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土木学会『論説・オピニオン』

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土木学会では、会員だけでなく広く一般社会に、土木に関わる多様な考え・判断を紹介し、議論を重ねる契機とすることを目的に、社会に対する土木技術者の責務として、社会基盤整備のあり方・重… もっと読む
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2021年6月の記事一覧

学び直しのすすめ

渦岡良介 論説委員兼幹事長 京都大学防災研究所 偶然にも土木学会誌5月号、地盤工学会誌5月号(筆者の専門は地盤工学)の特集はそれぞれ、「土木教育」、「地盤工学教育のこれから」であった。そこで、筆者の大学や学会等での経験を通じて、教えること・学ぶことについて考えてみたい。 いずれの学会誌でも、コロナ禍でのオンラインやVRを用いた教育、DXが進む中で地球規模の問題に対応するための教育など、最近の事例が紹介されている。どう教えるのか(学ぶのか)、何を教えるのか(学ぶのか)を考え

熊本地震から5年 臨機の対応は広範な経験知・学習知から

森田康夫 国土交通省国土技術政策総合研究所 企画部長 平成28年熊本地震から5年。県民にとって念願であった国道57号現道部及び北側復旧ルート(令和2年10月3日)、国道325号新阿蘇大橋(令和3年3月7日)が開通しました。これにより、阿蘇地域の観光振興や地域住民の生活再建はもちろんのこと、熊本都市圏と阿蘇地域を結ぶ大動脈として、熊本県全体の創造的復興の核となることが期待されています。 画像出典:国土交通省九州地方整備局熊本復興事務所(一部筆者更新) 地震発生の4ヶ月前(