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なぜ今、「サロン」なのか 櫻田潤がインフォグラフィックサロンを作った理由

2018年3月、NewsPicksでインフォグラフィック・エディターをしている櫻田潤さんが、個人の活動の一環として「櫻田潤の図解・インフォグラフィックサロン」を開設しました。

この記事では、櫻田さんがなぜ今、サロンを開設したのか、そこに込められた思いをサロンの第一回オフ会のレポートとしてお届けします。

櫻田潤のビジョン

櫻田さんが掲げるビジョンは「ビジュアルの力で世界を丸くする。」。
人々の価値観が断絶している現代において、それをなんとか丸めることができるのがビジュアルの力なのではないか、と考えています。

そもそも人々の価値観が断絶していると感じたのは、2011年の東日本大震災。未曾有(みぞう)の災害が起きてさまざまな情報が錯綜し、どれが正しいんだろうということを考えた時に色々なものが分断していることを実感されたといいます。

言葉は時にダイレクトでキツすぎるけれど、ビジュアルにすることでもう少しゆるくなり、価値観を共有しやすくできるんじゃないか。そういった思いが原点にあるそうです。

確かに一見するとパキッと分かれているように感じる価値観も、ビジュアルにして円を繋げてみると、どこかで重なり合っていきます。遠くから見るといくつもの円が重なり合っている様から、多様性とはまさにグラデーションであると気がつくことができるという櫻田さんの説明自体、ビジュアルで見せられるとスッと腹に落ちます。

白か黒かの議論では、人々は延々と交わることができません。

この状態を変えるために、どこかつながっていると理解することができたら、すべてがわかりあえなくても建設的な議論ができるのではないか。

ビジュアルの力は、その理解を助ける力が確かにありそうです。

櫻田さんが自らのビジョンを追い求めながら、日頃から意識して注力しているのが「実践」「発信」「教育」の3つの活動。

「実践」は、自分で手を動かすこと。個人のプロジェクトや会社でやっていることすべてです。

「発信」は、著書やメディアを通して自分の考えを伝えていくこと。

「教育」は、イベントや講義。

この3つの活動が重なり合う部分は何なのか。そう考えた時に「Community(コミュニティ)」というキーワードが出てきたそうです。

なぜ今、「サロン」なのか

そのコミュニティというキーワードから考えられた、2つの方向性。それは、会社のプロジェクトとして始まったNewsPicksアカデミアの「ゼミ」と、個人として運営する「オンラインサロン」でした。

体系的・普遍的で、インフォグラフィックや図解の基礎的部分を担うのが「ゼミ」であるのに対し、継続的で時代的であり、最先端のことを取り扱うことができるのが「サロン」であると櫻田さんは定義されます。

リアルタイムに時代を作っていく「サロン」で、継続的な「実践・発信・教育」を行っていきたい。それが、櫻田さんがサロンを作ろうと考えた理由の一つ目でした。

また、櫻田さんは「今はベン図の時代」であるということを日々感じているといいます。

ベン図というのは先にも出てきたような円が重なっている図のことですが、今の時代は従来の組織図ではうまくいかないという肌感が櫻田さんにはあるそうです。

その極めつきがコミュニティであり、コミュニティは重なり合うが、従来の組織は壁があって交わることが難しい。つまり、従来の組織である会社では複数の部署をまたいで所属することは難しいけれど、コミュニティなら複数所属することができるのです。

イノベーションは重なりから生まれるというのは明らかであり、結局アイデアは既存の組み合わせ。

そう考えた時、これからは複数のコミュニティに属するのが当たり前の時代になる。それこそがベン図の時代であるということなのです。

複数のコミュニティに所属すると、あっちのアイデアとこっちのアイデアが混ざっていく。

たとえば、箕輪編集室やNewsPicksアカデミア、櫻田サロンなど多くのコミュニティがあるなかで、複数所属することにより色々な化学反応が起きやすくなっています。

櫻田さんがサロンを作ろうと思った理由の二つ目は、こうしたイノベーションの源泉としようと考えたことでした。

手を動かし続けた人だけにチャンスがある

ベン図の時代では、重なり部分の多い人が勝つと櫻田さんは言い切っています。
この状態を作れる人が、時代を作っていくのです。

今は色々な意味で追い風が吹いており、新しいことが生まれやすい状態になっています。

「コミュニティ」というワードが浸透しつつあり、所属するのも立ち上げるのもハードルが下がってきていること。
働き方改革などの文脈で、意識が会社外に向きつつあること。
そして、ビジュアル化のサードウェーブによって、ビジュアルの力が注目されていること。

時代の追い風として第三の波がきている今こそ、ビジュアルの世界でも継続的に実践した人だけにチャンスがあると言えます。

櫻田さんご自身も、地道にサイトを更新し続けてきたことが社外での仕事や著書の出版、そしてサロンオーナーとなった今に繋がっていると感じているそうです。

しかし、実際のところ続けられる人は少ないのが現実であり、自らを省みてもなかなか一人で続けられるほどストイックにもなりきれません。

一人では手を動かし続けるのは難しいからこそ、サロンに所属することで、継続のためのモチベーションを高めることができるのです。

これこそが、櫻田さんがサロンを作ろうと思った3つ目の理由でした。

サロンでは日々メンバーの描いた図解やインフォグラフィックを見せ合ったり、実際に手を動かして学べるオフ会などが行われています。

普段から投稿の一つひとつに丁寧に返信してくださる櫻田さんですが、今後はMVP制度やハッカソンなどを取り入れ、よりサロンに投稿をしやすいような仕組みづくりに取り組んでいきたいと考えているそうです。

サロンを活かして、時代の波に乗れるかどうか。時代を作る側への道筋として櫻田サロンを活かさない手はありません。

現在、サロンは満員状態ですが、月末に空きが出ることがあります。また、少数ですが月初のタイミングで追加募集をする可能性もあります。
気になった方は、ぜひチェックしてみてください。

櫻田潤の「図解・インフォグラフィック」サロン

お問い合わせ:junsakurada.salon@gmail.com

テキスト:柴山由香
編集:石川遼
写真:池田実加

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