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2022.02.02【Interview】ビーンズ阿佐ヶ谷 エンジンズが作ると地図はこうなる!新版・いつもの阿佐ヶ谷マップ

|昨年2021年夏にちょっと不思議な感じの地図がビーンズ阿佐ヶ谷の通路-もりのこみち-に登場しました。地図の名前は、新版・いつもの阿佐ヶ谷マップ。作ったのはビーンズ阿佐ヶ谷と連携する地元のパートナー・阿佐ヶ谷エンジンズ。このくらまちラボで第一回目に登場いただいた阿佐ヶ谷を面白がるチームです。
新版・いつもの阿佐ヶ谷マップは、パステルカラーの少し変わった色使いの地図ながら、いざ見てみると、阿佐ヶ谷のまちのあちこちから語りかけられているようで、どんどん引きこまれていく魅力があります。
今回は、新版・いつもの阿佐ヶ谷マップを作ったエンジンズ・地図部の 乙川 おとかわ 貴絵 きえ さん、 齊藤 さいとう 志野歩 しのぶ さん、 太田 おおた 剛寛 たけひろ さん、ビーンズ阿佐ヶ谷の 高木 たかぎ 陽子 ようこ さんと 町田 まちだ 健一 けんいち さんのところへ、地図が生まれた背景や制作への想いを聞きに行ってきました。

第一回の阿佐ヶ谷エンジンズへのインタビューはこちらからご覧ください。前編後編


まじめに面白がってできた地図

2017年ビーンズ阿佐ヶ谷リニューアルを機にできた阿佐ヶ谷を面白がるチーム、エンジンズ。そのエンジンズが新しい阿佐ヶ谷の地図を作り、昨年からビーンズ阿佐ヶ谷を中心に配布しています。しっかりした紙に印刷された地図ではなく、ペラペラの紙にブルーとピンクで描かれている、この地図らしくない地図には、まちをとことん面白がるエンジンズならではの想いと工夫が生かされています。
エンジンズは2017年から南北対抗豆つかみや偏愛マーケットなどいろいろなことをやってきましたが、その精神は今回のマップでも存分に発揮され、「まじめに面白がったらこういう地図が出来ました」とエンジンズの乙川さんは微笑みます。


いつもの阿佐ヶ谷マップはつながりのきっかけ

いつもの阿佐ヶ谷マップは、エンジンズ結成当初にまちあるきルートを載せた地図として制作されていましたが、昨年ひさびさに新版として復活しました。
「コロナ禍でもマップを介して阿佐ヶ谷のみなさまとコミュニケーションできる気がして、マップを通したつながりの予感がします。小さいお子さま連れのご夫婦や学生さんがこのマップをピックアップするのをよく見かけますし、私がマップを補充していると話しかけられて会話のきっかけになったりしますよ」とビーンズ阿佐ヶ谷の高木さんは言います。
同じくビーンズ阿佐ヶ谷の町田さんは、お客さまサービスとしての役割に期待しているようです。「道案内でこのピンクの地図が出てくると、オヤっとなって面白いですよね。高架下のビーンズがまちの案内所になるといいなと思います」


このマップは想像力をかきたてるバーチャル空間

「ペラペラな紙にしたのは気軽に書きこんで使ってもらいたいから」と乙川さんは言います。「描きこみすぎないようによく考えて企画しました。ここは知ってほしい、ここは外せないとみんなで話し合って。阿佐ヶ谷の地図に水路跡は必須ですね」
なるほど、このマップにはまちの魅力のヒントが散りばめられていて、そのヒントが想像力をかきたててくるのだと納得。制作は地図会社出身の“とみやまみ”さん。まちを歩き、ポイントや道を確認し、マップとイラストは全て手書きです。
エンジンズの面白がる視点と地図のプロの手とが掛け合わされてできたこのマップからは、阿佐ヶ谷の魅力的なバーチャル空間が立ち上がってきます。これが本来地図の持つ力だと思い出させてくれる、そんなマップになっています。


まちの部活“地図部”活動中

「地域の方達に、マップを作ったよとお知らせしたところ反響が多く、また、このマップが欲しいというだけではなく、もっとこういう地図も欲しいなという反応もありました。地図的なものを作ってみたい人は多いと思う」と乙川さん。「作りたい人は使いたい人。使いたい人は作りたい人。便利な地図は世の中にたくさんあるけれど、ワクワク感は他のマップには負けない」と自慢げです。
エンジンズでは、このマップ発行の反響を受けていろいろな人がマップ制作に参加できる地図部を立ち上げ、次のバージョンの地図制作を準備中です。日々見ているもの、観察している視点は人それぞれ。自分が面白いと思えるものをワイワイと作る地図部の活動は阿佐ヶ谷というまちに似合います。
地図部員の太田さんは「全力で遊ぶのは案外難しいものです!でも阿佐ヶ谷の人は遊び上手が多い。仕事はもちろん真面目にしますが、遊びも真面目」と部活が楽しそうです。


いつもの阿佐ヶ谷マップの楽しさはみなさまの足で

地図部は昨年、みんなで歩きながらやさしさを感じるスポットを探すイベントを開催しました。
イベントに参加したビーンズの高木さんは「例えば、一個だけ柿の実が残っていた木にやさしさを感じることができたり、おしゃべりしながらみなさんと一緒に歩くと自分一人では気づかないことが見つかります。地図部と歩くとホントに楽しい」とすっかり地図部の一員です。次のバージョンの地図には少しテーマごとの情報を加え、さらに阿佐ヶ谷のやさしいスポットが加わりそうですよ。
名所だけ巡る観光マップとは一線を画す、遊び上手が多い阿佐ヶ谷に似合うマップはこうやってできあがっていきます。その阿佐ヶ谷の面白さはぜひみなさまの足でお試しください。そしていつもの阿佐ヶ谷マップはどんどんまちに広がっています。
その様子は後編でお届けします。


・施設名称 ビーンズ阿佐ヶ谷
・所  在 東京都杉並区阿佐谷南3-58-1
・アクセス JR中央線・総武線 阿佐ケ谷駅直結

取材編集/くらしづくり・まちづくり室


株式会社エヌキューテンゴ 地図部部員
乙川 おとかわ 貴絵 きえ

株式会社エヌキューテンゴ勤務。「他人とほどよくいい感じに生きる」のがここ数年のテーマ。阿佐ヶ谷エンジンズでは地図部の他、他人の好きなモノやコトの話を聴いて買い取る、偏愛買取所の活動など。好きなまちあるきのテーマは路上園芸。特に変なものに植えられた植物を見るのが好き。

齊藤志野歩さんのプロフィールはこちらからどうぞ

まち建築企画設計サークレット代表 阿佐ヶ谷等の団体所属 地図部部員 太田 おおた 剛寛 たけひろ

山手線の少し西が故郷。本来建築家とは、「建物だけでなく社会のこともやるもの」という信念の下、コミュニティデザインやファシリテーションを学んだ後、建築物等の長寿命化やリノベーションを行う会社に就職。2011年頃から杉並区を中心にまちの活動を開始。2019年3月に独立し、阿佐ヶ谷に一級建築士事務所を開設。東京の便利さの上に、地域性やまちのつながり、日常の楽しさ、暖かさ、豊かさをさらに盛ろうと日々奔走中。

ビーンズ阿佐ヶ谷の高木さん、町田さんのプロフィールは後編でご紹介します


関連リンク

ビーンズ阿佐ヶ谷 : https://beans.jrtk.jp/asagaya/

阿佐ヶ谷エンジンズ : https://asagaya.tokyo/

(この記事は当社webサイトから再掲したものです)