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谷崎潤一郎 長編「卍」 朗読 斉藤範子

有名な作品なのだろうけれど、これも予備知識なく聞き始めた。契約のあるうちに他の何本か聞こうとしたが、斉藤範子さんのナレーションの魅力でこれを聞いた。

主人公の女性が、先生に事件の顛末を語る小説。先生というのはハッキリ分からないけれど、弁護士か何か信用のおける懇意の人物のようだ。女性が話す大阪弁を書き落としている小説なので、大阪弁に慣れていない僕にはAudhibleの朗読が最適だった。僕は京都弁と大阪弁の区別がつかないので、女性が話すこともあり最初は京都弁だと思った。

テーマは、そういう特別な恋愛や、道ならぬ恋や、複雑などろどろした世界の話ではあるけれど、推理小説めいている。順追ってよく聞いておかないと、一度聞いて腑に落ちないことがあった。特にその29の段から最後の33の段までは、余裕をもって頭をクリアにして鑑賞するといいと思う。