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令和3年度土木学会全国大会/研究討論会一覧(二日目)

土木学会事務局です。

令和3年度全国大会での研究討論会は、9月6日(月)、9月7日(火)の二日間で開催します。今年はVimeoを使ってのオンライン配信です。土木学会の対象とする様々な調査研究分野から21件の討論会が開催されます。
この記事では二日目の9月7日に開催される9件の研究討論会についてご紹介します。

研究討論会は、一般の方も視聴いただけます。参加登録不要でご覧頂けますので、気になるテーマがありましたら、どうぞお気軽にご視聴ください。

13)災害から技術革新へ、建設用ロボットが果たす役割

国土交通省でも施工自動化を推進する中、社会の持続可能性の観点から、建設用ロボットの可能性について、有識者や開発研究者からの意見を頂いて、自然災害への対応から生まれたロボット技術について更なる技術革新を生み出すための方策を討議する。いち早く元の状態に回復できる「強靱(レジリエント)なインフラ」を維持していくためには、社会全体としてその体制を考えていく必要がある。これまでに取り組まれたロボット開発に関するプロジェクトを紹介しながら、来るべき高速通信時代への技術革新を進める取組や建設用ロボットに関する安全などを踏まえて建設用ロボットが果たす役割について、議論していく。

主催:建設用ロボット委員会

14)土木D&I 2.0:考えよう、ルーツの多様性で土木界を元気に

一般社会に遅れながら、土木界においてもダイバーシティ・アンド・インクルージョン(D&I)に取り組む機運が高まっている。そのときの対象に、外国出身者がある。産業界では人手不足を補うために海外からの人材を確保する取り組みも進む。しかしD&Iは多様な価値観のもとでのより良い職場環境の創造やイノベーションをめざすことこそに意義がある。外国出身の技術者の活躍もその文脈で語りたい。
本討論会は、主に現在と将来の外国出身の技術者のみなさんと、外国出身技術者を受け入れようとしている企業のみなさんにむけて開催する。具体的には、まず実態や問題意識、本音を共有し、次いで先進的な取り組みを参考にしながら、全員で個人、組織、土木学会が取り組む方策について討論する。

主催:ダイバーシティ・アンド・インクルージョン推進委員会

15)インフラマネジメントに関わる新技術の社会実装の現状とその展望

インフラマネジメントにおいて、異業種・異分野の先端技術を含め、多くの優れた技術が開発され、社会実装に向けた取組みが展開されつつある。一方、実務の最前線にある技術者には、新技術の開発状況や取組み成果に関わる情報が十分に展開されていないとの声も大きい。急速に進むDXに関する技術進化を享受し、新技術活用を公共事業における持続可能な手順として定着させるには、開発者と発注者、両者のあいだで、新技術をより一層志向した取組みが必須であり、そのためには新技術を生み出し実装化するというプロセスに関わる情報の共有が不可欠である。本討論会では、さらなる技術の進化と展開に向け、適用事例に基づき課題と方策を議論する。

主催:インフラメンテナンス総合委員会 新技術適用推進小委員会

16)Beyond AI 時代の土木に向けて 〜AIの先にあるもの〜

BIM/CIMが土木建築業界でも浸透し始め、今後益々インフラのDXが加速していくであろう。同時に5Gの本格運用がはじまり、ビックデータとAIを融合したイノベーションも起き始めている。応用力学委員会では、AIを使った一歩先の未来ではなく、その次に始まるであろう新たなイノベーションを見据え、それに向けた準備をするために、計算力学×α小委員会が2021年に立ち上がる。
土木における応用力学の新たな扉を開くため、小委員会の活動内容や方針について議論するとともに、AIの先にある未来について討論する。

主催:応用力学委員会

17)気候変動と地下空間 ~頻発する豪雨災害に対する地下施設への影響とその対応~

地球温暖化に伴う気候変動の対応について、様々な分野にて議論が進められている。地下空間の活用および防災対策においても、気候変動に伴う対応は重要な検討テーマといえる。ここでは「気候変動と地下空間」をテーマとし、近年の災害の特徴と地下空間、現状の地下空間の水害対策、2019年の台風19号に対する地下の貯留施設が果たした役割、将来の降雨変化と地下空間への影響、ソフト対策としてIOT、情報システムの活用による水害への対応などの話題提供をいただく。その上で、気候変動に対する地下空間としての適応の方向性として、短期的、中長期的に、各主体がどのようなことを考え、対応をしていくべきであるかについて議論する。

