見出し画像

Jam boardで繰り上がりのある足し算を克服する

小学校1年生の算数の難所の一つに繰り上がりのある足し算がある。

繰り上がりのある足し算では,以下の二つの計算の仕方がある。
(1)加数分解
(2)被加数分解
どちらの方法もポイントは次だ。
=================
「10のまとまり」を作ること
=================

これまでに学習した「10の合成」の技能と「数の分解」の技能が求められる。
例えば,9+4の問題を計算する場合を考える。
まず,「9はあと1で10」になることが分からなければならない。
次に,「4は1と3」に分解できることが分からなければならない。
このどちらもできて,「10のまとまり」を作ることができるのである。

1年生の子どもたちに,繰り上がりのある足し算の単元に入る前に,しっかりと「10の合成」と「数の分解」の技能を身に付けさせておかなくてはならないのである。

ところが,これらのことを頭の中だけで考えることが難しい子が,教室にはいるのではないだろうか。
そのために,繰り上がりの概念について理解する以前に,躓くのである。
入門期の算数において,こうした挫折とも言えるような経験をさせることは,避けたいものだと考える。

操作による視覚支援を行うことで,「10の合成」も「数の分解」も確実にできるようになる方法はないかと考えた。
ブロックの操作。
20玉そろばんの操作。
様々な方法が考えられる中,GoogleアプリのJam boardを活用できないかと考えた。

以下の写真はそのコンテンツ画面と使用の手順である。

スクリーンショット 2021-10-16 5.03.57

卵のパックのように5列×2行の枠を準備することで,あといくつで10になるのかが,図形の操作により一目で分かるようになった。
あとは,もう一方の数字から,図形を動かすだけである。
10のまとまりさえ作ることができれば,計算できる。
このことをJam board上での操作により,実現することができる。
10のまとまりを作ることが苦手な子が,「これならできる!」とにこにこして,計算問題に取り組んだ。
【Jam boardのコンテンツの作り方】
①Power Point等のソフトでコンテンツの上部の枠を作成する。
②ファイル>エクスポート>からPDF化する。
③スクリーンショットを撮る。または,PDFデータをjpeg化できるサイトで画像化する。
④画像をJam boardに貼り付ける。
⑤Jam boardで丸い図形を作成する。

以上の手順で,Jam boardコンテンツが作成可能である。

このコンテンツは紙媒体でも活用できる。
以下の写真のように印刷しておき,鉛筆で◯を書くのである。

スクリーンショット 2021-10-16 5.06.26

パソコンやタブレットなどの端末をすぐに取り出せないときや,机上のスペースが狭いときなどには,このシートを渡すだけで計算ができる。

このような作業を通して,10のまとまりを作ることができるようになるのではないかと考える。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?