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【食事の工夫】「夫が胃がんに倒れた時」①(胃を全摘出した後の食事の工夫)


連載記事として、今後随時、ご紹介していくことが出来れば良いと考えております。

第一回目になります。(不定期連載となります。申し訳ございません)

体験者の手記投稿となります。


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家族が病に倒れたとき (仮題)


自分の家族が病(やまい)に倒れたとき、

家族として何ができるか、そしてできないか、
いま振り返ってみて、
”いま”だから分かることもあります。

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「夫が胃がんに倒れた時」

(胃を全摘出した後の食事の工夫)


印環細胞がんでした。

 ごくごく初期の状態でしたが、がんが出来た場所も悪かったために、胃を全摘出することになりました。

 手術時の心得なども今思えば、ああしておけば良かった、こうすれば良かったなど、色々あります。
 今思えば、長い”その後”を想定し、色々な意味で、もう少し緩い負担にすることが出来ていたらよかっただろうと思います。

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  手術後から退院に向けて、いきなり退院せず、「外出許可を取って自宅へ戻る時間に自宅での食事に慣れていく」という方法を取りました。

 彼、私ともどもにいきなり新しい生活に適応することが難しい状況だったことを考えて、そのような方法を取りました。病院からもそれに対してご理解を頂くことができました。
 これはなかなか良かったやり方だと思います。私もイントロがあったことで迎え入れる体制を軌道修正したり、準備期間に充てることが出来ました。

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 退院後の自宅での療養は、残念ながらごく短い療養期間しか取ることが出来ず、彼は間もなく仕事に復帰しなくてはなりませんでした。自営業の肉体労働という条件は彼にとって辛い手術後生活になってしまったのが残念なことでした。

 食事については、当人の強い希望である「早く体力筋力を戻して仕事に復帰したい」ということに近づけてあげられるように心がけました。

 食事の問題。これは最初は未知の世界でした。
私は自宅でネットで色々調べていたので、情報としては頭に入ってきていました。「大変なことだ…」と思いましたし、どう乗り越えていくかをずいぶん研究しました。

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 基本的にまず、「主治医の先生の方針」に従いました。「普通の食事をよく噛んで食べる」というものでした。栄養士さんからも退院前に栄養指導がありました。

 一番最初のハードルは、彼に「食べる」という気持ちを取り戻してもらうことから始まりました。術前術後、当然ながら「食べない」という状況が生まれました。術後は水の摂取から始まる、という一歩ずつの道のりです。

 水分の摂取から始まり、やがて”食事”が開始されます。
まず「重湯」それから段々と病院の食事は「普通の食事」に近づいていきました。

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 しかし、「食べる」ということの負担(食後のダンピング症状)も彼の「食べる」気持ちを萎えさせていました。
 彼は「もう胃が無いんだから腹は減らない」という言葉もくちにしました。
私は、なんとか彼に「食べる」といいう気持ちを取り戻して欲しいと思いました。それが第一歩だという気持ちにもなりました。

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彼に根気よく説得をしました。
内容はこんな感じです。 

「胃が無い」のは確かにお腹が空いた感覚やお腹が空いてギューっと鳴るような感覚は無いだろう、しかし、「食べる」ということは脳で感じること、「食欲」は脳で感じる。
 あなたは術前術後に「食べない」生活をしばらく送ったから脳が食欲を忘れているに過ぎない、食べる生活に戻れば脳も思い出すに違いないから、食べる練習をしましょう。

 なんか根拠あんのそれ?です うーん。。。いやもう「根拠」なんかどーでもいいんです、この際(苦笑)。
 とにかく彼に「その気」を出してもらうことが目的なんですから。いかに名(迷?)女優になって彼に「そうか」納得してもらうか、です。
 しかし、のちにあながちこの説は間違いではない、と専門の方に言って頂けたこともありました。

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 そして、実際に食べ物をくちにした時に、彼が「食べたい」と思うように仕向ける?工夫をしました。彼が見事にその路線に乗っかってくれたのは、術前の彼が「食べる楽しみ」に目覚めた人になっていたのも後押しになっていたかもしれません。苦しいことはたくさんありましたが、ひとつひとつ、という感じで進めていく工夫をしました。

 「食べる気持ち」を取り戻して貰うためにどうするか?を考えました。言葉で説得してそれで簡単に実行してくれるような人なら苦労しません(^^;)
そこで実行したのが「少しずつ幾つもあるおかず」作戦でした。
おかずが1つ2つだと、ちょっとお箸をつけて、くちにしたら満足してしまい、食後のダンピング嫌さも手伝ってそれ以上手を出そうとしてくれない・・・

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 そこで、わざと、ひとくち や ふたくちで食べ終わる分量のおかずを幾つかの種類用意して、「次のはどんな味がするんだろう」「食ってみようか」という気持ちを引き出しました。

 おかげ様で作戦成功し、彼は1つずつ くちにしていってくれました。
あんまり作戦成功し過ぎて後からちょっと困ったことも起こりました(後日書きます)

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さて、もうひとつ、「それほんと?」的説得方法です。

「味」を感じるのは「舌」です。
つまり、「おいしい」「まずい」は舌で感じるわけです。「おいし」ければ、食べたいという気持ちは出てきます、ハイ。

 胃がなくなってしまったからといって、「おいしく」感じることを失ったわけではないのです。
 「おいしい」という気持ち・感覚は食べることを大いに後押ししてくれます。好物などを食べたい気持ち、誰でも持っている気持ちでしょう?

ただし、「術後のいま」は、まだ何でも食べられるという状態ではありません。

いかにうまく「その気」にさせるか・・・敵?はなかなか手ごわいですが、懐柔作戦で乗り切りましょう(^^)/。

Good女性

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彼が退院してくる時に、すぐに食べられるように冷凍庫におかずを幾つか用意しておきました。手間を少しでも省きたかったからです。

このおかず「ほうれん草、鶏ひき肉の卵ごじ あんかけ風」は、その中のひとつです。今、読み返すと、感慨深いです。。。

2011/3/21に投稿しています。彼の癌が判明したのが、3月2日でした。

この投稿をした時には、もう手術は終わっていました。レシピサイトに、早く栄養指導を受けたい、と書いています。。。何だか思い出します。。。

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注)医療や栄養学の専門家が書いた記事ではありません。
あくまでも、「いち個人」の体験記になりますので、万人に当てはまる内容ではないことをご承知おきください。

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別れた夫とのことですが、彼も書いていいと言ってくれたので、自分自身を振り返る意味と、もしこの記事がどこかのどなたかの少しの参考になれば、と書き始めることにいたしました。

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読んでいただき、ありがとうございました。

では、また。

玻瑠佳(Harukaはるか)

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第二話は、https://note.com/jsthrk0302/n/n68c486a7e186



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