【マスターデュエル】蛇眼を通して考える、遊戯王で勝つための一番シンプルな考え方【初心者向け】

イントロダクション

遊戯王って難しくないですか? 僕はマスターデュエルから遊戯王を始めたゴリゴリの新参者なのですが、特に最初の頃はなんで勝ったのか、なんで負けたのかとかも良く分かってませんでした。

大体、カードの名前も効果も曖昧だし、読んだところで何が起きるかわからんし、じゃあ僕は何したら良いんだよ、ってなってました。未だにそうなります。

ライフを8000削ったら勝ちなのは分かります。じゃあ、どうやって8000削るんだよ、となると急に複雑になります。意味わからんし。

実際、たとえば将棋をする時に「王をとるぞ~!」と考えてる人はいませんよね。「このマスを攻撃できる駒を増やすぞ~(筋を厚くするぞ~)」とか「歩を犠牲にして飛車を取るぞ~(駒得を作るぞ~)」とか考えてるわけです。

つまり、「勝つ」という目的を考えると複雑になっちゃうので、「勝ちはしないけど、少し有利になる」行為をモジュール化して、思考を簡単にしているわけです。

遊戯王でも似たことができるんじゃないか、というのがこの記事の趣旨です。ここまででなんとなく分かった賢い人は、この先全部蛇足なんでもう読み終わってもいいと思います。

この記事を書いたきっかけ

スネークアイは初心者にオススメできない

もうちょっと昔、信じられないかもしれませんがスネークアイ・エクセルが3枚使えた神の環境がありました。当時はまだ炎王も来ておらず、リトルナイトもいないためR-ACEもなんだかイマイチで、それ故にスネークアイは最強デッキでした。本当に最強だったんですよ。

これに関しては記事も書きました。

僕が本当に「遊戯王上達したな」と感じたのは、純スネークアイを使い始めて、勝ち方が分かったときでした。なので、僕はこの記事を書いた時「初心者でも使いやすい」と堂々と書いています。(????)

ところが、noteでぱらぱらと遊戯王の記事を読んでいたらこんな記事が。

すごく要約するんですが、この中に初心者からすると、【スネークアイ】とかいうデッキは難しすぎる、という内容が書かれています。

僕はマジで、かなり、心の底から反省しました。

なーにが「初心者でも使いやすい」じゃ。「マスターデュエルから遊戯王始めました~☆初心者です~☆」ちゃうぞ。電脳堺回してたやつはもうれっきとした古株だぞ。少なくともカード知識は確実に「ある」側になっているはずです。

僕は自分の練度の低さを「初心者」と言い訳しているうちに、本当に始めたての初心者の気持ちを忘れていたというワケ

こちらの記事を書いたまにわさんは、かなり賢い方とお見受けしました。文章も理路整然としていて読みやすいし、スネークアイを使って勝てない理由も、かなり丁寧に分析されていて、かなり深く考えてプレイしているんだろうな、と想像することしきり。

こんだけ賢い人でも「難しい」というデッキを初心者向けとか言ってたんですよ。マジで反省したほうが良い。反省します。反省してこの記事を書くことにしました。

懺悔セクション

【スネークアイ】の使い方

で、一旦この懺悔セクションではまにわさんの記事で書かれていた「【スネークアイ】が弱い理由」に対して、いくつかアンサーとなる内容を記述していきます。是非まにわさんの記事を読んでから、お目通しいただければと思います。

一旦、まず前提として今の【スネークアイ】は最強デッキではありません。なんなら環境デッキの中では中位~下位くらいかも。

かつて最強だった当時のリストがこれ。

1枚初動、脅威の13枚

もう見るからに強そう。誰がどう見ても強い。リトルナイトとレイジングフェニックス実装前なのでリンクモンスターたちが少し貧弱ですが、それでも誘発の量も安定感もすごそうです。

で、今の【スネークアイ】がこれ。

1枚初動4枚も減らされました。

よ、弱そ~~~~!

もうどう考えても【炎王】と混ぜたほうが強いと思いますし、なんならリトルナイトも入れてフルパワーになった【R-ACE】とかが最強だと思います。「いま純構築の【スネークアイ】使ってるやつは全員バカ」ってひろゆきとかが言ってた気がするもん。

そんなわけで、今の【スネークアイ】は最強だったころとは話が変わっています。「ああ、これは最強時代の話をしてるんだな」「これは今の話なんだな」とふんわり察しながら読んでいただけると幸いです。

誘発に弱い?

