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分散投資が効かない!!

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一般的な分散投資の例

前回は、公的年金の繰り下げ受給の選択肢の広がりについてお伝えしました。

⇩⇩⇩ 前回の投稿「年金開始75歳!!」はこちら

今回は、以前一度触れた『分散投資』ということに対して、参考記事がありましたので、それを引用して補足をしていきたいと思います。

以前の投稿「商品選択を考える」はこちら

2020年度の日本の公的年金の資産運用方針ということで、その運用方法は、大きく4分割した分散となっております。その中身は

① 国内債券 25%
② 国内株式 25%
③ 海外債券 25%
④ 海外株式 25%

とい分散方法でした。資産運用などの書籍などでもよく目にする

株式と債券

日本と海外

を均等に分散し、どれかひとつだけに集中投資するよりも、

大きな価格下落リスク

を押さえる効果を狙うものでした。

株式と債券の関係

上記の分散方法をとることについて、ひとつよく耳にすることがあります。それは、

株式と債券は逆の値動きをする

ということです。つまり、

株式相場が下落すれば ⇨ 債券相場が上昇する

という

逆相関(反対の動きをする)関係

があると言われています。ですから、上記の分散方法においては、日本、海外を合算してみると、

株式50%

債券50%

という分散になっており、片方が下がっても、片方が支えるということを目指した分散方法になっています。

株式、債券の値動きの要因はいろいろありますが、ひとつ例があります。

景気が良くなる
   ⇩
景気が良いことはいいが、行き過ぎると物価が上昇(インフレ)しすぎ
   ⇩
消費や投資を抑制させるため、国が金利を上昇させる
   ⇩
金利が上がると、金利返済が増える(住宅ローンや企業の借り入れなど)
または
無理して投資しなくても、預けて置けば、金利で資産が増える
   ⇩
その分、個人の消費や企業の設備投資にまわるお金が減少する
   ⇩
その分企業の売上も下がるので、株価は下がる
⇨株式での運用は値下がり
   ⇩
でも金利が上がると債券運用の利回りは良くなる
⇨債券の運用は値上がり

こんな関係があったりします。今の日本はこれと反対の状態です。バブルがはじけた後に、景気を良くしたいために

金利を下げて

消費にお金が回るような政策をとったわけです。だから今の日本の銀行預金の金利はあんなに低いのです。私が学生の頃は、普通預金でも

3%

程度の利息がつきました。それだけ昭和の時代の最後は、右肩上がりで、行き過ぎた景気加熱の状態だったわけです。

それを押さえるために、金利をどんどん上がったわけですが、それでも景気過熱が収まらず、いくつかの要因が引き金で

バブル景気の崩壊

が起こったのです。行き過ぎた景気加熱が大きすぎたため、金利を下げるくらいでは、簡単に景気回復がなされなかったということです。

それが、平成の

失われた30年

などと言われたりしていますね。もがいている間に、

少子高齢化問題
非正規雇用などの雇用問題
右肩上がりの医療費や介護費用問題
海外で戦争、テロやリーマンショックなどの問題

等々、様々な問題が噴出していますから、自分で備えることの重要性はより高まっていると思います。

株と債券が同時に下落

話を戻しますと、株と債券は反対の値動きをするはずだったのですが、今回のコロナショックにおいては、

株と債券が同時に値下がり

している現象が起こっているようです。ですから、上記で述べた分散投資の効果が表れていない状態です。

2020年4月14日(水)の日経新聞「P7 金融経済」欄に、関連した記事が出ていました。

一般的なセオリーが通用しない値動きで、人気の投資信託の運用がかなりの値下がりをしているといったものでした。

通常、逆相関の株と債券でしたが、今回はコロナの感染拡大で、先行きに大きな不安を感じた投資家が、

株も債券も売って現金にして、手元に資金を引きあげた

ことが、ひとつの要因だそうです。あまりに大きすぎるショックであると、このような動きになることもあるという教訓、すなわち

絶対はない

ということだと思います。

我々の目標は???

時としてこういった制御不能?なこともある・・・

だから運用は危険で怖い
  ⇩
だから銀行に預けて置くのが一番安心(若しくはタンス預金???)

というのが日本人の一般的な感覚だと思います。

では、なぜそうなってしまうのか?

これは我々日本人が、自分の資産を自分で運用していくといったことに対する

教育を受けていない

ことが、最大の原因だと思います。

では、どうすればよいのか???

ということですが、

自分で学ぶ

しかないと思います。

今回のような、

相場の下落

は、長く過ごしていれば、いつかは必ず起こります。

私は普段、自分のお客様には、今回のような事態になった場合のこと(今まではリーマンショックを事例にして)を話します。私がお話する相手は、

20代、30代のこれから運用を始めていく

方が多いので、もし世界的なショックなどがあった時には

よろこんでください!!!

とお伝えします。なぜなら、

値下がりした時に購入するから

で、将来使う時のために、

安く買い付けられた

となる可能性があるからです。

どの商品を選ぶ

ということだけでなく、

値上がり時、値下がり時問わず続けていく

時間分散

という分散効果もあるということ、そして今でなく目標、目的地は

値下がりしている『今』

ではないということをご理解いただくと、気にならなくなるのではないでしょうか。

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