主催:地下空間研究委員会

18)インフラメンテナンスの更なる展開 ~他分野との連携を通じて描く未来、メンテを通じて何するの?~

土木学会では、2020年度に始動したJSCE2020-2024の実現のため、JSCE2020プロジェクト「メンテナンスの担い手を育て、インフラを守る」を進めている。その活動母体であるインフラメンテナンス総合委員会は、6月に「インフラメンテナンスに関する土木学会声明2021」を発出した。本研究討論会では、JSCE2020プロジェクトの活動状況と土木学会声明の概要を紹介するとともに、今後メンテナンスの変革のために不可欠な「連携」と「目指すべき未来」に着目し、土木の中に限らず、他分野でのメンテナンスに関する最新の取組みを紹介する。これらを踏まえて、メンテナンスのさらなる展開のための今後の課題や連携のあり方について議論を深め、未来社会の実現に向けたシナリオを示す。

主催:JSCE2020プロジェクト(インフラメンテナンス)

19)日本のインフラの体力を診断する

我が国における各種インフラは、戦後~高度経済成長を経て整備が進められ、国民の生命・財産を守るとともに、社会・経済・くらしを支えてきた。しかしながら、近年では、頻発・激甚化する自然災害やインフラの老朽化への対応が喫緊の課題となり、土木学会では、道路、河川、港湾、鉄道等の健康状態を国民と共有するために「インフラ健康診断」を実施し、公表してきた。一方、「日本のインフラは概成した」との雰囲気が広がり、インフラへの投資額が減少してきたことに対して、国際競争力・防災力の観点から「日本のインフラの実力・体力はどの程度か?十分か?」と指摘する声も大きくなってきた。そこで、土木学会では、「インフラ体力診断」の第1弾として道路、河川、港湾を対象として実施した。
本研究討論会では、第1弾の体力診断の結果に基づき、日本のインフラの強み、弱みを評価・解説するとともに、国民と共有するための工夫や今後の整備の方向性について議論する。

主催:インフラ体力診断診断小委員会

20)複合・巨大災害の全体像の解明と効率的対応体制の提案に向けて

本プロジェクトの目的は、国難災害になる可能性の高い首都直下地震や南海トラフ巨大地震による災害と激甚化する複合自然災害から、人命と財産、生活環境と社会機能、そして国土を護り維持すると共に、災害による国の不測事態を回避する実現可能な方策の提案である。これを達成するために、上述の複合・巨大災害の時系列・空間的な全体像を、他学会や官を含んだ多分野のメンバーによる多視点(立場、専門、職業別)から描くとともに、対策が不十分な課題の抽出と分野間に存在するギャップや盲点を炙り出す。そして、その具体的な解決策(横断的体制を含む)を、短期・長期に分けて提案する。今回の研究討論会では、現時点までの成果を報告する。

主催:JSCE2020プロジェクト(防災)

21)新しい価値観によるインフラ技術の垂直展開

COVID-19災禍はこれまでの「規模拡大、集中投資」から脱し、次代の社会とインフラのための新しい目標を設定する転機である。土木学会パンデミック特別検討会(2020年7月〜2021年6月)が発信した2度の声明(「COVID-19災禍を踏まえた社会とインフラの転換に関する声明—新しい技術と価値観による垂直展開—」「COVID-19災禍を踏まえた社会とインフラの転換に関する第2次声明—新しい技術と価値観による垂直展開—」)の内容をベースに、「垂直展開」「防疫」「複合災害」「働きがい改革」「社会連帯」などいくつかのキーワードを取り上げ、検討会メンバーによりパネルディスカッション形式で、ポストパンデミックの新たな価値の時代の社会とインフラのあり方について討論を行う。

主催:パンデミック特別検討会

お昼休みには

合間のお昼時間には、土木広報センターがYouTubeチャンネル「土木学会tv」でお送りするスペシャル番組「江戸から東京へ! 首都圏の発展を支えたインフラ-」をお楽しみください。

研究討論会(初日)

研究討論会初日のプログラムは、以下のnoteからご覧頂けます。

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国内有数の工学系団体である土木学会は、「土木工学の進歩および土木事業の発達ならびに土木技術者の資質向上を図り、もって学術文化の進展と社会の発展に寄与する」ことを目指し、さまざまな活動を展開しています。 http://www.jsce.or.jp/