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『最長片道切符の旅』を旅する day14 汽車に乗るんじゃなかったの?

14日目は我孫子(あびこ)から房総半島をぐるっと大回りしてくる。外房線内房線はすでに各駅停車で走破済みなので、今回は特急でさくっと通り抜ける。特急に乗れる旅は楽でいいなあ。

我孫子 0705(成田線)0749 成田 0818(成田線) 0943 松岸 0957(総武線)1048 成東 1049(東金線)1107 大網 1144(外房線)[わかしお7] 1224 勝浦 1236(外房線)1309 安房鴨川 1313(内房線)1355 館山 1408(内房線) [さざなみ82] 1530 蘇我  (1604 東京)

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東京駅を0605発の山手線日暮里(にっぽり)から常磐線我孫子(あびこ)へ。日暮里ー我孫子は32分もかかるんだな。もっと近いかと思っていた。しかしまあここも通勤圏内ではある。

我孫子から成田線。最長片道はここから再開する。今回、先生には小学校2年生の娘のお供がいる。

成田行きの電車に乗る。四つドアの国電だから珍しくもない。「汽車に乗るんじゃなかったの?」と伴女が不満そうに言う。もう「汽車」などないが、言わんとすることはわかる。 (文庫132頁)

原本の『最長片道切符の旅』は1978年(昭和53年)発行であるから、JRはまだ国鉄である。なので「国電」である。今や「汽車」もないが「国電」も、もうない。

成田線は読み方が難しい駅が沢山ある。なんでここだけこんなに難しいんだろ。新木(あらき)、木下(きおろし)、安食(あじき)、下総松崎(しもうさまんざき)。我孫子(あびこ)だって普通まず読めないしな。

成田駅前で 0800 に銀行のシャッターが開くのを待って金を下ろす。

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ここからようやくローカル線らしくなる。列車もボックス席のモハ112である。土曜日なので部活姿の中学、高校生が乗ってくる。大戸(おおと)から腰が曲がった婆さん達が乗ってくる。

銚子の一つ手前の松岸に10時23分に着き、下車した。ここで総武本線の上りに乗り換えて九十九里平野から外房に向かうのがルートである。12分ほど時間があるので、お伴用の餌を仕入れに改札口を出た。 (文庫134頁)

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松岸総武線に乗り換える。ここで14分ほどあるので、駅前のパン屋で朝食のパンとコーヒー牛乳を買う。駅前にはパン屋が一軒しかないので、先生もここでパンを買ったのだろうと推測する。

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銚子半島のつけ根の短いトンネルを抜けると九十九里平野が広がり、列車は松林と水田とビニールハウスの中を走る。八日市場(ようかいちば)からは下総台地と平地の境目を行くようになり、右窓は低い丘陵、左窓は田畑という単調な眺めがつづく。 (文庫135頁)


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成東(なるとう)着、接続よく大網(おおあみ)行き東金(とうがね)に乗り換える。18分で終点大網。ここ成東発の東京行きの通勤快速がある。0651成東発、0825東京着。所要1時間34分。帰りは東京1816、成東1936。これで会社に通っている人もいるんだろうか。往復乗って見たいような気もする。

大網から外房線下り特急「わかしお7号」に乗る。この特急、下りなのは東京駅発だからだ。路線的には東京、千葉、蘇我、大網と来て外房の海岸線に入る。東京から特急でわずか45分の所をぐるっと大回りして半日かけてここから乗り込むのだ。ここからさらに房総半島をぐるっと一回りする。

特急のいい所はまわりに気兼ねなく弁当を食べられることだ。乗車前に食料を買い込む。先生も同じようで、

大網でも接続がよく、1157に着いて急いで駅弁を買い、1201の急行「外房1号」安房鴨川行きに乗移る。駅弁のお蔭でお伴が元気をとりもどす。

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茂原(もばら)から大原(おおはら)に至ると外房海岸に着く。

大原からは、御宿(おんじゅく)、勝浦(かつうら)、鵜原(うばら)、上総興津(かずさおきつ)、安房小湊(あわこみなと)など、ほぼ各駅ごとに漁港と海水浴場がある。トンネルを抜けると入り江が見えて駅があり、次の岬に近づくとまたトンネルに入る。それをくりかえしながらほとんど各駅に停車する。だからこの区間内は特急でも鈍行でも所要時間はあまり変わらない。

それは今でも変わらない。大網(おおあみ)から安房鴨川(あわかもがわ)まで、特急と普通列車の差はわずか24分しかない。それでも特急は快適だ。何よりも横に窓があるのがいい。海や漁港、海水浴場を眺めながらお昼を食べる。

安房鴨川からまた普通列車で館山(たてやま)まで。館山から再び特急「さざなみ82号」に乗り、東京駅へ。途中、蘇我(そが)で、『最長片道切符の旅』は終了。次回は蘇我からスタートする。

いよいよ首都圏に入る。いやだなあ。


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