよく聞く)、あと学割で少し安く観れるから。時間とかお金ってこと以上に誰かが作った作品を観るということは特別な時間だと思っています。そういった経験は早いうちにしてる方が何かといいと思います。
 僕は美術館や博物館と行ったところに行くのが好きで旅行するときはほとんどの場合、そこにある美術館やらなんやらに行きます。そういう場所でなにか作品を鑑賞するという自分にとって非日常で楽しいからです。そう言った非日常を体験するのは有意義だと思います。どうして、有意義かと言うとそれはなかなか難しいですね。美術館に行くと言うとなんだか高尚な感じもしますが僕の場合、美術館に行って色んな作品を見るのは好きですが、その絵がどうして価値があるのか?みたいなことは知りません。〇〇の点で優れてるみたいなことは解説を読んでへ〜と思うくらいです。多分、価値を理解している偉い人達が良い作品とか価値のある作品を選んでいるんだと思います。そんなことは自分にとってどうでも良くて、誰かの作品が目の前にあってそれを自分が見る。何か考えると言うところに価値があると思っています。

 本当はあとがきに記事のまとめ的なことを書いておくべきでしたね。フラトレスに入団してからの約半年の活動を約8000字にまとめさせてもらいました。
これからもフラトレスとしての活動また、ジャグラーとしての活動を頑張っていこうと思います!
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
是非、感想を教えてもらえると嬉しいです。


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