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誤嚥性肺炎をテーマとした取り組み

病院総合医チームでは誤嚥性肺炎をテーマとした勉強会を開いてきました。その軌跡をご紹介させていただきます。

初めて誤嚥性肺炎をテーマとした企画は若手病院総合医カンファレンスの記念すべき第1回でした。 

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詳細な内容は下記のプライマリ・ケア連合学会 病院総合医委員会のページ(こちら)に森川先生がまとめてくださっています。

「誤嚥性肺炎」の診療は急性期治療から嚥下機能評価を含む高齢者総合機能評価(CGA)、アドバンスケアプランニングまで含む総合医にとって重要な疾患であると自分が認識しだしたころに、企画メンバーみんなが同じような考えをいだいていたことにうれしくなったことを今でも思い出されます。
実はこのカンファレンス、誤嚥性肺炎をテーマにすることを告知していませんでした。企画したメンバーのなかでは誤嚥性肺炎が大切な疾患だという共通認識ではあったのですが、それが病院総合医に興味を持つ若手に響くのかどうかまだまだ不安な一面があったのだと思います。
そんな心配をよそに参加いただいた先生がたからも好評で、誤嚥性肺炎をテーマとした企画が発展していくこととなりました。

2019年秋期生涯教育セミナーで「病院と在宅で総合診療医が診る誤嚥性肺炎」をテーマとしてワークショップを開催いたしました。


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こちらに森川先生が報告してくださっています。

前回の勉強会でニーズが高まっていることを確認できたので「誤嚥性肺炎」と大々的に取り上げることができました。日常診療で誤嚥性肺炎診療に熱心に取り組まれている方々に多く参加いただき満席となりました。

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森川先生の嚥下機能評価の実践ワークショップに参加者の方々が熱い視線を送っていたのが印象的でした。


このワークショップをきっかけにさらに仲間が増え、「誤嚥性肺炎に対する包括的介入」というテーマで完全オンライン開催となった第11回日本プライマリ・ケア連合学会各術大会の教育講演を行いました。

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直接顔を合わせることは叶いませんでしたが大浦先生のMultimobidityの視点での考え方は一緒に参加したメンバーにも響いていたことを画面を通して感じました。
Multimobidityについてはこちらの連載(ケースで学ぶマルチモビディティ:医学書院)が参考になります。


3回の誤嚥性肺炎をテーマとした企画を通して、誤嚥性肺炎の歴史、医学的問題、総合診療、臨床倫理の問題から医療経済的なインパクト、Multimobidityの視点と深まりをみせました。

今後は書籍化、また森川先生が中心となって走り出した日本プライマリ・ケア連合学会が主催する誤嚥性肺炎の多職種連携スキルアッププログラム Japan Aspiration pneumonia inter Professional team Educational Program (JAPEP)と続いてきます。

このように興味を抱いた一つのテーマをチームで盛り上げていけるのも同じベクトルを持ったメンバーが集まるこの若手病院総合医チームのよさだと感じています。


(文責:官澤洋平 社会医療法人愛仁会 明石医療センター 総合内科)


※当記事の内容は、所属する学会や組織としての意見ではなく投稿者個人の意見です。
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