コロナ後中国の「復讐式消費モード」とは?

新型コロナウィルスの感染で全世界の経済が止まり、人類活動がストップしたと言っても過言ではないかと思います。旅行業、飲食業など、リーマンショック時よりもいろんな業界への打撃が強いとも言われている中、一番心配されているのは間違いなく経済の回復かと思います。

1月末からコロナ感染ピークを迎えた中国は3ヶ月の封鎖してから、ようやく少し状況が落ち着いた今、いち早くの経済活動を再開しようとしています。今回の経済回復は中国政府の動きをみていると初めてほんとに国全体の「一心同体」と言えるくらいの活動をしていると感じました。まずは武漢の経済を回復しようと国家テレビ局である中央テレビ(下記CCTVと呼びます)は初めて国家レベルのアナウンサーを起用し、KOLと共に様々なチャリティーライブコマースを行い、経済回復に努めています。一番有名なのは4月6日ライブコマース第一人者である李佳琦AsutinとCCTVの国家レベルの「段子手(文才が優れていて、中国の漫才用語を上手く熟せる人)」と言われているアナウンサー朱広権ペアである「小朱配奇」によるチャリティーライブコマースです。

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データの統計によると130分の中継で1091万人が視聴し、累計視聴回数1.22億人で、合計売上高4014万元(約6.4億円)でした。

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それ以外でも、CCTVアナウンサーがCCTVのTiktokアカウントでライブコマースを行ったり、芸能人もKOLと組み、いろんな経済回復ためのチャリティー活動に貢献してます。

さて、これからの中国経済はどう回復され、全世界の経済へどのように影響を与えていくのでしょうか?中国ローカルの記事を調べ、現地の人たちのインタビューによる中国国内の動きを自分の考えを入れながら、解説してみたいと思います。

2003年のSARS時も今回と同じく中国経済へ大きく打撃を受けました。経済活動何ヶ月が止まった後に開放的な消費をしていたことがわかります。溜まった消費欲を一気に開放的に消費することが「復讐式消費」といいます。

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では、SARS後と同様に、今回の新型コロナウィルスも同じく「復讐消費」を迎えるのでしょうか? 

答えは「ない」とのことです。

なぜ?

2003年の時はネット普及率が低く、ウェブショッピングも始めたばかりの頃でしたので、家に引きこもっているとやることなく、とても退屈でしたこともあり、SARS後に復讐式な消費に至りました。

コロナの場合は

1月末からコロナの影響で、旅行、飲食業への打撃が大きいですが、ネットコンテツの多様化、またネットショッピングの普及により、自粛していた日でも家でいろんなことを楽しめていました。コロナが終わった後に、ある程度の消費は上がりますが、SARSの時と比べるとあるいは復讐式な消費行動の期待はないだろうと言えるのでしょう。

一方、2013年から中国の海外旅行人数は右肩上がりに増えていて、2019年の海外旅行人数は1.6億人を超え、同期比14%の成長率でした。2003年と比べて、モノより自己表現できる旅行を我慢している人が多いので、「復讐式な旅行」が待っているの可能性が高いと予想されます。

5月5日、3ヶ月以上封鎖された中国は一刻も経済回復を向けて、上海では「五五购物节(買い物フェスティバル)」を行っていました。0時にスタートしてから6分で1億元(約16億円)を超え、その日合計消費額は156.8億元(約2兆円)でした。アリババのウェブスーパー「盒马鲜生」は朝の10時で完売し、それ以外に特に話題を上げていたのはCtipです。旅行業の回復に向けて、Ctipは10億元(約160億円)の割引額を用意し、4割引きで5つ星ホテルの販売などでフェスティバルを盛り上げてました。旅行商品の売れ行により中国国内の旅行が既に起動されています。

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Weibo旅行では、「コロナ後一番行きたい場合」のアンケート取った結果、海外だと「日本」は常に1位になってます。2020年下期の海外旅行先ランキングは1、日本 2、タイ 3、韓国と予想されてます。

なぜ全部アジアでしょうか?そしてなぜ日本とタイか1位と2位を占めているか?

中国国内旅行で一番最初に回復されたところは海南島の三亜です。また中国国内では年内に旅行先ランキングで挙げられてきたのは雲南、新疆とチベットです。ここで気づいた方もいらっしゃると思います。そうです!自然な場所がみんな行きたい場所です。そこで繋がったのは2位となるタイです。タイは元々中国人海外旅行先ランキング1位、2位に選ばれる場所であり、さらに今回のコロナ疲れによる精神的に癒やされたい人ばかりです。

では、なぜ1位は日本でしょうか?

理由1:中国のコロナ感染ピーク時の1月末に中国に対して、いち早くの助けの手を伸べたのは日本でした。各企業や地方自治体が中国への寄付と応援メッセージが中国のウェブを通じて多くの感動を与えてました。中国人は「雪中送炭(雪の降る寒い時に暖の元となる炭を送ってくれた」恩恵は必ず返すという教えを受けているので、2月の時から「コロナ終わったらみんなで日本に恩を返しに旅行に行きましょう」とコメントが寄せていました。

理由2:日本は優位な地理条件にあります。上記に述べたように、コロナの影響による経済の影響が大きく、「復讐式な消費」をしないことです。欧米旅行は時間的に、金銭的にもかかるからです。また、復讐式な消費が来ないと言っても、外に出て買い物したい気持ちはやはりあるため、ラクジュアリーブランドより、生活に関わる消耗品で有名なブランドが集まっている、かつ行きやすい日本が必然的に1位に選ばれます。

理由3:コロナの原因による人種差別問題がさらに目立っています。特に欧米では中国人を見た瞬間に殴るケースも多々発生していました。欧米に遊びに行くと、人身の安全が襲われる可能性があると思ってる方が多いようです。欧米と比べ、中国人を恨む日本人もいるかもしれませんが、日本は礼儀の国であり、日本人は「好きじゃない」とそう思っても、著しいエモーション表現を公的な場でやる人は少なく、自分の安全が守られるからです。

国境が封鎖されてから、4月の訪日客は99.9%減、2900人となり、元々観光客の半数以上を占める中国の訪日客が200人でした。経済回復するには国民の努力以外に他国の感染状況をみながら、国民を守りつつ国境を再開していかないといけないと思います。日本経済新聞によると、すでに3段階を分けて入国制限緩和を検討の着手しているようです。まずはビジネス客と研究者を対象とし、次に留学生、最後に観光客とする順だそうです。感染状況をみながら早くて夏休み、遅くて中国の国慶節では徐々にインバウンドの回復されることを期待できるかと思います。

インバウンドだけでなく、中国全国の経済回復の動きの内容を参考し、地方自治体や企業のみなさんのいろんなマーケティング政策に役に立てれば嬉しいです。

コロナ感染の拡大は誰が望んでいることでもなく、コロナを通じて、すべてのことは両面性があることを改めて思いました。人類活動がストップかけられたと同時に、少し感謝したい部分もあります。 正解を探すより、哲学を持ちながら周りをもっと大切に、もっと自分を愛していくことを思って、これからの日々を送りたいと思います。

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