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『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』は評判どおり良かった!!

映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』観ました。

浅はかな感想ですが、記憶が薄れる前に書き散らします。
ネタバレ含みます。

とりあえず、水木青年がイケメン!!笑
水木って名前だけど、作者ではないです。
血液銀行という物騒な名前の銀行のサラリーマンで、出世のためにとある村へ。
水木は第二次大戦で散々な目に遭い、引き揚げてからもお母さんが騙されて実家の財産を奪われていることが発覚したり…。で、弱い者はどんな世であれ搾取される。俺はもう搾取されるのはゴメンだ。そんな心境になっている。

映画のゴールデンカムイの203高地の戦闘シーンでも思ったけど、戦争はよくないよ…。良くないけれど、無くならない。昔からずっとずっと戦争はある。戦争の歴史が、人の歴史。
職業軍人じゃないのに赤紙で徴兵されて死ぬとかホント嫌だ。しかも玉砕命じておいて上官はのうのうと生き残って戦後もいい思いしてるし。
昭和30年ごろが舞台だから会社でも列車でも男どもがタバコスパスパひどい。むかーしのドラマとか映画ってこうだったな。この辺が妙にリアルに描いてある。
あとで解説を聞いたら、タバコスパスパ、ポイ捨てもする。咳してる子がいてもお構いなし。これは「昔は良かった」に対する反論で、いや、いいとこもあっただろうけどタバコスパスパ、弱者に厳しい、そんなよくねえよ!ってメッセージ。
あと、一部の作品で戦争を美化する向きがあるから、それに対して明確に戦争の愚かさを提示しているらしい。一般庶民が一億総玉砕とかいって無駄死にさせられているんだ。その辺よく考えようねっていうメッセージ…
言われてみればそういうテーマというか目的をもって描写してるのかもしれない。

とある村というのは、とある薬で大儲けしている一族が住んでて…というストーリーで、評判通り横溝正史っぽい。

横溝正史と水木しげるの妖怪とイケメンがいい具合にミックスされててテンポ良く進んで最後の方涙溢れてとにかく良かったです!!
戦争のトラウマの部分は杉元を思い出してしまい余計に切なくなった。

鬼太郎のお父さんの飄々とした感じもすごく好き。でも妻に対する熱い熱い愛情とそれゆえの怒りが、普段の飄々とした感じとのギャップで余計泣ける。

ストーリー自体は意表をついたものではないけれど、引き込まれてあっという間だった。

しかし一応悪者は成敗されたとは思うけど、切ないなあ。虐げられた人があまりに多くて。
作品としてうまく描いてあるから観てて辛いだけではないんだけど、観た後も色々考えてしまう。

個人的にいちばん良かったのは、悪玉のジジイにむかって水木が斧持って放った一言。あれ最高にかっこいい。水木は単なるヒーローじゃないんだけど、あのセリフはとても良い。

おまけ
鬼太郎のお父さんが座敷牢の中でお蕎麦すすってるシーン、あのお蕎麦がめちゃくちゃ美味しそう。
あと目玉の親父ってお風呂好きだったけど、映画でも温泉好きだった。

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