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従業員エンゲージメントを左右する3つのポイント

従業員エンゲージメントを高めることは、社員の離職防止や業績向上に欠かせない要素として注目されています。

しかし、
「どうすれば従業員エンゲージメントを向上させられるか分からない」
「既に取り組んでいるつもりだが、いまいち効果が実感できない」
と悩む経営層は多いのではないでしょうか。

今回は、従業員エンゲージメントを左右する3つのポイントを解説します。

項目ごとの改善方法も紹介しますので、お困りの方は参考にしてみてください。

従業員エンゲージメントとは

「従業員エンゲージメント」とは、社員が自社に対して感じる愛着心・貢献心のことを指します。

一見「愛社精神」や「従業員満足度」と似ていますが、実は本質が異なることをご存知でしょうか。

愛社精神や従業員満足度の場合、自社での就業に満足している社員の状態そのものを指すケースが多いです。
給料が良いから、適度に力を抜いて働けるから、という理由でも十分愛社精神や従業員満足度は育ちます。

一方で従業員エンゲージメントの場合、上記のような満足値に加えて

・会社の成長に尽力したいと考える前向きな貢献心
・会社と自分が共に成長しているという実感
・仕事にやりがいを感じ、スキルアップを目指そうとするハングリー精神
などの要素も生じます。

そのため、従業員エンゲージメントが高ければ離職防止や業績向上が図れるのです。

従業員エンゲージメントを左右する3つのポイント

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早速、従業員エンゲージメントが何に左右されるのか、確認していきましょう。

①人事評価の正当性
自分を正当かつ正確に評価してもらえることは、会社に対する信頼につながります。

自分の働きぶりと年収が合致していると実感できれば、金額の高低を問わず高い満足値が得らえるでしょう。

例えば、社内の誰よりも努力し、目に見える業績を出しているにも関わらず年収400万円に収まっている場合、自ずと不満が出てしまいます。

反対に、年収400万円分の働きに対して年収400万円を支給しているのであれば、人事評価の妥当性が伝わります。

働きぶりをきちんと評価できる会社になることが、従業員エンゲージメントを高める第一歩です。

②企業理念への共感
自社のビジョンや方向性に強く共感していると、仕事にやりがいを感じるようになります。

仕事を頑張る意義が与えらるため前向きになりやすく、努力の軸がブレることもありません。

「会社の成長に貢献している」
「人や社会の役に立っている」

という実際の成功体験を重ねれば、更に効果が増していきます。

そのためには、まず会社の理念や方向性を明確に示す必要がありそうです。

③快適な人間関係
経営層と社員の関係を円滑にするのはもちろん、社員と社員の関係性もよくするのがベストです。

パワハラ・セクハラ・いじめなどのストレス要因をなくすことはもとより、同僚を信頼できることが重要になってくるでしょう。

社員間のシームレスで情報格差のないコミュニケーションを築き、価値観・ナレッジ・ノウハウを共有するのが理想です。

人事評価の正当性を上げる方法

ここからは、上記で挙げた①~③の要素について、1つずつ改善方法の案を紹介します。

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まずは、①で提示した人事評価の正当性を上げる方法について考えていきましょう。

適切な昇給・昇格ができる人事評価制度を構築する
誰が評価しても一律の結果になるような、公正公平な人事評価制度を構築しましょう。

よくある悪い例として、評価者が少数に偏ってしまっている人事評価が挙げられます。

評価にかける時間は短縮できますが、上司の好き嫌いで評価が分かれてしまうことが多く、客観性を持たせるのが難しくなってしまいます。

また、成果主義に偏りすぎるあまり、数値評価の出にくい業務を担当している社員が冷遇されてしまうのも問題です。

売上額やリピート率など定量的な結果が出やすい営業部だけが評価され、総務や経理など定量的な仕事が多いバックオフィスは評価されない場合、部署ごとの軋轢を生んでしまうでしょう。

上司からも部下からも評価される「360度評価」や、理想とする行動特性をベースに判断する「コンピテンシー評価」などを活用するのが効果的です。

自身の役割を明確にできるような動機付けをする
人事評価のフィードバックを丁寧に行い、ひとりひとりに与えられた役割を可視化していくことも効果的です。

自分が会社から何を期待されているか、何のプロフェッショナルになるべきなのかを会社と共有できれば、努力の方向性が固まります。

「この方向で頑張れば評価してもらえる」という目標ができますので、十分な動機付けになるでしょう。

もちろん部署や年齢ごとに果たすべき役割は異なりますので、個別のミーティングが欠かせません。

個別に何百人との面談をする余裕がない場合は、あらかじめ会社が求める行動規範を提示しておく方法もあります。

成長を実感できるキャリアパスを提示する
どんなに高い給与・待遇を得ていても、同じポジションに何年も居座り続けることはストレスが生じます。

「何年頑張っても今の状態のままなら、多少手を抜いても構わない」
「今の待遇で十分満足しているから、無難に定年を迎えれられれば満足だ」

というマイナスインセンティブが働いてしまうのです。

そのため、年齢や勤続年数に応じた成長を実感できるよう、会社側でキャリアパスを用意しておきましょう。

与えられた役割や期待に応えるため努力し、それに見合った成功体験や自己成長を実感できれば、次の努力にも前向きになれそうです。

企業理念への共感を上げる方法

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次に、②で提示した企業理念への共感を上げる方法について考えていきましょう。

