【市場分析】ポケカ環境分析

トレーディングカードバブルとは?

現在、トレーディングカード市場が拡大を続けています。日本玩具協会が2022年6月に発表した調査によると「カードゲーム・トレーディングカード」の市場規模は、新品の売り上げベースで1782億円、前年度比45.6%増で過去最大となりました。

この背景として様々な理由が指摘されていますが、我々は大きく次の2つの理由に分けられると考えています。

①大規模金融緩和の影響
コロナ禍に端を発する世界的な大規模金融緩和により中央銀行が供給したマネーが世の中に溢れかえりました。このマネーは様々な投資商品に流れ込み、株式、不動産、債券、ありとあらゆるものの価格が上昇し、行き場を失ったマネーは実物の価格まで押し上げ、2023年現在はインフレが世界的に意識されるようにまでなりました。

そして、マネーの流入は金や宝飾品だけでなく、絵画やスニーカー、トレーディングカードにまで及び、従来一般的ではなかったものを投資商品にまで押し上げることとなりました。トレーディングカードの価格が高騰した背景として世界的な金余りと実物商品への流入は大きなファクターと言えるでしょう。

②コレクター志向の高まり
人間というものは衣食住が満ち足り、さらに金が余ってくると自分の幸福度を高めるために金を使います。それがさらに金を増やすことなのか、宝飾品なのか、絵画なのか、高級自動車なのか、対象は当然人によって異なりますがいずれにせよ共通しているのはそれらは自分は特別な人間なのだ、と思わせてくれることです。
近年、トレーディングカードをそのような対象としてとらえる向きが強くなってきており、カードで実際に遊ぶよりもレアなカードを収集して楽しむ、という需要が大きくなっています。これは有名インフルエンサーの煽りによってさらに加速し、トレーディングカードを玩具から収集品に押し上げたと考えてよいでしょう。

トレーディングカードにおけるポケモンカードの立ち位置

さて、ここまででトレーディングカード市場全体が高騰していることとその背景について記述してきましたが、それでは我らがポケモンカードはトレーディングカード市場においてどのような立ち位置にいるのでしょうか。

結論から言うと、ポケモンカードは数あるトレーディングカードの中で最も投資商品として優れていると考えています。

一点目は市場規模の観点。ポケモンカードは歴史が長く、2021年度時点で世界累計販売枚数は約432億枚に至っています。そしてプレイヤー層の平均年齢も高く、大きなセカンダリー(中古)市場が形成されています。

二点目は流動性の観点。ポケモンカードにはレギュレーションと呼ばれる概念があり、こちらが変更になると大会で使用できるカードが変ります。これに伴い、今まで売られていたポケモンカードは絶版することとなり、供給量が限定されます。絶版したカードは今まで売られていた分しか世界に存在しないことになります。このカードを購入するためにはセカンダリー市場にアクセスするしかなく、代表的なカードショップであるmagiは一日で1000万の売り上げをあげて話題となっていました。このようにポケモンカードはセカンダリー市場が成長しやすい構造を持ち、売買において流動性が形成されやすいと言えます。

さらに、2023年に世界大会が横浜で開催されることもあり、今後も注目が続くと考えられています。

トレーディングにおいて重要な二つの要素


先ほど挙げた市場規模と流動性の観点は、実はトレーディングにおいて非常に重要な要素となっています。流動性がなければ自由に売買できず、ある程度の市場規模がなければ収益を獲得することができません。
当然、他にも必要なファクターはありますが、ひとまずポケモンカードはトレーディングカードの中で最も投資に適していると認識してよいでしょう。

以上。


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