流域治水とリスクの見える化
金尾 健司
論説委員
(独)水資源機構
流域治水関連法が2021年11月に全面施行された。
総合治水対策が世に出て約半世紀が経ち、ようやくという思いと同時に、これからの行く末が気になる。筆者は、1980年代にある地方自治体に勤務し、都市河川の総合治水対策を担当した。当時はバブル経済を迎える時期であり、その流域でも都市開発が盛んに行われ、流出増や浸水区域への資産集中に対して河川整備が追いつかず、そこに戦後最大規模の洪水が襲来し大水害となった。都市、農業などの関係部局に対して