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『エルドレインの森』プレビュー雑感

物語を紡ぐのはあなた/A tale only you can tell

ファイレクシア戦争の爪痕残るエルドレイン次元への再訪。
ローアンとウィル、そしてケランの新たな旅……そして新たな物語がここから始まる。
最新エキスパンション「エルドレインの森」は2023年9月8日発売!MTGA/MTGOでは9月5日先行リリース!

お久しぶりです。
トップ画は「森」で画像検索エンジンパラパラめくってたらなぜかでてきた森を疾走する走り屋集団です。
スタンダードの大会がじゃんけんだどうじゃで人々はSNSで闘争を求める世知辛い世の中(?)に解き放たれたアーマードコア6ばっかやってるこのごろなんですが、今回も発売近くなったんでとりあえずプレビュー雑感やっていきましょう。

いつも通りレアと神話レア中心にスタンダード目線のお話をざっくばらんにちゃっちゃかちゃー。僕のカード評価物差しについては過去の記事をご参照ください。

・《忠義の徳目》

《セレズニアの魔除け》のトークンモード、割と強いよねという話

カードカウントで明らかに損しにくい基本骨子デザインからして強力なメカニズム、出来事が再登場。

こちらは出来事+エンチャントの神話レアサイクルとなっており白の徳目はトークン生成と終了ステップ誘発のパンプアップ疑似警戒付与。《バスリの結束》+《みなぎる活力》の毎ターン誘発と考えると結構なパフォーマンスですし、自前でパンプアップ元も用意できなおかつ重ね引きどんとこいなこのデザインは秀逸の一言。スタンダードで活躍中の白のカードとして挙げられる、《婚礼の発表》・《放浪皇》らとのカード的な相性は勿論マナカーブまでジャストフィットする有様ですんなりデッキに組み込めそうなのもグッド。

・《人狐のボディガード》

部族が無茶苦茶

瞬速型のリング生物。地味に一切の条件がないインスタントタイミング《放逐する僧侶》は初登場。これも令和か。

令和なだけあって除去としても自軍保護としても使える両面受けのユーティリティに、自らをサクって生物の使いまわしも可能ときています。自分から撃つラスゴとリング生物が相性悪かった部分も地味に改善してますね、まあこの系統のカード使って自分でラスゴ撃つデッキは結構稀有ですが。

追放・瞬速と痒い所に手が届く性能はしてるので、打点の低さに目をつむれるなら採用するデッキはあるでしょう。

・《有角の湖鯨》

湖のクジラというところに誰も突っ込まないあたりエルドレイン

《掃き飛ばし》相当のバウンス除去に良好なスタッツの瞬速デカブツがついているコントロール向けデザインのカード。

インスタント除去の薄い色なので、コントロールっぽく組もうとしたときにこういうカードは枠の節約に使いやすい都合採用される可能性はありそうです。
ただこのサイズのデカブツで護法2はあまり信用のおけるレベルの耐性ではない上、コントロールでブロッカーとして使うのに活かしにくいタップインなのがやや気がかり。

使われそうなカードではあるものの、かといって滅茶苦茶フィットするかといわれると首をかしげるくらいの印象です。

・《執念の徳目》

最近の黒、強いな~

徳目サイクルの黒。
ゲインつきのマイナス修整に、自分相手問わず墓地の生物を釣り上げるボード重視の組み合わせ。

出来事・当事者面どちらもコストなりに強力で、かつ重ね引いても困らないデザインできわめて優秀なカードに見えますね。どちらといえばロングゲーム向けですが、普通に除去兼マナフラ受けとして様々なデッキに採用しうるカードです。

複数枚買いたいのに神話なことくらいですかね、難点。

・《忌まわしき干渉者、アショク》

そういえばPWの灯って・・・?

まさかのエルドレインに登場、アショク。
常在はライフペイコストをライブラリーで肩代わりする変則代替コスト。
ただスタンダードだと意外とライフペイで強いカードがないので正直空気気味になりそう。ファイレクシアマナとかはまあ地味にいいかもしれませんが。

プラスでハンド補充、小マイナスでトークン展開、大マイナスで「まあ長く居座ってたし勝ちでいいでしょ」レベルの奥義とPWとしての能力はオーソドックスにまとまっており、初期忠誠値も-2を2回使えるほどには高いため結構まとまっているPWだといえるでしょう。

黒単色のPWだけでみてもスタンと同居する範囲では《ヴェールのリリアナ》《不笑のソリン》《裏切りの棘、ヴラスカ》らとマナコストも被っておらず採用はしやすいため何かしら居場所は見つけそうな雰囲気です。

・《勇気の徳目》

出来事で2点火力といわれるとどうしてもね

赤の徳目はショックと本体火力に反応する衝動ドローの組み合わせ。
《砕骨の巨人》を想起させる部分はありますが、さすがにあちら違ってテンポよく行動を保証しているわけでも強靭なボディで盤面を支えてくれるわけでもないので役割としては全く違ったものを期待することになります。