理念を定期的に発信・共有する
企業理念に共感してもらうためには、そもそも企業理念を社員に知ってもらう必要があります。

入社当初は高い熱意を持っていても、日々目の前の仕事に忙殺され、理念やビジョンを忘れてしまう社員は少なくありません。

ふと思い返したときに「なんで自分はこんなに頑張っているんだろう」とぽっかり穴が抜けてしまわないよう、定期的に訴えかけていきましょう。

特に、年度末の節目や繁忙期を抜けた直後に行うのが効果的です。

社内報・社内ポータル・動画メッセージなど多数の手を使いながら、強く意識づけしていきましょう。

経営戦略を共有して会社の未来をイメージさせる
理念だけでなく、経営戦略を社員と共有することも重要です。

業界内でどんなポジションにいる会社にしたいのか、どんな戦略で同業他社より優位に立つかなど、明確に提示できるようにしておきましょう。

一方的に経営層からトップダウンせずとも、社員とマンツーマンで話しながら意見を吸い上げるのも効果的です。

会社の未来を自分事として捉えてもらい、10年後20年後の姿に思い馳せながらコミュニケーションを取れば、成長型のマインドが培われます。

快適な人間関係を築く方法

次に、③で提示し快適な人間関係を築く方法について考えていきましょう。

相互信頼とサポートが得られるシステムを作る
従業員エンゲージメントを上げるには、自社が信頼に足る存在であると認識してもらうことが不可欠です。

そのためには、「困ったときは会社が相談に乗ってくれる」「チーム単位で業務を分担できるよう配慮してくれる」と感じさせる必要があるでしょう。

例えば、定期的にクローズな社員アンケートを実施し、結果に合わせてサポートや面談が受けられるシステムを導入する方法があります。

人事評価の結果をフィードバックしたり、退職リスクを抱える社員に直接声かけをしたりする場として活用できるでしょう。

また、チーム単位でのモチベーション管理をすることも有効です。

相互サポート環境が整うため安心につながりやすく、現場の不安や心配をいち早く吸い上げる近道となります。

従業員同士で価値観を共有できるコミュニケーションツールを導入する
年代・性別・部署・地域・役職に囚われず社内コミュニケーションが取れるよう、コミュニケーションツールの導入を検討しましょう。

経営層と社員の距離だけでなく、社員同士の距離も近くできれば、日々の業務がやりやすくなります。

社内SNS・チャットツール・映像会議システム・グループウェア・社内ポータルなど、ツールは多岐に渡りますので、いくつか比較・検討してみることが大切です。

価値観や方向性を全体で共有しやすくなる他、業務効率改善にも役立つことが期待されるため、一石二鳥の効果が得られるかもしれません。

能力適性に合わせて仕事を依頼する
会社の規模が大きくなるほど、人材も多様化していきます。

「適材適所」という言葉がある通り、適正や向き・不向きに合わせた人事配置を心がけましょう。

自分をスキルを遺憾なく発揮できる部署に異動できれば、「会社や上司は自分をしっかり見てくれている」という満足感が得やすくなります。

当然業務の効率も上がりますので、成功体験が得やすくなり、仕事へのやりがいも向上します。

結果として会社の成長を支える人材として成長してくれるため、どちらにとってもwin-winの関係が築けます。

従業員エンゲージメント向上を図る際の注意点

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最後に、従業員エンゲージメント向上の取り組みに際し、注意しておきたいポイントを解説します。

却ってマイナスの効果が出てしまわないよう、あらかじめリスクを知っておきましょう。

会社側から強制しない
従業員エンゲージメントは、あくまでも社員が自発的に抱くものです。

会社側からエンゲージメントの向上を強制したり、それが正義であるような指導をしないのがポイントです。

業務パフォーマンス以外の面で期待が高まりすぎると、社員はプレッシャーを感じたり居心地が悪くなってしまったりするでしょう。

場合によっては社員が二分化し、「従業員エンゲージメントが高くない人は悪だ」という争いになりかねません。

あくまでも加点方式で評価することを忘れないよう心がけましょう。

社員が会社に何を期待しているか把握する
会社が社員に期待するのと同じように、社員も会社に期待しています。

明確なキャリアパスを提示できているか
成長に見合った待遇を保証できているか
少なくとも同業他社と同じような給与レベルになっているか
会社が明るい未来を描けているか(それを共有できているか)
働き方の多様化に対応できているか
など、会社側が見直すべきポイントをリストアップしてみましょう。

経営陣が高い給料を与えることが第一だと考えていても、社員はワークライフバランスを重視している場合もあります。

反対に、ワークライフバランスや働き方改革を推進しすぎるあまり、人事評価制度の改革が遅れては不満が出てしまいます。

現場への細やかなフォローとヒアリングを重ね、社員からのニーズを読み取っていきましょう。

まとめ

従業員エンゲージメントが高い会社は成長軌道に乗りやすく、人材の流失も抑えやすくなります。

経営層も社員も満足値の高い仕事ができるため、取引先やステークホルダーに与える印象もよくなるでしょう。

もし従業員エンゲージメントを高めたいのであれば、人事評価制度・企業理念への共感・快適な人間関係の構築の3要素を意識して社内改革に取り組みましょう。

自社の従業員エンゲージメントの見える化や向上に課題意識がある場合は、↓組織改善ツール「パルスアイ」を一度ご確認ください。

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※本記事は、PULSE AIメディアのコラムの転載となります。


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