見出し画像

イチオシは『河童の三平』

見出しの写真は近所の公園の山桜。
名古屋ではソメイヨシノが散り始めた。

今年に入ってから水木しげる作品を結構読んだ。
代表作『鬼太郎』『悪魔くん』『河童の三平』のほか、「のんのんばあ」シリーズ、戦記もの、コミックエッセイ、あと漫画じゃないエッセイも読んだ。

まだ読んでない作品があるけど、今のところ一番好きなのは『河童の三平』である。
この作品、ゴールデンカムイと同じで、読み返すたびに好きなキャラクターが増えていく。
何度も何度も読むに値する味わい深い漫画。

ぱっと見、地味な感じのする作品だと思う。読むまでは特に興味もなく、オススメの水木しげる作品としてAmazonが勧めてくるから「まあ、とりあえず」で読みはじめた。
読みはじめたのは予定のない、曇った日曜日の朝だった。気づけば貸本版を3冊全て買って読破していた。

童話のような、懐かしい感じがする。
しかし単にほのぼのしているのではない。
作品全体に乾いた死の気配が常に漂う。

かわいいキャラ「タヌキ」も死の気配をまとう。
みなしごだから親をおそらく亡くしている。
死神に連れてゆかれる三平との別れもある。
タヌキ自身は死なないが、タヌキの周りには死がある。

単なる善人も悪人もいない。皆、淡々と逞しく生きている。

『河童の三平』熱が冷めやらず、また河童の三平グッズをネットで買ってしまった。
『妖怪本舗』さんで散財した。

こうやってグッズを買うのは無駄遣いだろうか?
でも、今まで買ったものは飾って毎日眺めたり使ったりしている。
今度買ったものも大切にする。
少々高くても、十分に心を潤してくれているからいいのだ多分。

余談だが、妖怪本舗さんから送られてくる段ボールがとても可愛い。貸本版っぽい鬼太郎が描かれている。とても好みの絵なので捨てずに物入れに使っている。

中学高校のときは手塚治虫をせっせと読んでいた。面白かったのもあるけど、図書館に置いてあったからというのも大きい。ブラックジャックははまって自分でも買った。
当時の私は水木しげるはなんとなく気にはなるけど、特に読もうとしなかった。図書館にもなかった気がする。
いまこの歳になり、水木しげるの味わい深さについていけるようになった。

このまえ、久しぶりにブラックジャックを読んだ。表現に昭和を感じるものの、漫画として色褪せないなと思った。でも今読みたいのは水木しげるだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?