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誰でもカンタン魔法言語の作り方

魔法の仕組みについてはわかったと思いますが、肝心の「魔法言語」を作るのはかなり難しそうに見えるでしょう。
もちろん既存の言語での命令文でも良いですが、「魔法の呪文」はあった方がそれっぽくなると思います。

とはいえ「言語」を新しくつくる必要はありません。作るのは「暗号」です。
オススメは換字式暗号と呼ばれるものです。
おそらく簡単なのはシーザー暗号と呼ばれるもので、50音、またはアルファベット順にして、それを(任意の整数)文字ズラすことで暗号になります。
例えば「あ→い」のように1文字だけズラすと、「ほのおのたま」→「マハカ・ハ・チミ」となり、これだけでもちょっと魔法の呪文っぽくなります。
日本語の場合は「ゃゅょ」があるので、例えば「しゃ」を「し」と「ゃ」で考えると発音できなくなってしまうので、「しゃしゅしょ」は1つの行として考えて作りましょう。

他にも色々ありますが、とりあえずは暗号化自体は実はそんなに難しくはないということが伝わればいいので割愛します。興味のある方は自分で調べてください。
また、基本的に暗号というのは解く相手がいるので解けるようにする物ですが、今回作るのは「魔法の呪文」であり、読者に解かせたりする訳でもないと思うので自分のわかる範囲で複雑にしてもいいでしょう。また、コンピューターに詳しい人であればそれ用のツールを作ってしまってもいいでしょう。

さて、暗号化が意外と簡単だということがわかったところで、今度は文法を考えます。
もちろん魔法名をそのまま呪文化してもいいですが、1単語だとちょっと物足りないんですよね。例えば「発火」をさっきみたいに1文字ずらしたら「ヒッキ」(小さいつはズラす先がないのでそのまま)となり、"それっぽさ"が薄い気がします。
設定的に問題なくても、作品として見た時の「見栄え」は大事ですのでね。考えていきますよ。

さて、第二回の記事で魔力についてお話をしました。属性の相性についてのお話を覚えているでしょうか?
属性の相性が何故起こりうるのか、それは魔力には種類があるからです。
私はそれを赤、青、黄、緑の四属性に分けました。以下、属性に関してはその呼び方をします。

魔力には4色あり、赤魔法を使いたい場合は赤い魔力だけが欲しいですよね?なんか不純物混じってると弱そうじゃないですか。
そこに関しての真偽はまた別の機会に調べるとして、ともかく赤い魔力にだけ反応して欲しいわけですから、赤い魔力に呼びかければ良いわけです。

まぁ今回は単純に文頭に「あか」を入れるとしましょう。1文字入れ替えてさっきの発火に付け足せば、「イキ・ヒッキ」となります。黒丸があるだけでもうそれっぽいですよね。正直もう満足です。

とはいえ別のパターンも考えておきたいですよね。
まず、先程までの呪文は「属性+魔法の名前」で構成されていました。これは魔力に対して魔法の名前を言うことでオーダーしているパターンです。

ですがどの世界の魔力も全部こんなに物分りがいいとは限りませんよね。
さっきまではプログラムでいう「コマンド」のようなもので、登録されていればいいですが、そうでない場合は何も起きません。

……が!!プログラムよろしく0から魔法を組み立てるというのは、二進数でソフトを作るようなものです。現実的ではありません。
そこで、呪文を強化する際の言葉を考えていきましょう。

ここで注意したいのが、ただ単語を付け足せばいいというわけではありません。まずは単語数を既存の言語より減らしましょう。

例えば大きさを表す単語はたくさんあります。大きい小さい、太い細い、長い短いなどですね。
これらは全て「大きい、小さい」に纏めます。
どうしてそんなことをするのかと言えば、まず、作中で設定を話さない限り、または作者が設定をベラベラ喋らない限りは、呪文の中身は伝わることはないです。
ですが頻出単語が多いと、「よく分からないけど翻訳できそう感」が出て、なんかワクワクできます。
また、世界と同時に誕生した、ある意味原始的な存在に伝わる、原始的な言語と考えれば、表現の幅は狭い方がそれっぽいと思います。

という訳で以下例
・威力を変える→濃い/薄い
・大きさを変える→大/小
・速さを変える→大きさと濃度によって変わるため必要なし

また、さらに威力を高めたいなどの場合は、同じ単語を2回言うなどで良いかと思います。
とりあえず例として出しましたが、他にも色々ステータスを変えたい場合は、それ用の単語を作ってしまいましょう。

今回は以上です。
呪文は日本語でもいいですけど、こういうのを考えるのは楽しいでしょうし、何よりしっかりとした世界観を考えたい人ほど、日本語や英語での呪文よりオリジナルで考えたがると思います。
世界観ばかり作り込むのもそれはそれで無駄というか、見切り発車でもさっさと書き始めちゃった方がいいと、物書き界隈ではよく聞きます。
でもファンタジーにロマンは大事ですし、創作は楽しめる無駄がたくさんある方が楽しいです。みんなも無駄に無駄なことを作りこみましょう。

次回は「杖」について書くつもりです。
次回もよろしくお願いします。

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