しかし実戦においては、日常的に飛んでくる手札誘発《増殖するG》《灰流うらら》《無限泡影》《エフェクト・ヴェーラー》のどれもが致命的に刺さります

【遊戯王】 なぜ君のスネークアイはそんなに弱いのか? 【MD】

《増殖するG》に弱い。それはマジでそう。ポプルスのサーチ先に《睨み統べるスネークアイ》を入れたり、ディアベルスターのサーチ先に《裏切りの罪宝-シルウィア》を入れたりしない限り、このデッキは止まりどころがありません。うららや墓穴がないと、Gを投げられたら最後、リンクリボーだけ立ててエンドとかしなきゃいけなくなります。これはもう諦めるしかないです。

《灰流うらら》《無限泡影》《エフェクト・ヴェーラー》に弱い。これもそうなんですよね。特にうららは、エクセルのリクルート効果に当てられた時が最悪です。普通にゲームセットの時もあります。泡影やヴェーラーをエクセルのサーチ効果に当てられた時もキツイです。

ですが、これだけの弱点を抱えていても【スネークアイ】は、比較的誘発に強いデッキだと言えると思います。

相剣とか使ったことあれば、あれも《増殖するG》以外の誘発を死ぬほど食らうのが分かるかもしれません。実際のところ、この辺の誘発を食らったら、大体のデッキはできることがなくなり、ゼロ妨害で相手にターンを渡すことになります。

ところが、スネークアイはまだチャンスがあります。たとえばエクセルに泡影やヴェーラーを当てられたとしても、《篝火》や《黒魔女ディアベルスター》を手札に持っていたら、そこから普通に展開してアポロウーサ+マスカレーナまで行くことができます。

また、《灰流うらら》を食らった場合もチャンスがあります。盤面にモンスターが2体さえいれば、《灼熱の火霊使いヒータ》で相手の墓地から《灰流うらら》を奪い、咎姫→アンブロエールで最低限2妨害作ることができます。

もちろん、解決できない手札のときは一巻の終わりです。ですが、これらの誘発の対処法がわかると、対処しなければならない誘発に優先度をつけることができます。

たとえば、手札に《篝火》と《墓穴の指名者》がある状態で、召喚したエクセルのサーチ効果に《灰流うらら》が飛んできたとき。この《灰流うらら》は《篝火》で回避できるわけですから、本当にヤバい《増殖するG》を撃たれないように《墓穴の指名者》は温存して、あえて《灰流うらら》を食らった方が良いわけです。

つまり何が言いたいかといえば、「この誘発を食らったら、こういう展開をする」というパターンを持っておくと、その組み合わせで対処することができ、試合中に考えることを減らせますし、プレイングも単純化できます。

これは他のカードにも言えます。たとえば「相手が【御巫】ならサロスで吸おう」とか「相手がマスカレーナアストラムしてきたらジーランティスで耐性を消そう」とか。有名カードに対して対処法をあらかじめ考えておくと、自分のプレイングに優先順位をつけることができます。

将棋で例えるなら、「相手が棒銀なら、こっちは三間飛車しようかな」みたいな感じ。分かりづらすぎる。

言ってて思ったけどこのプレイングを初心者に求めるの、かなり狂ってますね。誰だよ本当に。スネークアイが初心者向けとか言ってたやつ。

ロングゲームは難しい?

【スネークアイ】の特徴がリソース確保による継戦能力の高さにあるということは、初心者に取って更なる問題を引き起こします。

そう、1回の決闘が異常にロングゲームになりうるのです。

【遊戯王】 なぜ君のスネークアイはそんなに弱いのか? 【MD】

これはね、マジでそう。多少上級者になってきたとはいえ、僕もまだまだひよっこです。知らんカードが出てきたら普通に訳わからんくなります。

試合が長引くということは『判断の回数』が増えることを意味します。どれだけ上級者になろうと、『判断の回数』が増えると、それだけ判断をミスする確率は高くなっていきますし、もしも相手が格上だった場合、長引けば長引くほど、自分の失敗の回数が増えていくことでしょう。