攻撃的なデッキに火力メインで採用しつつ、他の徳目同様後詰めのアド装置として使うのがまっとうな採用方向ぽいですね。ただスタンレベルの火力だとこれから本体火力の連鎖って結構難しそうな感がるのでミッドレンジ調なデザインな感じはしちゃいますね。

・《怒り狂う戦闘ネズミ》

ネズミとハツカネズミは別物らしい

ボディこそ貧弱ですが、二つ目以降のスペルを軽減する能力とパンプアップがかみ合っており軽いカードを連鎖的に使いたい赤いアグロには有用そうに見えます。能力はどちらも重複する仕様なので複数枚固め引いた時の爆発力もあり、パーマネントカウントをある程度確保できるアグロデッキでは採用されそうな雰囲気。

・《開花の亀》

緑の亀って珍しい気がしますね

墓地から土地を釣り上げるミシュランのロードクリーチャー。現代生物の定番ともいえますが、ETB能力と攻撃時能力を共有しており除去されて損をしにくく生き残った時のバリューも大きい優良デザイン。墓地からの土地置きにはすでに《ウインドグレイスの魂》が存在していますが、あちらと違って墓地への下準備がなくともある程度の役割を持てるのが好印象。今回のエルドレインで追加されたミシュランはどれも強力なので、多色ビートでの採用をしたくなるところですが本体のスタッツが貧弱なのがやや難。

土地の起動を安くする能力の方は何かしら悪用したくなりますが、スタンだとミシュラン以外には魂力や《英雄の公有地》くらいでコンボ的な運用は厳しいですかね。

・《野生との遭遇》

赤ずきんにこんな場面あったっけ?

いろいろと珍しい書式のスペル。緑には珍しい衝動的ドローに、遅延誘発型の一方格闘除去のセット。追放したのが出来事生物なら当事者面でなく出来事面を唱えることもできる書式なので、おそらくその狙いも込みのデザインでしょう。

文章こそ面白いことが書いてあるのですが、ターン終了時までしか唱えられず除去の方も特にバフがのったりすることもないためやや使いづらい印象。サーチとしても除去としても中途半端な性能になっている感否めないので、もう少し下駄はかせてもよかった気はしますね。緑単色に近い除去の薄いデッキでは使うこともあるかもですが、そういうデッキがあるのかは疑問。

・《炎心の決闘者》

決闘(デュエル)開始ィィィ!

スポイラーのカード分類上多色カード扱いですが、ルール的に単体のカードとしては単色カードという極めてややこしい出来事/当事者で色の異なるレアサイクル。
前回のエルドレインでの反省を活かしてというべきなのか、基本的には出来事スペルの方はマナコストが重く設定されているのが特徴です。

こちらの《炎心の決闘者》は3点火力と3/1という一見攻撃的な組み合わせではあるものの、肝心の3点火力は3マナと《発射》相当でコスパが悪くクリーチャーとしても戦闘向けのキーワードを持たないためそれぞれ単体としてのスペックには難があります。とはいえ除去+クリーチャーの組み合わせを一枚で実現しているのは単純にカードして優秀です。

火力にライフリンクを付与する能力は《魂火の大導師》が過去スタンで活躍した例もありますし、火力としてのダメージ効率に優れる相性のいいカードはスタンには意外と多いのでミッドレンジ的運用では日の目を見そうです。

・《苔森の戦慄騎士》

身内の好きそうなやつが思い浮かぶタイプのカード

BGカラーにはよく現れる場持ちのいいアタッカー。
出来事を経由するひと手間はあれど両面とも2マナと軽く、コスパも良好です。追放除去に弱いので同じ粘り系アタッカーの《しつこい負け犬》と弱点が共通しているのはやや気になるところですが、遜色ない活躍が期待できるでしょう。よく使われそうなので抑えておくと吉かと思います。

今回はこのあたりで。
出来事カードは最初こそカードパワーを危惧されていた部分がありましたが、蓋を開けてみると絶妙な調整がされてる感じでしたね。むしろ対抗色ミシュランが非常に優秀に感じたので、先に抑えておくべきはそっちのような気もしたりなんだったり。

9月からのチャンピオンズカップ予選はモダンシーズンということで、自分はラストサン予選を中心に回っていく予定です。新環境スタンダードもアリーナはもちろん、紙で組んでたまにはフライデーとかに遊びにいこうかなと思ってますのでよしなに。

ほなまた、どこかの予選会場でお会いしましょう。

お前なかなかおもろいこと書くやんけ、と思って頂けたらなんか下のボタン押すと僕にジュース奢れたりとか、記事のオススメとかできるっぽいです。何卒。