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浄土真宗法話「合わせてくださる阿弥陀さま」

        講題「合わせてくださる阿弥陀さま」 

              山口県 岩国市 教法寺 筑波 敬道 師

少しの時間をいただきまして、この親鸞聖人が明らかにしてくださいました

浄土真宗のおみのりの素晴らしさ、ありがたさ、そういったところを

ご一緒に味わわせていただきたいと思っております。

この浄土真宗のおみのりの素晴らしさ、これはいろんな表現をすることが

できるんでしょうが、ひとつこの浄土真宗のおみのりは

「私に合うから素晴らしい」ということが言えてくるだろうと思います

しかしこれは私が勝手に言っているわけじゃなくて

ご開山(親鸞聖人)さまも「時機相応の法」この時代に生きる

この私にとって「相応」「相応しい教えだ」とおっしゃってくださいます

どれだけ素晴らしいものであっても、私に合わないとつまらないものです

この私に合うから素晴らしい、大切なことだろうと思います

何かが私に合う、と言った場合には

合い方としたら2通りあるのかもしれません

ひとつは「私が合わせてゆく場合」と「誰かが私に合わせてくださる場合」

です。こういうのは洋服なんかで考えるとわかりやすいかもしれません

もともとあった昔の洋服を着ようと思うと

少し太って着ることができなかった。そういった場合にはダイエットして

運動をして痩せて、そうゆうものを着てゆこうという場合には

こちらが一生懸命になって、そのあるものに合わせてゆく。

いまこの私の姿、今一番上に着ているもの、黒いのを「布袍」と申します

その下が「白衣」「襦袢」その下が「下着」を身につけて

4枚着ているような状態です。いま2番目に申し上げました

この「白衣」。この「白衣」というのは私の母親が縫ってくれます。

大体いま着ている白衣というのは、冬用の厚手の白衣ですが

こういったものを縫おうと思うと、もう夏に入るよりも前ぐらいから

縫い始めます。「ちょっとそこへあなた立ちなさい」と言われると

しゃんと立って肩からくるぶしまで手の長さお腹周りなんかを

母が測って私のために縫ってくれます。その縫うに際して

母親は私に対して「あなたもうちょっと大きくなりなさい」って

無理です。40を超えた男にもうこれ以上大きくなれっていうのは無理です

「もっと痩せなさい」「太りなさい」そういったことはまったく言いません

この私のすべてを知って状態を知って白衣をあつらってくれます

これは「合わせてもらう場合」です

いま2パターンありました。「合わせる場合」と「合わされる場合」

「合わす場合」にはこちらに力がいりますけれども

「合わされる場合」にはこちらに一切力は入っていきません

じゃあこの浄土真宗というおみのりが「私に合う」と言った場合には

この阿弥陀さまの教えに私が一生懸命になって「合わせた」のか

それとも誰かがこの私に「合わせてくださった」から合うのか

これは後者です。阿弥陀さまという仏さまがこの私に

合わせてくださればこそ、この私にぴったり合う相応しいおみのりが

この浄土真宗の教えです。

阿弥陀さまはこの私に「こうしなさい」「ああしなさい」

「こうなりなさい」「ああなりなさい」条件を付けられる仏さまでは

ありません。この私のすべてを知り抜いて抱いたうえで「大丈夫だよ」

「安心なさい」とお救いを告げてくださる阿弥陀さまの仏教が

この浄土真宗という仏教です。

ようこそのお参りでございました。

南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・

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