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JFPジェンダー格差・労働実態調査

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2021年から開始したJFPによる、日本映画界のジェンダー格差・労働実態調査の資料をまとめています。
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#ジェンダー

日本演劇領域におけるジェンダー調査2023冬

2023年12月12日に、日本演劇領域のジェンダー調査2023が公開されました。

「ジェンダー公正へ向けて~JFP 調査から見えてくるもの」JFP調査寄稿文:須川亜紀子

「日本映画業界の制作現場におけるジェンダー調査2023年冬〜実写邦画・アニメ映画編〜」の発表に合わせ、須川亜紀子先生から寄稿文を頂きました。 日本の映画産業は、男社会と言われ続けてきた。ジェンダー平等が叫ばれて久しい現在でも、その状況の劇的変化はない。そうした中、JFPが行っている制作現場におけるジェンダー差を数値として可視化する試みは、非常に意義深い。  「日本映画業界の制作現場におけるジェンダー調査2023」の結果をみると、女性スタッフの比率は「照明」部門では1%アッ

日本映画業界の制作現場におけるジェンダー調査2022

2022年7月5日に外国人特派員協会で記者会見が実施され、日本映画界のジェンダー調査2022が公開されました。 JFPでは、2021年秋から2022年夏にかけて、以下の調査を実施しました。 ▼日本映画業界の制作現場におけるジェンダー調査2022 ▼映画業界のジェンダーギャップ調査2022〜映画界の職能団体編〜▼有識者からの解説:田中東子・鷲谷花▼映画現場の女性スタッフへの匿名インタビュー

(1)田中東子(東京大学大学院情報学環):JFP調査2022、有識者による解説

1992年。 大学生だった私は、映画製作の現場に飛び込んでいた同級生の男の子に、「映画業界って、なんで男ばっかりなのさ」と従来からの疑問をぶつけてみた。すると彼は、「映画っていうのは大人数を率いて作るわけ。女に集団の指揮を取れるわけないじゃん」と答えたのだった。  未来を担う若者までもがそんな認識なのかと呆れつつ、「この業界は先細りしていくな……」と直感してから、今年でちょうど30年が経つ。映画業界が先細りしているかどうかはともかく、30年前から現在に至るまで、女性の参入が