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わたしにとっての着物とは。

太宰治について詳しくはないけれど、SNSで偶然見かけた「葉」という話の冒頭がすきで、よく思い出す。

死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目しまめが織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。
引用元:青空文庫

彼のように「死のう」とまで思い詰めることはないにしても、繰り返す退屈な毎日に、死んだように生きてしまうことはある。

そんなわたしにとっての「着物」とは何か考えた結果、「推しの存在」だという答えにたどり着いた。

日本を代表する小説家を軽しめるな、とお叱りを受けそうだけど・・・。


メジャーデビュー1年目から応援していたバンドが、ついに武道館に立つ。ずっと憧れていたライターさんのデビュー小説が映画化される。
大好きな友人たちとご飯の約束ができた。

死んだように生きるわたしの毎日に彩りを加えてくれるのは、
「好きな人・もの=推し」たちの存在、すなわち着物なのだと思う。


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