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「コレポン不要の製品説明」で成約率アップ

私が貿易の仕事を初めて経験した1996年頃は、まだ、電子メールやインターネットが普及しておらず、電話、FAX、テレックスの時代で、商品情報一つをサプライヤーやバイヤーと正確に共有する作業さえ、数日を要することがありました。

「正確に共有」とは、「購入判断を下せる」という条件を満たすレベルで必要十分な情報を相手と共有する、ということです。

貿易は大金が動くこともあるビジネスですから、購入判断を下すには文字情報、数値情報だけでは足りず、写真、映像、実物サンプル、または政府の許認可、実証実験結果までも確認する必要があります。

そのため、相手の意思決定に必要な資料や情報を、相手の要求に沿って一つ一つ提供し、必要な説明を添えて情報を共有していくコミュニケーション作業は、貿易の世界では長らく「コレポン(コレスポンデンスの略)」と呼ばれ、貿易関係者は新入社員の頃にコレポンの流れやビジネス英語について、ある程度の研修や訓練を受けたはずです。

ところが、インターネット、とりわけPDF、YouTube、PayPalの登場で、コレポンはその作業自体が不要になり、むしろ、「コレポン不要の商品」のほうが売れやすくなる、という時代を迎えました。

何を買うか、いくらで買うかという基準ではなく、「買いやすさ」という基準で買い物の常識を変えたのはアマゾンで、これをB2Bの世界で実現したのがアリババです。

両者に共通していることは、「購入までの意思決定作業が簡潔、正確、高速で、いちいち相手に情報、価格、資料を請求しなくてもよい」というメリットです。

つまり、判断、決定、疑い、信頼といった、これまでコレポンというコミュニケーションを通じて行われていた確認作業そのものが一掃され、「買う」という作業そのもののストレスがなくなったのです。

「ウチはアマゾンやアリババでは売らないよ」と言う日本企業も多いですが、海外バイヤーやアマゾンやアリババを基準に日本企業と向き合います。だから、コレポンがある企業はその時点で「サヨナラ」です。

売り方や売り場は自由ですが、海外で稼ぎたければコレポンをなくすことです。

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