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【事業再構築補助金】採択された補助事業の特徴とは?

事業再構築補助金 第1回公募の採択結果

申請件数2万2231件のうち8016件を採択した。採択金額は予算総額の約5分の1に当たる約2200億円。(日刊工業新聞 2021/6/18)

とのことで、1件あたり平均約2,700万円の補助額ということになります。これは、中小企業にとっては非常に大きな額であり、スゴイことです・・・

採択率は下表の通りとなっています。大半の会社が通常枠で申請していると想定され、その採択率は約30%。事前の情報では、採択率は60%程度ではないかと言われていたので、想定よりも厳しい審査基準となっていると言えると思います。

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また、採択された事業者の業種構成比は次の通りです。申請企業の業種構成比が分からないので正確なことは言えないですが、製造業、宿泊業、飲食業、サービス業の採択された割合が高いことを考えると、コロナにより受けた影響が大きいほど、採択には優位に働いていると捉えることができるかと思います。

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なお弊社では、事業計画書作成に役立つテンプレート等を公開(有料)しております。よろしければ、こちらもご活用ください。
【事業再構築補助金】事業計画書のテンプレート(採択実績有)
【事業再構築補助金】事業計画書作成に役立つ収益計画テンプレート
【事業再構築補助金】採択されるための7つのポイント

事業計画名からみる採択された補助事業の特徴

さて、今回の採択結果から、審査のハードルが高いことがわかったわけですが、実際に採択される補助事業の内容とはどのようなものなのでしょうか?
そこで、採択された通常枠5,150件の事業計画名をAIテキストマイニング(User Local)を使って、分析してみました。

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ワードクラウド:スコアが高い単語を複数選び出し、その値に応じた大きさで図示しています。 単語の色は品詞の種類で異なっており、青色が名詞、赤色が動詞、緑色が形容詞、灰色が感動詞を表しています。

「事業」以外では、「新分野」「製造」「転換」「展開」「技術」「参入」が目立ちます。名刺と動詞の出現頻度は↓のようになっています。

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単語同士の関連性は、次の2次元マップが参考になります。

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事業計画概要からみる採択された補助事業の特徴

次に公開されている事業計画概要について、約2,000件を対象にテキストマイニングしてみました。

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「事業」以外では、「コロナ禍」「新分野」「転換」「導入」「開発」などが目立ちますね。

頻出キーワードは次の通りです。

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単語の出現パターンは、次の通りです。
・「新分野に展開」
・「コロナ禍の影響で、売上が減少」
・「技術を導入」
・「製品を製造し、販売」
などが見えてきます。

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結論:「採択されやすい事業内容」というものはない

今回、事業計画名と事業計画概要をテキストマイニングを行ってみて分かったことは、「採択されやすい事業内容」は無さそう、ということ。キーワードから、採択率が高い事業や業種というものは見えてきませんでした。

敢えて言うと、「新分野に展開」「コロナ禍の影響で、売上が減少」という点で、
・既存事業が、コロナ禍の影響を受け、売上が減少していること
・その上で、新分野に展開するなど新たな取り組みを図ること

が、採択される上で重要視されている可能性があることがわかりました。

このことは、事業再構築補助金の基本要件それ自体であるので、特別新しい発見ということにはならないのですが、逆に言うと、どのような事業再構築の内容であれば、基本要件をしっかり押さえていれば、採択される可能性は十分にあると捉えることができるのではないでしょうか。


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