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zoomウェビナーでバックステージ機能をお試しした話(その1)

土木学会事務局です。

講習会、セミナー、シンポジウムのオンライン開催もすっかり定着した感があります。土木学会ではツールとしてzoomを軸に対応を行っていますが、ツールや機材は日々進化しているので、より高品質なオンライン・ハイブリッド行事を開催できるよう学会事務局では各種リサーチと機材の導入など、運営ノウハウのアップデートを図っています。

今回試してみたのは、zoomウェビナーの『バックステージ』という機能。
正確にはウェビナーの機能ではなく、Zoom Eventsに含まれているウェビナーの機能で、2022年の4月に実装されたものです。

従来のウェビナーの流れ

zoomウェビナーでの流れを図にまとめてみました。

zoomウェビナーでは、本番前に『練習セッション』を設定して、打ち合わせやリハーサルを行うことができました。

ホストが練習セッションをスタートすると、パネリストの人たちがzoomに入室してきます。練習セッションは、通常のzoomミーティングと変わりませんが、一般の参加者は入室できません。ウェビナーのURLにアクセスしても待機させられます。

ホスト(または共同ホスト)が『ウェビナー開始』をクリックすると本番がスタートし、参加者が順次入室してきます。ミーティングと異なり、ウェビナーの場合、参加者はカメラもマイクもONにはできません。見る専になるので参加者によるカメラマイクのトラブル発生を抑止できます。

通常のzoomミーティングで行う場合は参加者側の画面制御やマイクミュートなどに運営側が目を配る必要がありました。最近は一括ミュートとかフォーカスモードといった機能が実装されてミーティングでもずいぶん楽に運用できるようになりましたが、ウェビナーではそもそも参加者は顔出し声出しが出来ないので、運営側としては本番中のタスクが減るのは助かります。

参加者同士の討議を行わない場合はミーティングよりウェビナーで運用する方が便利です。

運営側の不満

ミーティングでもウェビナーでも、出演者以外のパネリスト(運営スタッフ)は、カメラOFF・マイクミュートで変な操作をしないよう息を潜めている必要があります。

円滑に進行するため、本番中の連絡手段として別途LINEやSlackなどのツールを使ったり、メールが飛び交ったり時には電話でやりとりをしていて、オペレーションが煩雑になりがちです。

そして、ウェビナーを終了すると参加者も出演者もスタッフも強制的に退出させられます。関係者で終了後のラップアップをする場合には別のミーティングをあらかじめ用意しておく必要がありました。で、URLなんだっけー!と過去メールを探したりすることも多々。

バックステージとは

そうした不満を解決する方法として提供されたのが『バックステージ』。
バックステージは前述したように、Zoom Eventsのウェビナーに実装された機能です。(ウェビナーライセンス単体には実装されていません)
バックステージを有効にすると、あたかもzoomの中で客席・舞台上・舞台裏があるような運営ができるようになります。

バックステージ   ・・・舞台裏
ウェビナー(本番前)・・・幕が上がる前の舞台上
ウェビナー(本番中)・・・幕が上がった舞台上
参加者側      ・・・客席

全体の流れを図にするとこんな感じになります。

参加者は、幕が上がる(ウェビナー開始)前には入場できません。当然舞台の様子もわかりません。

パネリスト(出演者・スタッフ)は、ホストがバックステージを開始したら入室することができます。入室後には、バックステージ(舞台裏)とウェビナー(舞台上)を自由に行き来することができます。

またバックステージ(舞台裏)からはウェビナー(舞台上)の様子(映像・音声)は確認できます。楽屋とか控え室においてあるステージモニターのような感じです。ウェビナー(舞台上)からはバックステージ(楽屋)の状況は確認できません。

運用のしかた

支部や、担当事務局を経由して委員会の方々にお声がけして先日、お試し会を開催していろいろ実際の運用を確認してみました。ちょっと前説が長くなったので、実際の運用の仕方や流れはその2でまとめます。

Zoom Eventsとは

でそもそもZoom Eventsとはなにかという話がありませんでした。
Zoom Eventsとは、2021年の夏にリリースされたzoomが提供するオンラインイベントのためのオールインワンプラットフォームです。
チケット販売から配信までをワンストップで可能としています。

zoomウェビナーとzoomEventsの機能の違い(出典:zoomHP

昨年秋に開催されたZoomtopia 2021で、複数日程に渡るマルチセッションのカンファレンスを開催できるようになったことが発表されました。

Zoom Eventsは2022年6月の時点では日本国内向けに正式にリリースされていませんが、土木学会では全国大会をはじめさまざまな分野での研究発表会が複数日程・マルチセッション形式で開催されることから、ツールの研究・検証を行っています。
一応、無料で開催する場合は日本国内でも運用できますが、チケット販売・決済の機能が実装されていないといったこともあり、本番の研究会開催にはまだまだ使える状況にはありません。(そもそもメニューが日本語化されていないので設定も一苦労します)
正式に国内向けに提供されたとき、速やかな対応を図れるよういろいろ機能を確認しているところです。

Zoom Eventsのウェビナーは通常のウェビナーとしても使えるので、検証の傍らウェビナーを設定していたところ、あれなんかメニューが違うと、バックステージの設定に気がついたという次第。

ひきつづき、利用者目線でのレポートをしていこうと思います。


20227.13追記 その2を公開しました。


国内有数の工学系団体である土木学会は、「土木工学の進歩および土木事業の発達ならびに土木技術者の資質向上を図り、もって学術文化の進展と社会の発展に寄与する」ことを目指し、さまざまな活動を展開しています。 http://www.jsce.or.jp/