ウマ娘:ミホノブルボンについて

ウマ娘をサービス開始とともに初めて、仕事が忙しかったり気分が乗らなかったり何なりして触れない日があることを除けば、私はほぼ毎日ウマ娘をプレイしている几帳面なプレーヤーだ。
もちろん無課金では無い。だからサイゲはもっと私に優しくしろ(微課金)。
具体的にはガチャの排出率をどうにかこうにかしろ(微課金)。

微課金、とは、とりあえずゴルシマークのマンスリーパックだけ買っておくタイプの、植物性プランクトンのようなユーザーだ。
この例えでいくと、無課金は水か大気か何かになる。
課金勢はその中にあって自分の意思を持って泳ぐ魚か鳥か何かで、重課金勢は最終捕食者。サイゲはそんな食物連鎖が溢れる国立公園を管理している政府だ。人ですらない。メスドラフを思いついた時点で奴らは人間を辞めた。
私の頭の中ではそういうことになっている。

そんな微課金勢の私は、とりあえず石がガチャ1回分貯まると1回引くという、何の戦略性も無い、それこそプランクトンのような遊び方をしている。
ちなみにプランクトンは環境中の餌ある率が0.5を超えると真っ直ぐ泳ぎ出すという生存戦略を持っているので、そこを比べると何の戦略性も持っていない私はプランクトンに劣ることになる。
私はプランクトン以下だ。助けてママ!頭が悪くて困ってるんだ!

だが、プランクトン>>>私 という関係を導出できたところで私には何のダメージもない。薄々そんな気がしていた、から、やっぱりそうだったか、に変わるだけだ。ん? 切ないぞ?

だがそんな私にミホノブルボンはぎこちなく、しかし優しく無垢な微笑を向けてくれる。多分何も理解していないのだろう。かわいい。
かわいいかわいい私のロボ。
こんなこと言うと、お前のじゃないわボケ、という品位を馬券と一緒に捨てたようなトレーナーの野次が聞こえてきそうだ。
私にそんなこと言うやつは間違いなくプランクトン以下の御同輩であろうので、お前のでもないわアホ、とこちらも品位を捨てて叫び返すつもりでいる。
結果、低レベルの諍いが起きそうであるが、私は勇者なので低レベル帯の争いを避けないつもりだ。

そんな底辺トレーナーたちの醜いやりとりを、ミホノブルボンはいまいち状況を理解してないミホっとした顔で見守るのだろう。いや、見守っているのではない。ミホノブルボンには何だかよくわからないので突っ立っているだけだ。
だがそれでいい。
それがいい。
かわいい。

ミホノブルボンにお菓子を食べさせたい。
お菓子を食べさせて寝かしつけたい。
門限か近づくまでじっと見守って、門限が近づいたら寮長か寮母のような管理人(居るのか?)に連絡をして、迎えにきてもらい、寝たままのブルボンを引き渡して、その遠ざかる背中を見守りたい。

つまるところ私はミホノブルボンを、身勝手なことに、自身が抱える行き場を失くした愛情の受け皿にしたがっているのだ。

全く身勝手なことだ。そんなことが許されるのだろうか。
だが安心なことにミホノブルボンは私の手の届くところにいない。その姿に触れるには、彼女と同じ次元に立つアバターを用意する必要がある。

アバターは、とりあえずヒト科のオス。
バックボーンは、最終戦争末期の殺戮AI搭載ロボットが人間に転生した、とかでいいだろう。
元殺戮AI搭載ロボットが転生した人間とか怖すぎてどう考えてもトレーナーに向いてない。なんでこんな奴が中央に?何でブルボンのトレーナーに?
多分三女神がなんかしたんだろうが、仕事が杜撰すぎる。
情緒の未発達な女児高校生に殺戮AIのトレーナーをつけるとか正気の沙汰ではない。正気の沙汰ではないってことは、三女神はギリシャ系の神々なのだろう。あいつらは大体頭おかしいからな。

頭のおかしい3女神は置いといて、私はそれが見たい。
情緒が芽生えたばかりの女児高校生と、情緒が芽生えたばかりのトレーナーが磁石のようにくっつき、二人して真面目にポンコツなことをしてるところが見たい。
喜びも悲しみもよく分からないまま二人で分かち合い、勝ち進み、無自覚なまま誰かの夢と涙を踏み超え、そしてある時ふと、今までの道のりを振り返ってほしい。
勝利を奪い敗北を与え、夢を奪い絶望を与えていたことに気づいて欲しい。
過去の行ないに気づき、自分を突き動かしてきたものの正体に気づき、その価値が揺らいでもなお、
“決意“を胸に前へ進んで欲しい。
決意を抱いた時、ロボットとサイボーグはヒトへと至るだろう。いや至る。おら催眠!催眠解除!

誰かそんなSSを書け。いや書いてください。

ちなみに私にチョコボンはいない。



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