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病院総合医のキャリア紹介:施設の枠を超えた学び・活動・交流のススメ

当チームの代表を務めております,聖隷浜松病院総合診療内科の本田優希と申します.
現在卒後9年目ですが,私のキャリアの中で,所属施設の枠を超えた学び・活動・交流が1つの重要な要素になっていると感じています.
今回はそんな視点から私の病院総合医としてのキャリアについて書いてみます.

施設の枠を超えた学び

総合診療医,病院総合医の得意分野をスペシャルインタレストと呼ぶことがあります.
感染症や膠原病,緩和医療といった医学の専門領域,診断学や医療の質改善,経営,教育,研究など,人によって様々なスペシャルインタレストがあります.

その学び方も,院内外での短期研修やフェローシップ,大学院など様々な形があります.
一度病院総合医としての仕事から離れて短期間集中的に学ぶことも,病院総合医としての仕事を中断せず並行して時間をかけて学ぶことも,考えられます.

ここでは,私のスペシャルインタレストとして「臨床研究」と「教育」についてどのように学んできたか紹介します.

後期研修を終えた卒後6年目のときに,京都大学の臨床研究遠隔学習プログラム「CLiP Extension」に参加しました.
臨床研究の基礎を,レクチャーとサンプルデータを使った解析,ワークショップを通して系統的に学ぶ1年間のコースです.

現在は社会人大学院生として,臨床医としての勤務と並行して大学院で少しずつ研究を進めていますが,「CLiP Extension」で学んだことがとても役に立っており,大学院に入る前に参加して本当に良かったと感じています.

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また,卒後7年目のときに,こちらも京都大学の「現場で働く指導医のための医学教育学プログラム FCME」に参加しました.
医学教育のFaculty Development(指導医養成)のコースで,全国から様々な属性(地域,年齢,性別,診療科,役職,勤務施設…)の受講生が集まり,各自の教育実践を振り返り,レクチャーやワークショップ,対話を通して学ぶプログラムです.

前任地の獨協医科大学で教員として働いていたときに受講したため,FCMEで学んだことを現場で実践する機会がたくさんあり,教育実践と理論を学ぶことができました.
医学教育を学べたことのみならず,様々なバックグラウンドを持つ同期の先生方や講師の先生方との対話を通して,自分が医療という限られた世界の中でもさらに狭い領域,価値観でこれまで過ごしてきたことがよくわかり,視野が広がりました

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いずれも,病院総合医としての仕事を続けながらオンライン+短期間の集合型学習で学ぶことができ,大変でしたが,私のスペシャルインタレストとして現在の仕事や興味・関心,今後の展望に大きく影響しています.
これらの領域をしっかり学びたい方にはオススメのコースです!

施設の枠を超えた活動・交流

私が所属施設の枠を超えた活動・交流に関わるようになったのは,卒後3年目に東京都の練馬光が丘病院で後期研修を始めた頃からです.
それまで地方の大学や臨床研修病院で過ごしてきた私にとって,東京での研修は,院内のレクチャーやカンファレンスに著名な先生が来られたり,院外の勉強会へのアクセスも良かったりと,新たな出会いの多い日々でした.

そんな中で,様々な勉強会施設の枠を超えた活動に参加したこと,外部講師の先生とのつながりができたこと,が私のその後の働き方や興味,キャリアの展開に強く影響したと感じています.
そして様々な機会を提供してくれた指導医にとても感謝していますし,今は自分が指導医の立場になり後輩たちに機会を提供できるようにありたいと考えています.

私がこのチームに参加するきっかけとなったのは,前々代表の森川暢先生からお声がけ頂いたことです.
森川先生と知り合ったのは,「関東若手医師フェデレーション」という団体を森川先生が立ち上げたときにメンバーに入れてもらったときです.
関東若手医師フェデレーションの立ち上げに参加したきっかけは,東京GIMという勉強会に参加して志水太郎先生にご挨拶したときに森川先生を紹介してもらったことです.
東京GIMで志水先生にご挨拶したのは,当時の指導医であった小坂鎮太郎先生から紹介してもらったからです.
…とつながっていきます.

チームのMission&Vision "病院総合医(病院での総合診療)の価値を社会に発信し、これを志す若手の道標になる" に共感する全国の仲間と一緒に活動ができ,少しずつですがやりたいことがやれていて楽しいですし,思いがけず自身のキャリアの次なる展開につながるチャンスやアイディアが得られることもあったりします.

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チームのzoom飲み

学会活動のみならず,勉強会で知り合った同学年の総合医の友人たちとZoom飲みをして近況報告や研究の話をしたり,その中でアイディアや新しい経験が生まれたり,といったこともあり,そういったつながりに感謝しています.

施設の枠を超えた学び・活動・交流のススメ

大規模な研修プログラムや総合診療部門に所属していない方は,総合診療に携わる同世代の仲間が身近にあまりいないこともあるかと思います.

様々な事情で働く場所は変えづらい方もいると思いますが,オンライン・遠隔の勉強会や学会,特定の領域について通常勤務と並行して学べるカリキュラム,施設を超えた交流の機会なども増えています.
無理のない範囲で施設の枠を超えた学びや活動,交流に参加すると,知識や経験,アイディアを得る機会,つながりが増え,新たな楽しさがあるのではないかと思いますし,キャリアにも新たな展開が生まれるかもしれません.

私たち病院総合医チームは新たなメンバーを歓迎します.
興味があればぜひご連絡ください!

(文責:本田優希 聖隷浜松病院総合診療内科)

※当記事の内容は、所属する学会や組織としての意見ではなく投稿者個人の意見です。
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