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土木学会『論説・オピニオン』

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土木学会では、会員だけでなく広く一般社会に、土木に関わる多様な考え・判断を紹介し、議論を重ねる契機とすることを目的に、社会に対する土木技術者の責務として、社会基盤整備のあり方・重… もっと読む
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2021年2月の記事一覧

わたしが考える土木工学の50年の歩み ~闇夜の河川の水位予報~

山田 正 論説委員会委員長 中央大学 わたしは令和3年1月で満70歳を迎えました。大学生になってから50年ほどの時間が過ぎたということになります。この50年間の土木工学の歩みを顧みると、この分野が我が国の経済発展や人々の安全・安心に暮らす国造りに果たした貢献には計り知れないものがあると思っています。この貢献を数量的に表すことはもちろん可能ではありますが、人々の暮らし方が大きく変貌したという生活目線で見れば、それこそ革命とも言えるような、或いは明治維新による国の模様替えとほぼ

Society5.0時代における建設コンサルタント技術者の役割

秋葉 努 論説委員 株式会社 建設技術研究所 取締役常務執行役員 21世紀の未来都市と言えば、高層ビルが立ち並び自動車が自由に空を飛び、チューブの中を高速に輸送車両が動き、街にはロボットが闊歩している様子を手塚治虫が描いたマンガ「鉄腕アトム」に登場する都市を思い浮かべます。1960年代に小学生だった筆者も含め同世代の方々の共通のイメージではないかと思います。 21世紀に入って20年が経過している今、未来社会の姿として、第5期科学技術基本計画においてIoT(Internet