なので、初心者こそゲーム時間の短いデッキ選択をすべきです。まさにその通り。つくづく誰だよスネークアイが初心者向けとか言ってたやつ。

とはいえ、スネークアイは炎属性デッキなので「咎姫ジーランティス」というお手軽ワンキル手段を持っています。レイジングフェニックスが実装され、アンブロエールを使っていた時に比べて要求値は遥かに下がりました。

つまり、スネークアイを使っている人間が考えるべきは、「ライフを8000削る」ではなく、「咎姫ジーランティス」を決める、とするべきです。そうすると、勝ち方がもう少し簡単になるはず。これならば、「相手の妨害をすべて踏み抜いたうえで、盤面に咎姫+炎属性モンスター1体用意する」つまり「リンク値3+炎属性モンスター」の盤面を作る、と、やるべきことを単純に考えることができます。

メタゲームが読めていない?

実戦において、少なくとも現環境でそこまで極端なガンメタが発生する頻度は低いのですが、それでも環境に対するメタゲームを読むことは重要です。

……が、残念ながらこれも初心者にはできません!

【遊戯王】 なぜ君のスネークアイはそんなに弱いのか? 【MD】

それはそう。メタゲームを読むということはカードプールを把握するということ。特に【スネークアイ】は1枚初動が多いため、デッキの自由枠がかなり多いです。ここに積む誘発の枚数は重要です。カスタマイズ性の高いデッキって、むしろ初心者には難しいんですよね。誰だよこのデッキを初心者に(略)

とはいえ、嫌な言い方になるので先に謝っておくのですが、一つだけ言いたいことが。デッキ構築はたしかに重要ですが、カードゲーム界隈には古来より伝わる格言があります。それが「構築見直す前にプレイング見直そう」です。

プレイングで解決できるカードを対策するためにメタカードを積むのは、単純にデッキスロットの無駄です。その枠に初動札や、汎用札を入れたほうがデッキの出力は絶対に上がります。

しかし、特に初心者のときほどメタカードに頼ったほうが思考すべきことが減るのも確かです。マスターデュエルにはそこそこシビアな制限時間があるため、考える量が減るのは単純にアドバンテージになります。でも、長期的に見たら、リプレイを確認して自分のプレイングを見直したほうが有効じゃないかなあ、と僕は思います。ここは諸説あると思います。

結論としては、構築は一旦上位プレイヤーのをパクって、それを使いこなせるようにするのが僕はオススメだよ~という感じ。……初心者に対する要求じゃないなこれ。

デッキが弱い?

構築関連で、「それを言っちゃお終いよ」みたいな話なのですが、初心者の場合そもそも構築に必要なカードが足りてない、ということも結構あるのではないかと考えています。

【遊戯王】 なぜ君のスネークアイはそんなに弱いのか? 【MD】

これは、ホンマに、すまん……。マジでそう。自分が初心者の頃を完全に忘れていました。確かにあらゆるカードがずっと足りなかったことを思い出せます。

僕が上げてた【スネークアイ】のUR枚数分かります?UR、脅威の44枚ですよ。こんなん初心者が組むのは無理があります。マジでこれは僕が悪い。スネークアイは初心者向けじゃない。解散!

リソース勝負とはなにか

【スネークアイ】の大きな特徴はリソースデッキであるということなのですが、まずこのリソースデッキという概念をよく理解していません

(中略)

ところが、【スネークアイ】には制圧や相手ターンの妨害に優れたカードはありません!

【スネークアイ】がテーマとして相手ターン中にやることは、永続魔法化されたモンスターの特殊召喚や、墓地からの蘇生など、とにかく壁や後続を確保すること。相手への妨害は溜め込んだ手札誘発やテーマ外のギミックの仕事です。

つまるところ、割と相手に自由に動くことを許してしまいます。

【遊戯王】 なぜ君のスネークアイはそんなに弱いのか? 【MD】

僕が始めたての頃使っていたデッキは【電脳堺】で、このデッキはVFDというモンスターを出すデッキでした。VFDの効果を要約すると「出したら勝ち!www」です。まじでこれ簡単だった。それに比べてスネークアイのなんと複雑なこと。

リソース。考えれば考えるほど良くわからん概念です。墓地リソース、等とも言いますが、墓地に触るカードがない状態で墓地を増やしても、結局できることは増えません。山札のカードをサーチする効果を使うためには、むしろリソースは山に眠っていて欲しいこともあります。

