バイク・ガールアットナイト

肩までかかる長い髪をまとめ、古いバイクに特有のヴヴというアイドリング音が駅に鳴り響く。随分と長い道のりを走ってきたような、またさっき出てきたかのような気分。ロータリーに進入するために信号を待っていると赤色のサインがフルフェイスのヘルメットに乱反射した。暗い道を走ってきたためか眼が急な明るさに慣れておらず思わずその眩しさに眼をそらす。その後ろ。そんな彼女を見つめながらそのたった一人の稀有な人生に思いを馳せてみたい。

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