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Mirai Creators 1期に参加して

地方国立大学に通う3年生のあいです!
就活のはじめの一歩として、2023年4月20日から5月26日にかけて行われた
『Mirai Creators ワークショップ』第1期に参加してきました。


ワークショップについて


『Mirai Creatorsワークショップ』は、美大生と総合大生が共同してプロジェクトを行う取り組みです。私は人文学(美術史学)を専攻する総合大生として参加しました。


【参加した理由】

 私は先述の通り、大学では人文学・美術史学を専攻しています。学びを活かせる仕事としては美術館・博物館の学芸員が妥当だと考え、資格取得を目指してはいますが、学芸員としての就職は現実的ではありません。

 加えて、美術館・博物館のコレクションや研究は学術的価値が認められるもののみが重宝されているように思えてなりません。スノビズム的とすら言えると思います。私はむしろ美術館こそ「多様な価値観を展示する場所」だと考えており、その価値観を可視化する現代のアーティストと関わることを求めていました。私がするべきは、彼らと社会を結ぶことだと思います。

 就活に向けて美術の知識を活かせる他の仕事を探さなきゃと、思っていた矢先に見つけたのがMirai Creators第1期でした。
「美大生×総合大生」「クリエイター志望の学生達よ」
この文言だけでも私の求めているものを知れる予感がありました。
クリエイティブなビジネスを体験できる、アーティストのたまごである美大生と交流できる、という理想的な条件に惹かれて参加を決めました。


対面前の事前課題


 参加希望のフォームを送るとすぐにMirai Creators運営局のちょむさんから連絡をいただき、事前課題として以下の二つを挙げられました。
・「ワクワクとできる」のワークシート
・16 personalities診断

 インターンの課題としては珍しいのではないでしょうか。実際にプログラム終了後に別の会社のインターン選考を受けましたが、課題として課せられたのはいわゆる「エントリーシート」でした。
 Mirai Creatorsが求めているのは「参加者の個性」「意思」であることがよく分かります。

私はISFJ-Tの「擁護者」タイプでした。確かにチームのサポート的役割をしてたかも!


チームメンバーとの出会い

 プログラム初日の4月20日、事前課題をもとに構成されたチームメンバーと対面しました。私たちチーム4は美大生3人、私を含めた総合大生2人で構成されていました。

 それぞれの16 personalities診断結果を話し合うと全く違っていて、各自の個性に合わせた役割分担の決め手になりました。事前課題としての16 personalities診断は、
①参加者に個性が求められるプログラムであることを伝えること
②チーム編成を効率化すること
の2点に活かされたと私は考えています。

 さて、私たちチーム4は「新しい形式の本屋を提案する」というテーマでプロジェクトに挑戦しました。初日はふせんを用いてアイデアを出し合い、以降のオンライン作業に向けて仮案の決定とスケジュール調整を行いました。

社員の方がメンターとして付いてくれるので、話し合いがしやすかったです!


オンラインでのチーム作業


 仮案とスケジュールを決めた私たちはさっそくオンラインでのプロジェクト進行に取りかかりました。Slackというチャットツールを使い、週2回ほどチーム全体で会議をしていました。

 各自のアイデアを持ち寄ったプレゼンを2回行い、最終的には「文学作品をギャラリー展示・販売する本屋」というテーマに決定しました。

 ギャラリーの構成/本屋の運営は、性質としてはクリエイティブ/ビジネスにそれぞれ分けられます。各自の得意分野を活かそうということで、結果的に美大生/総合大生に分かれて作業を行いました。効率よく進められはしましたが、せっかくならもっと一緒に作業する時間を作るべきだったと今は思っています。

リーダー・書記など役割は決まっていましたが、みんな自主的にメモを残してくれていました!


中間発表


 5月11日に行われた中間発表では、「渋谷PARCOで新人作家の作品をギャラリー展示・販売する本屋」というテーマで発表しました。私は以下のビジネスマップを作りましたが、まだアイデアが荒削りの段階だったため色々と指摘をいただきました。

中間発表時点のビジネスマップ

 中間発表の時に印象的だったのが、美大生の講評慣れです。私たち総合大生は講評を受けてかなり落ち込んでしまったのですが、美大生はみんな「中間はこんなものだよ」とポジティブな反応を見せていました。

 ここで初めて美大生と総合大生である自分の感覚の違い、今まで取り組んできた活動や考え方の文法の違いに気がついたのかもしれません。この気づきが中間発表の一番の収穫だと思います。


最終発表

 中間発表での指摘を受け、私たちチーム4はプロジェクトの目的を見つめ直しました。その結果「新人作家」「渋谷PARCO」などの目を引くワードよりも「本を手に取ってもらう機会の創出」こそが必要であると気づき、最終テーマである「本の世界観や魅力をギャラリー展示として表現し、新しい本との出会いと購入の機会を提供する本屋」に考え至ることができました。

 私たちはこの本屋を”BookLook”と名付け、以下のような展示イメージとビジネスマップを用いて最終発表に臨みました。

美大生メンバーによるギャラリー展示イメージ


最終発表のビジネスマップ


 合計4つのチームでアイデアを競い合い、結果として優勝は逃してしまいましたが自分なりにやりきったと思っています。欲を言えばもう少し時間が欲しかったですが、美大生と一つのプロジェクトに取り組む貴重な経験ができて満足しています。


【感想】

 中間発表や最終発表の講評を受けて、またチームメンバーとの話し合いを通して感じたのは、アイデアを企画として成立させるには仕組みの理解が必要であるということです。

 一つのビジネスがなぜ成立しているのか、関係する組織とはどのような利害関係なのか、予算の財源は何なのかなど、対象がどのようにプログラミングされているかを知らないと新提案はおろか改善案すら思いつきません。

 この思考のプロセスを明確にし、共有することが「クリエイティブ職とビジネス職の共通言語」ではないでしょうか。美大生とのプロジェクトを通して、現段階で私はこのように理解しています。

【今後の展望】


 『Mirai Creatorsワークショップ』第1期に参加して、総合大生の私ができる「美術の知識が活かせる仕事」へのイメージが少し形になってきました。今回はあくまでも一般教養として学んだ経済・経営の浅い知識を擦ったにすぎないので、次は学芸員資格過程や美術史学の知識をフルに使うプロジェクトに挑戦してみたいです。

 ギャラリー展示や企画展は私にとって関心の高いテーマです。今回のプロジェクトで考えた"BOOKLOOK"から学び、また展示企画のインターンやプロジェクトを見つけて参加しようと思います!


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