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90歳の母、スッポンポン【京都市:夜間のヘルパー問題から思うこと】

 母は退院後、朝晩ヘルパーさんに訪問介護を受けています。最初の日は、朝のヘルパーさんは総勢6名、夜は3名がいっぺんに来られたそうです。毎日来ていただくので、交代要員の方々が全員集合で様子を見られたのです。

 ケアマネさんを中心としてそれぞれの事業所の方が説明をされた中に、夜間のヘルパーさんは男性のみになっているという事実がありました。ヘルパーさん側の安全策として、ということでした。その時は漠然と、母は一度特養に入って男性職員に入浴介助も受けていたから、平気だろうと思っていました。

 さて、その男性3名のヘルパーさんの訪問中に、父が電話をかけてきて「男の人が3人、母さんはスッポンポン。何か変な感じ。」と言いました。

 いやはや、その通りやろな…父が違和感を持つのは仕方ない。でも、そういう説明だったので…。一方の母は、何も言ってきていません。

 私としては、とてもとても難しい問題だと思っています。つい最近も新聞記事で、女性障害者の介助を男性がすることに関して、人権侵害という文字が並んでいました。ただ、現実問題としては、うーんとうなってしまうのが正直なところです。

 仕事で、20代の頃に北欧やドイツへ研修旅行に行きました。確かドイツだったと記憶しているのですが、高齢者専用のアパートに高齢女性が独居していて、訪問介護に若い男性が来ていたのです。その時のことを思い出しました。「うわぁ~さすが福祉先進国、男女の壁をもう越えているんや。」

 日本では様々な困難が現存しています。介護職員の数・賃金・男女の意識を始め、細かいことを挙げるとキリがないです。女性ヘルパーさんの抱えるセクハラ問題は、恐らく20年以上前からあるでしょう。性の対象として見られて、体を触られたり、時には相手をしてほしいと言われたり。

 私たちひとりひとりは、どういう動きをしていけばいいのでしょうか。自分たちが親の年齢になった時、どんな気持ちになっているでしょうか…。

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