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「身近な土木を描いてみよう!」図画コンクール(2021)

土木学会事務局です。

土木学会中国支部が主催する「身近な土木を描いてみよう!」図画コンクールは、土木の日関連行事として、毎年小中学生を対象に開催されています。身近な土木を理解し親しむための一環として実施し、次世代を担う子どもたちに「土木(社会資本整備)」を図画に描くことで、普段生活している場所、何気なく見ている物が土木技術に支えられていることの認識を少しでも感じ、土木(環境含む)に親しんでもらうきっかけづくりを主眼としています。

2021年で第14回を数え、地域に定着し、毎年多くの応募をいただける恒例のイベントになっています。第14回は中国5県等の小中学校119校から1254枚の図画が集まり、その中から優秀作品13点・佳作作品53点が選ばれました。

この記事では優秀作品13点について、描かれた施設の情報などとあわせて紹介します。子どもたちの力作をご覧ください。

美しい音戸大橋

広島市立段原小学校5年 佐々木 淳平さん

図画コンクールでは定番のモチーフになっている音戸大橋。音戸大橋・第二音戸大橋・第三音戸大橋と3つあるなか、描かれたのは「第二音戸大橋」。こちらは平成24年度の土木学会田中賞作品部門を受賞しています。

音戸大橋位置図

一番身近な土木

広島大学附属三原中学校1年 松岡 あさひ さん

しまなみ海道の橋梁群のひとつ、因島大橋を「身近な土木」として描いてくれました。

因島大橋位置図

高い所に作る道路

呉市立昭和西小学校5年 伊賀 永真 さん

「高い所に作る道路」として描かれたのは、10年後の供用を目指し広島県が事業を進める呉平谷線の現場で、橋梁架設のために組まれた工事用桟橋。山間部の地形に沿った線形の現道をトンネル+橋梁でバイパス化する工事が進んでいます。

呉平谷線

土砂災害からみんなを守る

広島市立比治山小学校6年 河井 聡美 さん

平成30年7月豪雨で土石流による甚大な被害を受けた広島市馬木地区で事業が進められている砂防堰堤が描かれています。

地理院地図(平成30年7月豪雨 広島 崩壊地等・崩壊地等分布図)

崖崩れ防止のための工事

岩国市立由宇中学校2年 竹本 早希 さん

由宇中学校のある岩国市由宇町で、斜面対策のために行われている法枠工が描かれています。

由宇中学校周辺の地形図

自分の家のにわがくずれた

三原市立中之町小学校2年 今田 裕葉 さん

7月の豪雨で川が増水し、家の軒先の護岸が崩れたところを、まだ夜が明けない暗い中にもかかわらず地元の建設会社が応急対応で大型土のうを設置したものを描いてくれました。

きれいになる道

防府市立華城小学校2年 小松 嵩虎 さん

通学路で見かける工事の様子を描いてくれました。

華城小学校周辺

高架下の公園

呉市立昭和西小学校4年 礒辺 彩月 さん

2021年に全線開通25周年を迎えた広島呉道路。呉市内の高架下は公園として活用されています。こどもたちが笑顔で遊んでいる様子が描かれた天応チビッコ広場は、平成30年7月豪雨の際には災害対応拠点として活用されました。呉市の復興計画では拡張整備が計画されています。

呉市天応地区
出典:呉市復興計画 地区計画箇所図~天応地区~

かわる広島えき

広島市立五日市小学校3年 小笠原 佑真 さん

JR西日本は、広島駅ビルの建て替え工事を進めており、それにあわせて広島市が駅南側の再整備を進めています。大きく姿を変えている広島駅周辺の工事の様子を描いてくれました。

工事の進む広島駅(2021/10/13撮影)

トンネルからレッドウィング!

呉市立昭和西小学校3年 久後 春馬 さん

JR呉線の「小屋浦トンネル」から現れる227系、通称レッドウィングの姿が描かれています。複断面のトンネルが描かれていますが、JR呉線は単線。複雑な経緯のある区間ということのようです。

戦前の1939年には、輸送力増強のため海田市駅 - 呉駅間の複線化が計画され、1941年3月に着工された。しかし太平洋戦争中の資材不足から工事が遅れ、輸送力増強は省営バス安芸線の運行を開始することで代えられ[37]、1945年に複線化の計画は凍結された。4分の3が完成していたトンネル・路盤は放置されていたが、電化に際して従来の低規格のトンネルを放棄し、戦中に掘削した新トンネルに切り替えられている。

Wikipedia 「呉線」

笹ヶ瀬令和橋建設中

岡山県立岡山操山中学校3年 藤原 芽生 さん
笹ヶ瀬令和橋架橋位置

岡山市では「コンパクトでネットワーク化された都市構造」の実現に向け、三環状道路の整備を重点的に進められています。外環状の一部を構成する市道藤田浦安南町線に新しく架けられる橋梁の工事の様子を描いてくれました。「笹ヶ瀬令和橋|《ささがせれいわばし》」という名称は公募により決定されました。

出典:岡山市みちづくり計画

おとうさんのしごと

倉敷市立富田小学校1年 藤岡 縁 さん

パパのしごと

倉敷市立菅生小学校1年 笠原 健功 さん

小学校1年生のふたりは、お父さんが建設現場で働いている様子を描いてくれました。

作品がご覧頂けます

東京の土木学会本部(土木会館)では、優秀作品13点と佳作作品の一部(24点)を展示しております。
会場にてアンケートにお答えいただいた方には、先着で「図画コンクール2022年カレンダー」をプレゼントいたします。
子供たちが描く土木の姿をぜひ会場にてご覧ください。
なお、土木会館の開館は1月5日からとなっております。

展示の様子
図画コンクール2022年カレンダー

■会場:土木会館(優秀賞と佳作の一部)
■住所:東京都新宿区四谷一丁目無番地
■期間:令和3年12月22日(水)~令和4年2月25日(金)
■開館時間:9:00~17:30(土日祝日休館)・入館無料

今後の展示予定

土木会館での展示終了後、優秀賞受賞作品と佳作の一部について、以下のスケジュールで展示を行います。子どもたちの力作をお近くでご覧ください。
(広島・岡山・鳥取での展示は終了しています)
※新型コロナウイルス感染拡大の影響により変更となる場合があります。

島根

■会場:中国電力(株)ふれあいホール松江 (優秀賞と島根地区の佳作)
■住所:島根県松江市東朝日町 5 1
■日時:令和4年3月12 日(土)~3月13日(日)
    10:30~16:00(13日は15:30まで)

山口

■会場:中国電力(株)柳井発電所ふれあいホール (優秀賞と山口地区の佳作)
■住所:山口県柳井市柳井 1578-8
■日時:令和4年3月16 日(水)~3月27日(日) (月曜休館)

2020年度の優秀賞作品

昨年度の受賞作品はこちらの記事で紹介しています。昨年の力作もぜひご覧ください。


国内有数の工学系団体である土木学会は、「土木工学の進歩および土木事業の発達ならびに土木技術者の資質向上を図り、もって学術文化の進展と社会の発展に寄与する」ことを目指し、さまざまな活動を展開しています。 http://www.jsce.or.jp/