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「身近な土木を描いてみよう!」図画コンクール(2020)

土木学会事務局です。

土木学会には、全国に8つ(北海道東北関東中部関西中国四国西部)と海外1つの計9つの支部があり、支部ごとに特色のある活動を行っています。

タイトルの「身近な土木を描いてみよう!」図画コンクールは、土木の日関連行事として、土木学会中国支部が主催する小中学生を対象とした絵画コンクールです。身近な土木を理解し親しむための一環として実施し、次世代を担う子どもたちに「土木(社会資本整備)」を図画に描くことで、普段生活している場所、何気なく見ている物が土木技術に支えられていることの認識を少しでも感じ、土木(環境含む)に親しんでもらうきっかけづくりを主眼としています。2020年で第13回を数え、毎年多くの応募をいただける地域に定着した恒例のイベントになっています。

小学生の作品では、電車や重機などを生き生きと描き、建設作業中の様子や橋などを親しみ深く色々な視点で描かれています。中学生の作品は、遠近法等テクニックを使った技法で、素晴らしい作品が多くありました。
また審査会では、平成30年の豪雨の復旧工事を描いた作品を見て、インフラ整備をしている審査員から、身の引き締まる思いを感じましたという感想があったそうです。

今回、中国支部から第13回図画コンクールで優秀賞を受賞した13作品のデータをいただいたので、描かれた施設の情報などとあわせて受賞作品を紹介します。

みんなで守る地域の宝「別所砂留」

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岡山市立津山小学校6年 樋口 遥さん

別所砂留(べっしょすなどめ)は、「福山藩による江戸時代の大小様々な形態の砂留が、一渓流に30基以上、良好な状態で現存している貴重な土木遺産」として2015年に土木学会選奨土木遺産に選定されており、整備保存や啓蒙活動に取り組まれている「別所砂留を守る会」は土木学会の市民普請大賞2016でグランプリに選定されています。

ショベルカー

1月

鳥取市立鹿野学園1年 鈴木 瑛大さん

大きな黄色いショベルカーは、コマツさんのでしょうかキャタピラーさんのでしょうか。オレンジの日立さん、グリーンのコベルコさんもカッコイイですよね。

きれいになっていく擬宝珠橋前の道路

2月

鳥取市立久松小学校6年 平川 弘起さん

奥に描かれた擬宝珠橋(ぎぼしばし)は鳥取城跡に2018年に復元された木造橋で、令和元年度の土木学会田中賞も受賞しています。また復元工事の模様は道路構造物ジャーナルNETさんのページでレポートされています。

あきやぐちのふみきり

3月

広島市立牛田新町小学校2年 末田 龍之眞さん

JR芸備線の安芸矢口駅から太田川の堤防の方向をみたところの様子ですね。

つながる希望

4月

広島市立井口小学校5年 上野 百合子さん

音戸大橋

5月

広島市立春日野小学校4年 山本 結萌さん

音戸大橋(おんどおおはし)は広島県呉市の本土と倉橋島を結ぶ道路橋です。その後に架橋された第二音戸大橋や関連して整備された歩道橋(第三音戸大橋)もデザインを踏襲しているなど、地元に愛されているシンボリックな橋梁です。

自然と土木

6月

広島市立戸坂小学校3年 富永 拓真さん

大きなダム

7月

広島市立春日野小学校3年 小川 怜大さん

こちらのダムは、アーチダムとしては堤高186メートルの黒部ダムに次ぐ、堤高156メートルの温井ダム(ぬくいだむ)を描かれたものだそうです。

みんなえがお

8月

広島市立牛田新町小学校1年 冨岡 蒼太さん

道路橋や鉄道橋、いろいろな橋が描かれています。橋が笑顔を運んでいるのが印象的です。

山道の木漏れ日

9月

岩国市立周東中学校2年 藤本 弥優さん

大芝水門

10月

広島市立牛田新町小学校4年 伊藤 弘喜さん

大芝水門(おおしばすいもん)は、太田川放水路との分岐点付近で旧太田川を仕切る道路橋併用の水門です。太田川放水路に設置された祇園水門と連動して、広島市街地を洪水から守っています。祇園・大芝水門の物語は、中国建設弘済会さんのアーカイブスページに掲載されているこちらのPDFでも解説されています。

大型土のうと砂防ダム

11月

呉市天応中学校1年 岡本 優作さん

天応中学校のある呉市天応地区は平成30年7月豪雨で全域に避難指示が出されました。天応中学校でも裏山が崩れ、建物に被害はでなかったものの運動場には大量の土砂が流入しました。
岡本さんの描かれたこの堰堤は、中学校からさらに奥の位置で進められている堰堤工事の様子(広島西部砂防事務所HP)です。
現在、天応中学校の敷地でも直轄事業による砂防堰堤工事が進められており、中学校には立ち入りができなくなっています。天応小学校に仮移転している中学校は、2019年に策定された呉市復興計画において小学校の敷地で義務教育学校として統合・再開される方針となっています。中学校裏に完成する堰堤は、天応中学校の生徒さん達により「永輝砂防堰堤」と命名され銘板が設置(広島西部砂防事務所HP)されました。

錦帯橋

12月

広島大学附属三原中学校3年 村上 真輝さん

錦帯橋(きんたいきょう)については多くを語るまでもないでしょう。岩国市錦帯橋課の錦帯橋公式サイトには歴史や技術の解説、3DCGモデルの動画など、盛り沢山の情報が掲載されています。ちょっと面白い取り組みとしては5年ごとの強度試験では、載荷重試験や振動試験での重し役は岩国高校の生徒さん達が務めるとか。土木学会にも錦帯橋関連の論文がたくさん投稿されています

入賞作品展示会

すでに終わってしまったところもありますが、入賞作品は中国各県と東京で展示をしております。各会場でアンケートにご回答いただくと、作品が印刷された2021年カレンダーがもらえます。数に限りがありますので、品切れの場合はご容赦ください。

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東京会場
 日時:令和2年12月24日(木)~令和3年2月12日(金)
 場所:土木学会本部(東京都新宿区四谷)(優秀賞・佳作の一部)

【土木学会 中国支部】 『第13回「身近な土木を描いてみよう!」図画コンクール...

Posted by 土木学会 on Thursday, December 24, 2020
※土木学会本部の2020年の業務は12月25日(金)が最終日となり、2021年の業務は1月5日(火)よりとなります。

松江会場
 日時:令和3年2月27日(土)~2月28日(日)
 場所:中国電力(株)ふれあいホール松江(優秀賞・島根県内の佳作)

山口会場
 日時:令和3年3月2日(火)~3月14日(日)
 場所:中国電力(株)柳井発電所(優秀賞・山口県内の佳作)

2021年も実施されます

参加対象は土木学会中国支部管内(広島・岡山・鳥取・島根・山口)の小中学生に限られますが、多くのこどもたちからの応募をお待ちしております。

情報は土木学会中国支部のホームページでご確認ください。

#土木学会 #身近な土木


国内有数の工学系団体である土木学会は、「土木工学の進歩および土木事業の発達ならびに土木技術者の資質向上を図り、もって学術文化の進展と社会の発展に寄与する」ことを目指し、さまざまな活動を展開しています。 http://www.jsce.or.jp/