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第三回オフ会レポート 「4ピク」でストーリーを伝える

2018年5月23日(水)に行われた櫻田サロン第三回オフ会のレポートをお届けします。第二回オフ会で行った「ピクトグラム」ワークショップからさらに発展させて、今回はピクトグラム×4コマでストーリーを伝える「4ピク」に挑戦しました。


オフ会はまず近況の報告やサロンでの動きなどの櫻田さんのトークから始まりました。この日は櫻田さんのVoicy『「デザイン逃避行」ラジオ』が配信開始されたばかりだったこともあり、Voicyに関する話も多くされていました。


例えば、第一回「デザイン逃避行、初日。」でも話していた太宰治の『逆行』の書き出しについて。Voicyではこの書き出しが「すごい」というだけで終わっていましたが、この日のためにしっかりと言語化してくださいました。

老人ではなかった。二十五歳を越しただけであった。けれどもやはり老人であった。ふつうの人の一年一年を、この老人はたっぷり三倍三倍にして暮したのである。

この『逆行』の書き出しについて、櫻田さんは「短い文章の中に起承転結がコンパクトに入っていて、飽きない」といいます。

老人ではなかった。(起)二十五歳を越しただけであった。(承)けれどもやはり老人であった。(転)ふつうの人の一年一年を、この老人はたっぷり三倍三倍にして暮したのである。(結)

このように自分が良いと感じたものについて、考えを深めることが大事だと強調されていました。言葉から学ぶことは多く、ストーリーテリングの大切さを感じさせます。


続く第二回「綺麗だけど、ピンとこない。」では、ペンタグラムというデザイン会社の仕事について話されていました。

ペンタグラムが手がけたアメリカン・エクスプレスのロゴデザインが「エモい」という表現をされていましたが、これも「ルール通りではなく、崩しがあるところにライブ感があってかっこいい」とあらためて具体的に説明しています。細かなところに目を向ける櫻田さんの偏愛を窺い知ることができました。

その他にも、「デザイン逃避行」ラジオのバナーデザインの色を紫にした理由が「(紫は)混ざった色で、クリアではないモヤモヤした気持ちを表している」ということや、海賊風のキャラクターが使われている理由なども、貴重なラフスケッチのノートを公開しながら話していただきました。

(「デザイン逃避行」ラジオのバナーとラフスケッチ)


手を動かそう。気づきをためよう。


櫻田さんは、距離が近く、コミュニケーションが取りやすいサロンだからこそ、実際に手を動かせるワークショップを取り入れているといいます。単なる座学だけでは学べない体験の場にしたい考えているそうです。

そんな話がされた後に、いよいよ「4ピク」ワークショップがスタートしました。

今回は「自分が伝えたいもの」として、それぞれ好きな映画や漫画、尊敬する偉人の生涯、製品・サービスのライフサイクルなどを4コマで表現することになりました。

(櫻田さんが作った4ピク。左は織田信長、右は桃太郎を表現している)

4コマでの表現について、櫻田さんは漫画家・手塚治虫の言葉に影響を受けていると話しています。

この言葉に当てはまる漫画家としては、具体的に石ノ森章太郎や藤子不二雄、赤塚不二夫といった有名漫画家の名前が挙がりました。

ストーリーを4コマで展開できるということは、それぞれを1コマにしてハイライトを絞り込むこともできれば、反対に8コマに増やした場合に膨らますこともできるなど展開に幅が生まれます。櫻田さんも普段からこの4コマで考えることを実践しているそうです。

これらのことも踏まえ、櫻田さんは「4ピク」を作るにあたって、以下の4ステップで進めると良いとアドバイスしています。

STEP1:エピソードを最低10個以上書き出す。
STEP2:その中から絶対に外したくないハイライトを1つ決める。
STEP3:スタートとエンディングを決める。

STEP4:残り1つを決める。

4つのコマの内容を決めたら、実際に絵にしていきます。エピソードを「洗い出す」→「絞る」→「表現に向かう」という流れは、内容を決める時も絵にする時も共通です。

1コマ毎の絵の描き方については、前回の「ピクトグラム」ワークショップが生きていきそうです。


メンバーが考え、絵を描いている最中も櫻田さんはみんなの様子が気になるようでした。

櫻田さんはサロンの他にもNewsPicksアカデミアでゼミの講師をされています。そこでは私語を挟む余地がないそうですが、「サロンだと邪魔したくなりますね(笑)」と手を動かしているメンバーに話しかけていました。時間制限のある中でアウトプットを求められるハードさがある一方で、和やかな雰囲気もあるのが櫻田サロンの魅力です。

(サロンメンバー、サクライリサさんの描いた映画『ミニオンズ』の4ピク)



描き終えると、今度はそれをグループでシェア。机を囲んだメンバーが笑顔で自分の作品について説明していきます。描いたものをいきなりSNSに投稿するのは恥ずかしいという人もいたので、まずはサロンのFacebookグループ内で共有していました。

櫻田サロンのオフ会は、同じ時間にみんな一緒に手を動かすことで、他者からの気づきを得られる場です。「4ピク」は、インフォグラフィックや図解の作成に必要な3スキルとして櫻田さんが挙げている「分析」「編集」「デザイン」を全て体験できるもの。今回のワークショップでも、メンバーにはそれぞれに新たな発見があったようです。

手を動かし、気づきを得られる、櫻田サロンのオフ会


「分析」「編集」「デザイン」
の3つのスキルセットは、様々な分野に共通すること。サロンではこれらをトータルで学べるようにしていくとのことです。櫻田さんは以前から、みんながビジュアルを使えるようになればいい、とおっしゃっていました。そうした考えがしっかりと反映されています。

今後のオフ会も、メンバーとともに手を動かすことで気づきの多い場になるはずです。


現在、サロンは満員状態ですが、月末に空きが出ることがあります。また、少数ですが月初のタイミングで追加募集をする可能性もあります。
気になった方は、ぜひチェックしてみてください。

お問い合わせ:junsakurada.salon@gmail.com

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テキスト:守隨佑果
編集:石川遼
写真:池田実加

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