手書きの字
綺麗な手書きの字は武器になる、というお話。
先日「UDフォントの書類はバカにされている気がする」なんて話を書いたけど、その逆な話がそういえばあったな、と思い出した。
東京で仕事をしている時、事務所には20人位しかいないようなこじんまりとした会社だったのだけど、字が抜群に上手なお姉さんがいた。
当時(2000年頃)、お客様への連絡は電話/FAXが主流な時代。
お客さんへのFAXの原稿をその彼女は普通のコピー用紙に筆ペンで書いてた。「これが一番早いんですよね(ニコ)」とか言いながら。
また本当に達筆で、どれくらい達筆かというと、
私、読めない(解読できない)、んでもって、
「この字でFAX送られてきたら、私なら書いてある内容それどころじゃなくて、ごめんなさいって五体投地する。」
と言ってしまうくらいの達筆。
その会社の大阪事務所には、もうひとり達筆なお姉さまがいたのだが、その方時々東京事務所に来た際には彼女の字を観て「はぁ(ため息)、私には書けない」と感想を漏らしていた。
私からすれば、神様同士でなにやってんの?である。
そんな神々であるお姉さま達は、己の字が武器となることが分かっていて、天上から雷を投げるがごとく、サラサラと書いていた。見ていて気持ちが良い、というのはこういう事。
ちょっと別の話で、ヒマな学生時代、見ていたお昼のワイドショーで、当時やんちゃ元気がいいイメージのアイドルの男性が子供が生まれましたと記者会見をしているのを何とはなしに見ていた。昔は当然のように子供の名前を発表するので、彼は後ろの黒板にチョークで子供の名前をフルネームで書いたのよね。そしたらそれを見ていたスタジオの司会のおじさんが「きれいな字を書くんだねぇ」とすごく感心したコメントで受けていた。
「やんちゃ」なイメージだけじゃないんだねこの子、的な司会のおじさんの中での評価が上がったようなニュアンスが含まれているように感じた。
今思えばあれは計算をしていたかどうかはともかく、「字が彼の武器となり彼を守った」瞬間だったのかもしれない。
そんなこんなで、字は綺麗に書けるものなら書きたいけれど、右下がりの文字を書く私の字は、手首の鍛錬位にはなるかな??
今も昔もキーボードでペチペチするのが一番早いのは変わっていないのだけれど。。。
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