リモートワーク中心の企業がオフィス拡張。狙いは質の高いコミュニケーション
以前よりリモートワークに取り組んでいたジョイゾーは、オフィスに出社可能なメンバーも含め、コロナ禍で完全リモートワークになりました。それまでに培ってきた経験やノウハウに加えて新しいツールを導入するなど、基本的にはスムーズに業務を進めています。
そんなジョイゾーが10月1日から、これまでよりも広いオフィスに移転しました。リモートワークのよさを理解しつつも、オフィス新設に踏み切った理由は「コミュニケーション」。
オフィスを単なる働く場所ではなく、新しい形のワークプレイスにしていきたい。今回のnoteでは、その背景を紹介していきます。
リアルだからこそ得られるコミュニケーションがある
ジョイゾーが完全リモートワークに移行してからも、業務は問題なく進んでいました。ただ、リアルコミュニケーションの遮断により、「直接会うからこそ得られるもの」が見えてきました。
特に、最近は社員やアルバイトなどの従業員が増えており、今年だけでも11人の増加です。毎月誰かが新しく入社するといった環境では、同じ場所にいることで得られるものが重要だと感じるようになりました。
例えば、リモートワークで実現が難しいのが「気軽な雑談」です。コロナ禍が始まった当初から言われていたことではありますが、癒しとしての雑談ではない部分にも価値があると感じています。
新卒や中途で入ってきた人たちが、周囲の雑談から企業文化や仕事の進め方などを学ぶケースは多々あります。リアルであれば、「自分に関係のない話」や「他チームの話」が聞こえてくる状況があり、時には会話に入れてもらえることもあります。
また、ランチや仕事の後に食事に行く中で、リラックスした状態でアドバイスをもらったり、相談をしたりもできる。そんなカジュアルな環境は、やはりリモートワークでは得られません。
リアルとリモートの融合はこれからの時代にマスト
リモートワークでも業務は遂行できますが、このままずっと完全なリモートワークになることはないでしょう。リアルとリモートが融合するハイブリッドなスタイルになっていくはずです。
そもそも、「リモートワーク」は目的ではありません。目的は事業をうまく回すことで、リモートワークはひとつの手段にしか過ぎないのです。
私たちの「ENJOY YOUR WORLD.」というキャッチコピーを体現するためには、コミュニケーションが重要な要素となります。コミュニケーションを円滑にするために、適切な手段を選ぶだけです。
目的を実現できるなら、リアルでもリモートでもどちらでもいい。コミュニケーションが取れるならリモートでいいし、リモートが苦手ならオフィスに出勤すればいいのです。
GoogleやAppleなども、オフィス勤務に回帰しつつあり、リアルとリモートのハイブリッドなワークスタイルに移行しています。
リアルコミュニケーションでなければ、新たなイノベーションを促進しづらいという考えなのでしょう。アメリカの例がすべて正しいわけではありませんが、私たちジョイゾーも同じように考えています。
リモートワークに必要なスキルはアウトプット力
リモートワークをする上で大事な要素があります。アウトプット力です。
自ら発信したり多くの人に話しかけたりするだけでなく、一緒に仕事をしている人に質問をする、仕事の悩みを相談するのもアウトプットのひとつ。自ら質問や相談ができなければ、仕事の悩みや疑問点、不明点などを周囲が把握できません。
ただし、積極的なアウトプットの苦手な人がリモートワークに向いていない、というわけではありません。
リモート環境では、相談したいときに「相手がいま仕事に集中しているから邪魔してはいけないかも……」と思って声をかけられない人もいます。
ジョイゾーでは「oVice(オヴィス)」を導入することで、各メンバーの状況を可視化できるようにしていますが、このような悩みを持つメンバーは存在します。
まず気軽に相談ができるようになるには、気軽に話しかけられる関係性を作ることが重要です。そのためには、普段から他愛もない雑談などのコミュニケーションを通じて、お互いを知ることが近道です。有効な手段の一つが、リアルでのコミュニケーションを増やすことだと考えています。
そうやって、心理的障壁が低い関係性を作り、質問・相談をストレスなくできるようなアウトプット力を付ける。そのうえでリモートワークをしたいのであれば、リモートワークの日を増やしていく。そのようにスキルを上げていくとよいと思います。
新オフィスはラウンジを活用して、自由に使ってほしい
新しいオフィスは単なる「働く場所」ではなく、メンバーが働く場所の数あるワークプレイスのひとつだと捉えています。
リアルなコミュニケーションだからこそ生まれるアイデア、気づきをどんどん生み出していってもらいたい。SIerとしてお客さまに対して一歩先の提案をしていくためにも、脳に刺激を与える場にしていこうと考えています。
レイアウトは、Web会議に使える2つの会議室と動画配信のできるスペース、カフェのようなフリースペースやバーカウンターのあるラウンジ、それから、トレーニングスペースなどもあります。
別にある執務スペースで集中して作業し、気分転換にラウンジで仕事をし、そこで食事や雑談をするイメージです。近い将来にはリアルとオンラインを掛け合わせたハイブリッドなイベントなども計画しています。
お客さまにも、ぜひオフィスに来ていただきたいです。コロナ前までは、サイボウズのオフィスのカフェスペースをお借りして、システム39の対面開発を行っていました。近いうちに以前のように、カフェ感覚でリラックスして、同じ画面を見ながら対面開発ができるといいですね。
大事なのは「楽しく働けているか」
ジョイゾーでは個々が自律して、「個人のパフォーマンスを最大化すること」を重要視しています。オフィスによる雑談が増えても、すぐにはパフォーマンス向上に繋がらないでしょう。人によっては効果的かもしれませんが、ムダなことかもしれません。
もしパフォーマンス向上に繋がっていれば、半年後に結果として跳ね返ってきて、その時に間違いがなかったとわかります。思ったよりも伸びていなければ、取り組みに課題があると判断して次の改善策をとればいいだけです。
リアルとリモートのハイブリッドな働き方をすれば、フルリモートで働いている地方在住のメンバーに対して、情報格差は必ず生まれます。そのようなエラーを認識しながら、徐々に調整し、トライアンドエラーを繰り返しながらフレキシブルに対応していくのが最適解だと考えています。
今年、新潟の長岡市にサテライトオフィスを開設しました。これは地方のメンバーが東京のオフィスに来るのではなく、東京や他の地方のメンバーが気軽に新潟に行き、現地のメンバーと交流が取れるようにという意図があっての開設でもあります。
来年は札幌で新卒社員を1名採用し、札幌のメンバーも増えてくるので新たなサテライトオフィスの開設も検討しています。
新しいワークスペースとしての新オフィスを中心に「ENJOY YOUR WORLD.」を実現する場所になるよう、さまざまなトライアンドエラーをして、改善を続けていきます。
四宮靖隆(しのみや・やすたか)
(株)ジョイゾー代表取締役社長。サイボウズのkintoneビジネスにコミットし、Mr.kintoneとの呼び名も。SIを再定義し、仕事も人生も「楽しい」世界を実践中。
(▼)kintone導入検討中の方へ「結局何ができるの?」
ジョイゾーは、エンジニアリングで新しい波を広げます
ジョイゾーは、サイボウズ社の「kintone」(キントーン)を専門にコンサルティングやシステム開発を行うSIerです。すべての人生を楽しくするために、SIerとしてエンジニアリングの可能性を追求しています。
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