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ChatGPTに投資のセクター戦略を問う。

やろうと思った背景


最近、ChatGPTに大きなアップデートが施され、使いやすさが格段に向上した。また、参照する最新の情報もアップデートされたので、新しめのトピックに対する回答の精度も向上した。

聞いてみた内容

注目セクター、割安セクター

今回は、ChatGPTに投資のセクター戦略を問うた。
最初は、このように始めた。
「株式の投資で、現在セクター戦略を考えています。市況や経済動向、割安さからいくつかのセクターを取り上げて、そのセクターごとに銘柄を選定していく考え方です。セクターとして、市況や経済動向からファンダメンタルズの観点で注目される業種を3つ、反対に、注目度が低く割安になっている業種を3つ選定したいと思います。どのようなものを提案しますか?」

彼が出した回答は次のようになった。

【注目業種】
テクノロジー業種:イノベーションの加速、デジタル化の進展、そして新技術の普及により成長を継続
ヘルスケア業界:世界的な健康意識の高まりや人口の高齢化に伴い、このセクターは持続的な需要を見込める。
再生可能エネルギー業界:気候変動への対策として、再生可能エネルギーへの投資が増加

【注目度が低く割安になっている業種】
伝統的製造業:安定した需要があるにもかかわらず、投資家からの注目は低い状態が続く。
小売業:消費者の多様なニーズに応える潜在力を秘めており、割安な銘柄が存在する可能性
鉱業:環境問題や代替エネルギーの普及により、鉱業セクターは投資家から敬遠されがち

印象としては、妥当性を感じる。しかし、最終的に銘柄選定にプラスにならなければ意味がない。ということで、次に具体的な企業を提案させた。

代表的企業は?

「上に挙げたそれぞれの業種から、上記のコンセプトに沿いつつ代表的な銘柄(日本企業)を、業種ごとに3つずつ挙げてください。」

まとめると、以下の企業が提示された。
【テクノロジー業界】
ソフトバンク、ソニー、任天堂
【ヘルスケア業界】
武田製薬、アステラス製薬、中外製薬
【再生可能エネルギー業界】
ソフトバンク、出光興産、JFEホールディングス
【伝統的製造業】
川崎重工業、三菱重工、小糸製作所
【小売業】
イオン、ユニー・ファミマ、高島屋
【鉱業】
石油資源開発、住友金属鉱山、東邦亜鉛

それぞれ、別の情報源で投資指標を確認したが、全般的な印象としては投資適格の銘柄を挙げてくれているように思う。ただし、ユニー・ファミマはTOBで上場廃止(パンパシフィックホールディングスの子会社化)しているので、その辺はくみ上げられていなかった。

お宝銘柄は?

大企業以外のお宝銘柄探しの観点ではどうか。

「上に挙げたそれぞれの業種から、上記のコンセプトに沿いつつ、代表的ではない中小企業ではあるものの財務状況が良く、収益を安定的に挙げ、成長を継続している銘柄(日本企業)を、業種ごとに3つずつ挙げてください」

このような企業が挙げられた。
【テクノロジー】
インフォコム、オプティコム、ネクストジェン
【ヘルスケア業界】
リプロセル、メディネット、ジーンテクノサイエンス
【再生可能エネルギー業界】
レノバ、ウェーブロックホールディングス、エネチェンジ
【伝統的製造業】
ホソカワミクロン、アマダ、ヤマシンフィルタ
【小売業】
ヤマダ、ワークマン、コメリ
【鉱業】
中外鉱業、フジタコーポレーション、ジャパンドリリング

これも別の情報源で指標を確認したが、そこそこ投資適格なものも多いが、経営も安定していない企業もそれなりにある印象で、財務がかなり不安定なものも含まれていた。リスクはあるが、その分株価も落ちているので、復活を狙うのであれば無しではないが…。
また、社名が変更になっていたり(ジーンテクノサイエンス→キッズウェルバイオ)、銘柄コードと企業名が一致しておらず、どっちが正しいのかわからなかったりした。代表的企業の時と同様に、上場廃止の企業が含まれた(ジャパンドリリング。2018年財政難により会社更生手続き)。

総じて感想

総括すると、投資セクター戦略の相談相手としては、かなり「あり」なのではないかと思う。マクロな話であれば、精度の高い情報をもたらしてくれる印象だ。同じ理由で、セクターを代表する企業に関しては、納得感のある銘柄を抽出してくれた。一方で、情報量の少ない中小企業の選定や、上場廃止や社名変更などには、難があると感じた。お宝銘柄の発掘という観点では、精度は高くない印象だ。
全般として、流動的な情報の処理には向かず、これまで通り、十分に蓄積がある情報群を処理した際に、目覚まし成果が導かれる傾向は、依然として続いていると思われる。

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