見出し画像

夫婦経営のコツは信頼と責任分担! 家族“だから”うまくいく

私が代表取締役社長を務めるジョイゾーは、妻の四宮琴絵(以下、琴絵さん)が取締役COOとして経営に参画しています。

社外取締役として株式会社コテン代表の深井龍之介さんに参画していただいていますが、社内の経営者は、夫婦2人だけです。

ときどき、「夫婦で経営をしてケンカしませんか?」なんて言われることがあります。もちろん、一緒に仕事をしていると、意見が食い違って議論になることもある。

しかし私は、相手が琴絵さんだからこそ、うまくいっていると思っています。

今回は、琴絵さんが取締役になった経緯や、お互いの役割分担などを紹介していきます。ひも解いてみると、夫婦に限ったことではなく、複数で経営する場合には共通して大切なことだと思います。

画像2

「裸の王様」は避けたかった

現在、私はCEOとして経営全般を見ています。資金繰りや、会社全体の方向性を決めることが主な仕事です。

一方、妻でもある琴絵さんは、取締役COOとして、SI事業全体のマネジメントしています。広報やマーケティングの方向性は経営会議で決めるにしても、細かな指示や調整などは、琴絵さんが責任者として実行しています。

そもそも、琴絵さんには一従業員としてSI案件を担当してもらっていました。当時の経営者は私1人でしたが、そのままではバランスがよくないと考えました。

会社の人数が増えているのに、決定権を持つ人間が1人しかいないのはいびつです。間違った決定に誰も意見が言えないような、『裸の王様』になるのは避けたいと思いました。

同じ立場で決断を下せる人が必要だったのです。

まずは、琴絵さんには執行役員から担当してもらい、その後、取締役になってもらいました。

普段の活動を見ていて、十分な信頼があった

なぜ、琴絵さんに経営陣へ入ってもらったのか。

彼女の普段の活動を見ていて、とても信頼できると考えたから。

仕事では、常にお客さん目線でものごとを考えて進めていました。また、仕事に関係のないイベントなどでも、人を集めたり、取りまとめたりすることは私よりもずっとうまい。

また、どんなことも全力でぶつかっていく人だとわかっていました。一番身近にいて、彼女の実行力や、なんでもやり切る姿を見ていたので、適任だと思ったんです。

夫婦という近い存在だからこそ、そこまで強い信頼感になったのでしょう。

「家族だから裏切らないだろう」という感覚とは、また違います。琴絵さんの性格や人間性があってこそ、任せることができたんだと思います。

期待以上のスピードで成果を出した

琴絵さんを取締役として、初めてSIチームの取りまとめを任せるとき、私はもう現場には入らないと決めました。

チームメンバーが増えてきたタイミングで、まずはチームワークの醸成に力を入れてほしいと考えました。その際、「売上はいったん下がってもいい」と伝えました。

目的を達成させるためには3カ月くらいは売上が落ちてもいいし、それくらいの覚悟がないと成果はでないと考えていました。そこまでの覚悟で任せることができたのは、やはり信頼があったから。琴絵さんならやり抜いてくれるだろうと思ったんです。

ふたを開けてみると、売上を落とすどころか、上げ続けたうえでチームもまとめてくれました

受注案件も、社内の調整も、全力でパフォーマンスを落とさずにやり切った。琴絵さんに任せてよかった、と思ったエピソードです。

一方で、琴絵さんは会社の方向性を決めるとか、新しいビジネスモデルをつくるといったことは私に任せてくれています。

お互いの得意なところを理解し合い、分担できていることがうまくやれるポイントかもしれません。

雰囲気が悪くなったときに修復できる

毎日一緒にいて仕事のことを話しているので、議論が発展して夫婦げんかのようになることはあります。ただ、それは夫婦で経営をしている以上想定内のつもりです。

私たちは、会社のビジョンである「新しい世界の新しい波を、楽しもう」をとても大事にしています。

創業から一貫して「楽しい」を目指していますが、その方向性を夫婦で共有しているので、途中でぶつかることがあっても、最終的には同じ方向に向かいます。

また、一緒に考えなくてはいけないことが日々発生するので、1つのことに引っ張られている暇も余裕もありません。引きずらず、目指す方向に対して最も大切なことに目を向けていく

それを共有できているので、大きな問題にならないのでしょう。

空気が悪くなったときに、修復する方法がわかっているのも夫婦の良さかもしれませんね。

私はすぐに黙ってしまうので、琴絵さんから話しかけてくれることが多く、その点は私が甘えています(笑)。

昨年末に企業理念を刷新してリブランディングをし、年初には社内向けにはマニフェストを作るなど、会社のあり方を考えるいい機会になっています。原点に戻ってゆっくり考えるのも、足並みをそろえるのに役立っています。

夫婦だから情報共有が徹底できる

基本的なことでは、すべての情報を共有しているのは大きなメリット。1人で抱えている情報はほぼありません。

家でも会社でも一緒ですから、情報共有しよう、と意識しなくても、自然にお互いが知ることになります。情報共有ツールを駆使しなくても、LINE WORKSと日常会話でこと足りるのは夫婦経営ならではかもしれません。

たまに2人で食事に行ったりもしますが、どんな情報も共有しているから、話すネタには事欠きません。

情報共有が大事なのは、夫婦に限りません。

経営陣であれば、すべての人が同じように情報を見られる状態にしておくべき。また、お互いを信頼して任せるのも、夫婦に限らず経営においては大切なことでしょう。

ただ、私たちの場合には「夫婦だから情報共有が徹底できる」「夫婦だからいつもの行動を見てより信頼できる」というメリットがある。

それが、ジョイゾーの経営に生きているのだと思います。


画像2

(株)ジョイゾー代表取締役社長・四宮靖隆。サイボウズのkintoneビジネスにコミットし、Mr.kintoneとの呼び名も。SIを再定義し、仕事も人生も「楽しい」世界を実践中。


初の著書『御社にそのシステムは不要です。』発売中!

ジョイゾーは、エンジニアリングで新しい波を広げます

ジョイゾーは、サイボウズ社の「kintone」(キントーン)を専門にコンサルティングやシステム開発を行うSIerです。すべての人生を楽しくするために、SIerとしてエンジニアリングの可能性を追求しています


編集協力/コルクラボギルド(取材構成・栃尾江美、編集・平山ゆりの

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?