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路地裏旅行社: 旅程の立て方のコツ(2)

●「祭り」に行こう

行く先の国の祭日、国の祝日お祭り、宗教的な祭事催事芸術祭などをチェックしておこう。祭日は年によって日が違うため、各国の観光協会のサイトで確認をする。

タイミング良くうまい具合に祭りに居合わせると旅の楽しみがうんと違う。旅が深くなる。旅がきらめいてくる。日程の中に一回は「祭り」を入れたい。

日本は世界有数の「祭り」が多い国である。ほぼ毎日どこかで祭りがある。国内旅行でも旅先で祭りに出くわすとその旅行の濃度がまるで違う。

逆に「国民の祝日」をしっかり押さえておかないと行ってからしまった、と言うことになりかねない。バンコクの「ソンクラン」、中国の「春節」、フランスの「バカンス」、ヨーロッパの「クリスマス」、アメリカの「感謝祭(サンクスギビング)」。

日本の「お盆」「お正月」「ゴールデンウィーク」を考えてみればわかるはず。混雑したり、宿が取れなかったり、その逆に町が閑散としていることだってある。祝日は必ず観光協会で確認しておこう。

ヨーロッパの「いつ」「どこ」を知るにはこの本がおすすめだ。ぱらぱらしているだけでも楽しいよ。

Lonely Planet Lonely Planet's Where To Go When Europe

●交通に要する時間を知る

アメリカではなしでは旅は成り立たない。ドイツではアウトバーンの100kmはきっかり1時間の距離だ。通常、下の一般国道は高速道路より時間がかかるし、山に入るとなおさらだ。街を抜けるのですら渋滞で時間がかかることがある。

列車を利用する人はトマス・クックやネットの時刻表で都市間の所要時間を確認しておくこと。思ったより時間はかからないものだ。パリーミラノ間は夜行でちょうど10時間。パリーフランクフルトは6時間。ロンドンーパリは3時間、東京ー大阪の距離である。

2都市間を移動するだけなら各駅停車は避けた方が無難だ。けっこう時間がかかる。でもそれがよくて私はちょくちょく普通列車を利用する。もっとも特急といってもハノイ-ホー・チ・ミン間は12時間もかかる。こういった交通にかかる時間を大体頭に入れておこう。

その際、東京-大阪間600km新幹線で3時間、在来線の特急なら6時間、飛行機で1時間、車だと7時間、というのを覚えておこう。この尺度が「距離」と「時間」概念を得るのにずいぶん役に立つ。ちなみに東京-名古屋が400km、静岡が200km。熱海までが100kmである。

人が歩く速さは、1時間4kmが標準。これを覚えておくと、「あと1km」とあれば大体15分だなと見当がつく。

Google君は足が速くて、Google Mapsで示す徒歩時間は4.6kmで計算している。不動産広告で「駅から歩いて5分」の表示は、分速80m時速4.8kmで計算しているのだ。

●週の内必ず一日はお休みの日を取る

ミラノの月曜日は最悪だ。ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」がお休みでその他の美術館、博物館も軒並み休館である。大体、ヨーロッパでもアメリカでもアジアでも美術館や博物館は月曜がお休みのところがほとんどだ。

パリではルーブルが火曜休館、その分、月曜休館で火曜日に開いているオルセーが混む。その他の所は月曜日がお休みのところが多い。気をつけたい。

また市場も日曜日には閉まってしまうところが多い。豊洲市場は隔週で水曜日が休みになる。築地の場外は日中開いているが夕方には店じまいする。開場日はどこの国でもインターネットで調べることが出来る。

逆に骨董市などは日曜日だけに開催される。その週に何があるのかを地元の観光協会か地元の新聞で調べておこう。日曜版の新聞が役に立つ。

また時間帯も大事である。豊洲の市場は朝行かないと昼過ぎは閑散としている。逆に京都の錦小路は朝は店が開いていない。混み出すのは夕方からだ。

●小包を出そう

一ヶ月以上の旅程には必ず毎週「郵便」の日を作っておこう。絵はがきなら毎日出せる。しかし、まとまった荷物は中央郵便局(通常GPOという。General Post Office)から小包にして送ってしまう。

私は長期間、海外旅行していたときは、洗濯と郵便を、毎週土曜日の午前中にあてていた。買い集めたおみやげ、本、いらなくなったガイド、地図、パンフレット。持って歩いても重いだけ。船便で出すと一ヶ月もしてひょっこり荷物が届くのもまたいいものだ。

今まで船便で出してなくなったものはない。しかし、なくなっては困る書類や描いたスケッチなどは、送らないで持って回った方が無難だろう。

郵便局で小包用の箱も売っているが、私は近所のスーパーで段ボール箱を分けてもらっている。荷造り用の芯を抜いたガムテープ油性マーカーは必需品だ。


 

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