都市沿岸域の恵みと持続性を高めよう
佐々木 淳
論説委員
東京大学 教授
東京湾では1960年頃には19万トンの漁獲量がありましたが、昨今は1万トン程度に激減しました。19万トンは単純計算で420万人分の魚介類の供給に相当し、豊かな恵みをもたらしていたことが想像できます。身近な環境に人手を入れ、人と自然の共生を目指す里山はよく知られていますが、瀬戸内海で生まれた里海(人手が加わることによって生物多様性と生産性が高くなった沿岸域)も、人手を加えるべきではないとの意識が強かった欧米にSATOUMIとして受け入れら