路地裏旅行社: 一人旅はたいへんだ
●一人旅は寂しい
一人だけのホテルの部屋はがらんとして侘びしいし、一人で黙々と食べる食事は味気ない。話しかける相手が自分だけだと、大きな都市は冷たくて無愛想に感じられる。何か失敗しても慰めたり助けてくれる人はいない。
私はNYでまる一週間誰とも話さなかったことがある。話し相手もいなければ、誰も話しかけてもくれないのである。道を聞いても指さされるだけ。とうとう淋しくて日本人だと思って思い切って声を掛けたら香港の人だった(彼とはそれから長年の友人になった)。
誰も知らない異国で病気になると寒々と心細いものだ。熱を出してホテルのベッドでふるえていると、そんな時にはつくづく連れが欲しくなる。
レストランで一人で食事するのも寂しいものだ。通常一人だけの席はレストランの中でも端の方かカウンターだしね。
女性一人でレストランに入るのも勇気がいるだろう。なにも話すこともなく一人でする食事は味気ない。なので、一人旅の食事は屋台とか食堂で簡単に、となりやすい(ま、それはそれでおいしいんだけどね)。
一人旅でミシュランのグルメを訪ねるのはむずかしい。ま、むずかしくはなくても、おいしくはないよね。ワインだって一人で一本は無理だし。
トイレに行くとき荷物を見ててくれる人が居ないのも困ったもんだ。
●一人旅は高くつく
一人旅は高く付く。普通ホテルは一部屋の値段だから、二人だと半額ですむ。シングルルームは半額料金よりは割り増しになっていることが多い。(でも、今や男女共通のゲストハウスなら一人でも格安だけどね)
レンタカーもタクシーもガイドも一人で全額払わなければならない。ピクニックランチも、パンやチーズ、ワインなど一人では食べきれない量を買わなくてはならなくて不経済だ。
●世界は一人旅でいっぱいだ
一人旅は寂しいだけではない。世界中にはこうした一人旅の旅行者が大勢いる。彼らは自然と寄り集まってくる。ゲストハウス、ホステル、美術館、日帰りツアー、駅、列車の中などでそうした仲間に会える。
ユーレイルパス利用者は同じような一人旅仲間を駅や車内で見つけられるだろうし、鉄道に乗るときはちょっと余分にピクニック(食べ物や飲み物)を持っていくといい。乗り合わせた仲間と分け合えばすぐ友達になれる。だから一人旅には「鉄道」をおすすめしたい。
少しだけ大胆になってみよう。自分がさびしかったら、 向こうだってさびしいんだから。
一人旅には技術が必要だ。ちょっとした度胸も必要だ。でも、一人旅はあなたを強くする。
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