最初に触れられていたこの項目を最後に持ってきたのは、これが遊戯王を考える時に最も重要だと、僕が思っているからです。

よくカードゲームではアドバンテージという概念を使います。

今更話すことでもありませんが、例えば《強欲な壺》は1枚のカードが2枚のカードになっているので、これはアドバンテージです。逆に、相手の《サンダーボルト》でこちらのモンスターが6枚破壊されたら、1枚のカードで6枚のカードを失ったことになり、アド損です。(ディスアドバンテージというべきでしょうが、カードゲーム界隈ではアド損の方が一般的です)

そんぐらい知っとるわ、舐めんな。と思う方が大多数だと思いますが、逆に言えばこれこそ、このゲームの本質です。

ライフ8000なんて言ってはいますが、現代遊戯王で8000点なんて1ターンで簡単に吹き飛ばせます。だからこそ、先行プレイヤーは後攻プレイヤーにワンキルされないように妨害を立てますし、後攻プレイヤーはその妨害を超えてワンキルするか、できないなら先行2ターン目にワンキルされないように妨害を立てます。

じゃあ妨害って何? と考えると、「相手がしたいことをさせないこと」であり、「相手がしたいこと」とは「アドバンテージを作ること」なわけです。じゃあ、遊戯王におけるアドバンテージとはなんなのか、という話になります。

マナとかシールドとかの概念がなく、なんならフィールドの広さすら制限されている遊戯王において、唯一存在するリソースは手札です。

手札こそすべてなんですよ。遊戯王。

たとえばMTGやデュエマでは、カードを使用するために「マナ(土地)」を支払います。そこで土地破壊や、あるいはランプ(マナブースト)が戦術になるわけです。

ですが、遊戯王で最初に持っているリソースは手札だけです。つまり、遊戯王というゲームを極限まで単純化すると、こちらの5枚の手札を使って、相手の手札5枚を全部無くすゲーム、と言えます。今日はこれだけ言いたかった。もうこれだけ覚えて帰ってください。

こうなったとき、例えば「使えないカード」を持っていることは、それだけで手札が-1枚されていることを意味します。これが上級プレイヤーほど「引いても使えないカード」を採用しない理由ですね。逆に、腐るかもしれないのに入ってるカードっていうのは、それだけ相手の手札を潰せるカードということです。

ニビルなんて最たるもので、あんなん腐ったときは本当に使いようのないクソなんですが、逆に刺されば相手が手札5枚吐ききって作った盤面を、たった1枚の手札で粉砕できる最強のカードになるわけです。だから腐るかもしれなくても入れるんですね。

つまり、妨害の吐きどころを考える時、「このカードは、相手の手札を何枚無駄にできるか」ということを考えることで、複雑な遊戯王が、少しだけ単純になるという話です。

当然、この精度を上げるには相手のカードについて詳しく知っていく必要があり、結構高度なことを要求しています。でも、なんの指標もないまま、とりあえず「サーチっぽいから潰しとけ!」とするよりは考えやすくなるんじゃないでしょうか。

あ、サーチで思い出しました。これは遊戯王豆知識なんですが、良くわからんテーマが相手のときでも「手札コスト要求」「名称ターン1」「サーチ効果」「召喚権使用」このうち3つ以上当てはまるカードに《灰流うらら》を当てると、大体のデッキは詰みます。『「1枚で2枚以上作るカード」をサーチしてくるカード』を1枚で潰したら、実質3枚以上潰したことになるわけですね。

終わりに

スネークアイを初心者向けとか言って、本当に申し訳ありませんでした。特に、わざわざあの量のUR生成してしまった方がもし居たら、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。なんかこれ言ってるだけ感あるな。申し訳ないという気持ちだけは本物。届け、この思い。(こういう文章が良くない)

反省の意を込めてこの記事を書きました。そのうち、パーツの殆どを流用した炎王スネークアイの記事とかも用意する予定です。予定とか言ってると書かないんだよな僕。面倒くさがりだから。

えー、そんなわけで本記事は終わりです。

この手札理論でデュエリストカップ勝ちまくって、それで得たジェムで足りないカードを作ったりしていただけたら救われる思いです。ほんまか?

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