見出し画像

「輸出=コンテナ」という考えを捨てよう

島国ゆえに全ての国際貨物が、船か飛行機で輸入されるわが国では、「貿易=コンテナ」というイメージが強く、地方の人口数万人の市町村で輸出セミナーや海外販路開拓の商談を行うと、

多くの社長さんが、
「ウチは、コンテナを埋められる数量は生産できない」
「海外展開したいけど、どうせ量が対応できない」
「先にお金を払ってくれるなら、コンテナ一つ分、集めてもいい」
と口にします。

その言い方が、とても輸出の実情を知っているとは思えない様子のため、
私が、

「御社の月間最大生産数量だと、何パレットまで輸出に回せますか?」
「誰も知らない日本製品を、最初からコンテナで買うような取引は、現実的ですか?」
「なぜ、先にお金を払ってくれる規模から始めて、大きくしようと考えないんですか?」

と聞くと、みなさん、ハッとした表情で、
「それもそうだね」とおっしゃいます。


つまり、イメージに偏った先入観で輸出を諦め、現実的に考えていなかった、ということです。

コンテナは20FT40FTがあり、その容積は小さな建物ほど大きく、埋まれば大きな取引ですが、最初からコンテナを埋めるのは無理で、不要で、現実的でもありません。

どの商品にも「損益分岐点」というものがあり、国内取引ではほとんどの会社がこれを前提に価格設定や出荷数量を考えていますが、海外取引に関しては、パレット単位の出荷数量や近隣国への船賃、航空運賃さえ知らないのが実情です。


ところが、いざ計算してみると、EMSのような、キロ単価が船賃より何倍も高い小口の輸送手段でも儲かる商品があれば、航空輸送の混載便でも欧米に運べて利益を出せる商品もあります。

大事なことは、「どこに何をいくつ売れば、月にいくら儲かる」という計算をすることで、その基準で輸送手段、出荷数量、納期、決済方法を組んでみることです。

そうしたら、コンテナで輸出するよりも多くの国々に出荷でき、利絵も大きく、在庫回転率も上がるものです。

「輸出=コンテナ」という古い考えを捨て、賢く儲けましょう。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?